駆け出しCEのblog

臨床工学技士として日々勉強しております。 このブログでは、自身の知識や学んだことを他のコメディカルとも共有したいと思い作成しています。

関東でMEとして働いています。
臨床工学や医療機器について学んだことを
MEの目線から書いていきます。
看護師さんや他のコメディカルでもわかるように
書きますのでみんなで知識を共有していきましょう。

カテゴリ: 補助循環業務


はじめに

PCPSとは、心肺機能の代替または補助を行う医療機器です。一般的には補助循環装置と呼ばれ、流量を補助する装置です。今回はPCPS(V-A ECMO)がメインでは無く、回路に使用されている血流計について書きます。

PCSPの血流計は、「超音波トランジットタイム型」が使われています。そもそも、なんでPCPS回路に血流計が必要なのかというと、遠心ポンプという前負荷と後負荷によって流量が変動してしまうポンプを使っているので、流量計が必須となっています。

 

トランジットタイム型血流計について

トランジットタイム型血流計とは、血流の順方向と逆方向に、パルス波(超音波)を通過させ、順方向と逆方向の通過時間(Transit time)の差で、血流量を測定するデバイスになっています。


トランジットタイム型血流計測定原理


血流と順方向の場合、通過時間は早くなり、逆方向の場合は遅くなります。

反射板ありも無しも原理的に変わりは無いが、反射板ありの方が、通過距離が長くなり、時間差が大きくなりと考えられます。

 

■この原理の例えに、「歩く歩道」で考えるとわかりやすいです。

歩く歩道とは空港などにある、ひらたいエスカレーターみたいなやつです。

その上を歩くと、〔歩行速度+歩く歩道の速度〕になり、移動速度がはやくなります。逆方向に歩くのを考えると〔歩行速度歩く歩道の速度〕となり、移動速度は遅くなります。


トランジットタイム型血流計測定原理②


この時、歩く歩道の上を決まった歩行速度で、両端から同時に歩き始めると、歩く歩道を渡りきる時間に差が出ます。この差は、歩く歩道の速度が速くなればなるほど広がります。この時間差で歩く歩道の速さを計算できます。


トランジットタイム型血流計の測定式


③トランジットタイム型血流計測定原理

トランジットタイム型血流計測定原理④


気泡検知

このトランジットタイム型血流計には、流速測定以外に気泡検知の機能もあります。音速は空気中で340m/s、水中で1500m/sと違いがあります。なので、気泡が伝搬経路にあれば、音速は1500340m/sに落ちるため、気泡を検知できます。一石二鳥の仕組みといえます。

 

さいごに

身近にある「音」の特性を使って、医療では、いろいろなことが出来ます。他にも、超音波画像診断装置、ドップラー血流計、超音波メス、IVUSなどなど、他にも多数あります。



はじめに

補助循環や人工心肺の導入時に注意しなければならないのが急激な血圧低下です。このような現象をイニシャルドロップといい、体外循環導入初期にはもっとも注意しなければならない事象の1つです。

今回は、イニシャルドロップについて簡単にまとめていきたいと思います。

 

原因

   血液粘性の低下

体外循環を行うときの体外循環回路内には、プライミング液が満たされています。つまり体外循環導入初期には、脱血された血液に対して、返血はプライミング液となるわけです。

その結果、血液が希釈され血液の粘性が低下しそれに伴い、血圧も低下します。

 

   カテコールアミンの希釈

体外循環中の血液希釈により、血液中のカテコールアミンの濃度が低下します。そのため、末梢血管抵抗が低下して血圧低下をきたします。しかし、この血圧低下によるフィードバック制御によりカテコールアミンの分泌が誘発されます。

 

   IN/OUTバランスの不均衡

脱血量が送血量より多い場合に、血管内のボリュームが低下することで血圧低下をきたすことがあります。

 

   プロスタグランジンの分解能低下

プロスタグランジンは肺循環時に血管内皮細胞により摂取されることで、分解される。体外循環中は肺血流が低下または完全に消失するため、プロスタグランジンの分解能が低下します。

プロスタグランジンの作用として、血管拡張作用があります。血管が拡張することで、末梢血管抵抗が低下し、それに伴い血圧も低下します。

 

   ブラジキニン産生

脱血された血液が、人工肺などの異物と接触することにより、ブラジキニン産生が促進されます。ブラジキニンの作用として血管拡張作用があり、プロスタグランジンと同様に末梢血管抵抗を引き起こし、それに伴い血圧も低下します。

 

さいごに

私は臨床の現場でイニシャルドロップといわれるような現象に遭遇したことはありません。そのため、書籍やネットで調べた程度の情報しかありません。

今後、遭遇する機会があると思いますのでしっかりと知識を付けて対応できたらと思います。

 

 

 

 

 


【はじめに】

HeartMateは植込型補助人工心臓の1つであり、現在使用されている植込型補助人工心臓の主流となっています。

補助人工心臓の運用ついては限られた施設でしか行われておらず、臨床の現場でも関わる機会も少ないですが、知識として知っておくことには意義があると思います。

今回は、埋込型補助人工心臓の中でもHeartMateについて、私が調べたことを簡単にまとめていきたいと思います。

 

HeartMateとは】

脱血管、送血管、血液ポンプ、経皮ドライブライン、システムコントローラ、電源ケーブル、パワーモジュール、ディスプレイモジュールにて構成されています。植込型補助人工心臓と言っても、脱血管、送血管、血液ポンプだけが体内にあり、経皮ドライブラインを介してその他の部品と接続されております。

血液ポンプは軸流ポンプが使用されており、ローターが高速回転することにより生じる揚力により血液を循環させています。脱血部位は心尖部から行い、上行大動脈へ送血を行っております。血液ポンプ自体は、腹膜と腹直筋の間に留置されます。

血液ポンプへの電源供給は、体外にあるパワーモジュールより行います。また、バッテリーを用いる事も可能であり、バッテリーはリチウムイオンを使用しています。

 

【血液ポンプの流量特性】

補助人工心臓を用いている場合、最も注意しなければならないのはポンプ流量が適切であるかどうかです。ポンプ流量は、前負荷、後負荷、残存心機能により左右されます。特に、後負荷が高くなるとポンプ流量が低下してしまうため、後負荷の要因となるパラメータに関しては、適切なコントロールが必要になります。

後負荷の要因としては、血圧が挙げられます。同じ回転数では、血圧が高くなるにつれてポンプ流量が低下してしまいます。

 

【抗凝固療法】

患者さんは経口でのワーファリン投与が必用となります。そのため、消化管出血などには注意が必要となります。

 

【感染】

手術痕の感染はもちろんですが、HeartMateⅡの場合、体内の血液ポンプと体外のシステムコントローラを経皮ドライブラインにてつながっているため、経皮ドライブラインが体外へと露出する部分の感染が起きやすくなっています。そのため、定期的な消毒、ガーゼの交換やシャワー浴などにより傷口を清潔に保つ必要があります。

 

【患者教育】

HeartMateⅡを使用する場合は、自宅での療養が可能となります。そのため、パワーモジュールからバッテリーの切り替えなどを患者自身で行わなければなりません。また、患者自身だけでなく家族の協力も必要となるため家族同席での教育が必要となります。

【初めに】

IABPを行う場合は緊急時であり、一刻も早くバルーンを挿入しなければならない。そのため医師の指示が出る前に、適切なサイズのバルーンを準備しなければならない。そのためIABPのバルーンサイズは、何によって決定しているか把握しておく必要があります。

 

【バルーンサイズの選択】

IABPのバルーンサイズは、患者の身長によって決定しています。以下に示すのは、私の勤める病院で用いているIABPバルーンサイズ決定の指標です。

IABPのバルーンサイズ


   ※高度石灰化病変の場合、ワンサイズダウン

75歳以上の場合、ワンサイズダウン

 

バルーンサイズの選択は、メーカーにより若干異なってくるので、勤めている病院で使用されている物品の確認は必須です。

リスク因子のある患者さんに対しては、医師の指示に従ってバルーンサイズの変更も必要だと個人的には考えております。

 

【最後に】

病院のどこにIABPのバルーンやシースがあるのかは、日頃の業務で確認し、緊急時に備えておかなければなりません。バルーンサイズの選択が適切にできる知識をもっていても、物品の位置が分からなければ意味がありません。

【はじめに】
 IABPは、intra-aortic balloon pumpingの略であり、心機能が著しく低下して自己の心臓だけでは、循環動態を維持できない場合に使用される補助循環装置の一つである。

【バルーン留置部位】
 IABPは下行大動脈内にバルーンを留置する。詳しく説明すると、透視下において左鎖骨下動脈の2cm下行で、腎動脈などを塞がない位置とされている。私の所属している病院では、IABPのバルーンを挿入するときは、必ずX線透視下で行われることになっています。臨床工学技士独自のチェック表でも「X線透視下でのバルーン挿入を確認」という項目があります。

【効果】
ダイアストリック・オーグメンテーション
 心室の拡張期にバルーンを膨らますことで、拡張期圧が高まる。さらに、下行大動脈へ流れようとした血液が、バルーンが拡張することによって冠動脈へ流入しやすくなる。まとめると、バルーン拡張によって冠動脈血流量の上昇、拡張期圧の上昇がもたらされる。

シストリック・アンローディング
 心室の収縮期にバルーンを収縮させることで、今までバルーンが拡張していた分の容積が無くなり、下行大動脈に血液が流れやすくなる。この時、通常よりも低い圧力で血液を送り出すことが出来ることから、後負荷が軽減し、結果的に心仕事量が低下することで心筋の酸素消費量も低下する。まとめると、バルーンの収縮により後負荷の軽減、心仕事量の軽減、心筋の酸素消費量減少がもたらされる。

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