駆け出しCEのblog

臨床工学技士として日々勉強しております。 このブログでは、自身の知識や学んだことを他のコメディカルとも共有したいと思い作成しています。

関東でMEとして働いています。
臨床工学や医療機器について学んだことを
MEの目線から書いていきます。
看護師さんや他のコメディカルでもわかるように
書きますのでみんなで知識を共有していきましょう。

カテゴリ: 呼吸療法


はじめに

人工呼吸器を使用する際に必ずと言っていいほど、モニタリングする項目に呼気終末炭酸ガス値(EtCO2)があります。では、なぜ人工呼吸器を使用する患者さんに、EtCO2をモニタリングするのでしょうか。

今回はEtCO2の基本について書いていきたいと思います。


EtCO2ってなに?

EtCO2を簡単に説明すると、患者さんの吐いた息に含まれる二酸化炭素の分圧を示し、基準値は35-45mmHgです。

ネットでETCO2と検索すると、「呼気終末炭酸ガス濃度」と出てきますが、濃度の単位としてmmHgは不適格だと個人的には思うので、あえて呼気終末炭酸ガス値という用語を使用しています。

EtCO2はカプノメータというME機器で測定するカプノグラフィという波形にて求めることが出来ます。

主に人工呼吸器を使用している患者さんに対してモニタリングを行います。私の勤める病院では、人工呼吸器使用時には必ずEtCO2をモニタリングします。


カプノグラフィ

EtCO2を理解する上でカプノグラフィの理解は必須項目です。では、下記にカプノグラフィの波形を示します。パソコンで描いたため、あまり綺麗ではありませんがご容赦ください。


図1


    A-B

呼気のはじめは死腔部分のガスが呼出されるため、EtCO20です。そのため、呼出が始まっても最初はグラフ変化がありません。

 

    B-C

死腔部分のガスが呼出されると、急激にグラフの値が上昇していきます。B地点が呼気のはじめだと思いこんでいる方がいますが、B地点は死腔部分のガスが吐き出され、肺胞のガスが呼出される地点です。

 

    C-D

呼出が進むにつれ、グラフ変化が緩やかになる区間があります。この区間を肺胞プラトーと呼びます。

 

    D

肺胞プラトーの間もグラフは緩やかに上昇します。そして、グラフのピーク値を呼気終末炭酸ガス値(EtCO2)とします。

 

    D-E

吸気が始まり、グラフが急激に下落します。


まとめ

    EtCO2は、呼気ガスに含まれる炭酸ガスの分圧値

    EtCO2の基準値は、35-45mmHg

    EtCO2はカプノグラフィから求めることができる

    肺胞プラトー期の最大値がEtCO2


はじめに

人工呼吸器の波形には、ループ波形というものがあり、それは圧容量曲線とフローボリューム曲線であります。圧容量曲線は前に書いたので、見てない方は見てください。今回はフローボリューム曲線について書きます。

 

フローボリューム曲線について

フローボリューム曲線は縦軸を流量:フロー(L/sec),横軸を肺気量:ボリューム(L)の曲線です。


フローボリューム曲線正常波形


流量の正側が呼気で、負側が吸気です。時計周りに曲線が描かれます。

 

横軸の詳細

肺の空気は全部、外に出ることはありません。なので曲線の横幅は、最大吸気量と残気量で決まります。

 

換気障害のフローボリューム曲線

閉塞性換気障害の場合の波形


フローボリューム曲線閉塞性換気障害


閉塞性換気障害は気道抵抗が上がるので、流量が遅くなり、正常波形に比べて高さが無い波形になります。

時定数τRCから考えると、気道抵抗Rによりτが上昇、τの上昇は変化量低下が考えられます。

 

拘束性換気障害の場合の波形

フローボリューム曲線拘束性換気障害


拘束性換気障害は肺のコンプライアンス低下による肺活量減少なので、正常波形に比べて横幅が狭い。

時定数τRCから考えると、肺容量Cによりτが減少、τの減少は変化量上昇が考えられます。

 

波形から見える時定数と変化量について


フローボリューム曲線比較


特異的なフローボリューム曲線

フローボリューム曲線で閉塞性換気障害の種類までわかることがあるそうです。


気管狭窄(上気道の固定性閉塞)

フローボリューム曲線気道閉塞


上気道の閉塞は呼気吸気どちらも流量が低く平坦な波形になります。

 

声帯麻痺(胸郭外閉塞)

フローボリューム曲線声帯麻痺


声帯は吸気時に開いて抵抗を減らしています。なので声帯麻痺が起きると、吸気時のみ気道抵抗が上昇し、吸気流量のみが減少します。

 

さいごに

ほかにも疾患別のフローボリューム曲線は、検索すれば沢山でてきます。それらの波形の形を覚えるのではなく、曲線の仕組みを理解すれば、形だけで呼吸の状態を予測できるのではないでしょうか。






はじめに


前に閉塞性換気障害の記事を書いたので、重複する部分もあると思うんですけがよろしくお願いします。

 

拘束性換気障害の簡易モデルと定義


まず、換気障害の簡易モデルは、肺全体を「気道」と「肺胞」の大きく2つに分けて考えます。

ちなみに左の図が正常で、右が拘束性換気障害のモデル図です。

拘束性換気障害


拘束性換気障害は、、

肺胞部分の容量減少が見れます。

 

拘束性換気障害の定義は、

拘束性換気障害の定義


スパイロメータという医療機器での検査で、

一秒率は70%以上で正常、

%肺活量は80%以下で異常の場合、「拘束性換気障害」だと分かります。

 

※「%肺活量」と「一秒率」の説明は閉塞性換気障害の記事に書いてあるので、それを見てください。

 

拘束性換気障害は、%肺活量が80%以下しかない無い状態です。

なので、気道ではなく肺胞の異常が考えられ、なんらかしらの異常によって肺胞の容量が減少したと考えられます。

 

拘束性換気障害の疾患


1)肺のコンプライアンスの低下⇒肺線維症、間質性肺炎、肺水腫

2)肺容量の減少⇒肺腫瘍、肺水腫

3)胸部の拡張障害⇒肺結核後遺症

などなど、、、

 

時定数τの考え方


※簡単な説明は閉塞性換気障害の記事に書いてあります。

 

今回の拘束性換気障害は、気道抵抗Rは正常で、肺容量Cが減少する。となると、肺に満タンに入るまでの時間が早くなることが想像できると思います。それを容量Cの減少(C/2)による、時定数の減少(τ/2=RC/2)となります。

 

吸いやすく吐きにくい理由


肺のコンプライアンスの低下や肺容量の減少、胸部の拡張障害によって、吸いたい量が吸えないことから、吸いにくく。呼気の場合は、気道閉塞はないので、スムーズに吐ける。

 

さいごに


時定数で例えた話は、フローボリューム曲線の記事の事前準備でもあるので、今回だけでは、必要性があまり感じなかったと思います。なのでフローボリューム曲線の時に繋がるように、頑張って書きたいと思います。

 

参考文献

1. 病気が見えるvol 4 呼吸器

2. 臨床工学ライブラリーシリーズ② 生体物性/医用機械工学






はじめに


呼吸器を設定・使用するうえで、コメディカル自身も疾患系も覚えないといけないと、臨床現場に出て痛感します。その理由として、お医者さんは万能では無く、熟練度も差があり、業務が多忙であるため、大まかな設定をコメディカルに頼ることもあります。

その時に、どんなに人工呼吸器の構造原理や動作を理解してても、期待に応えることが出来ないです。

 

簡易モデルと定義


まず、換気障害の簡易モデルは、肺全体を「気道」と「肺胞」の大きく2つに分けて考えます。

ちなみに下の図が正常だとすると、

気道・肺胞の簡易モデル


閉塞性換気障害は、、

閉塞性換気障害簡易モデル


正常な肺より気道が細く表現されています(わかりやすく赤で表示してます)

 

閉塞性換気障害の定義は、本屋やインターネットで調べればすぐ出てきますが、一応書いときます。


換気障害の病態分類


スパイロメータという医療機器での検査で、

%肺活量は80%以上で正常、

一秒率は70%以下で異常の場合、「閉塞性換気障害」だと分かります。

 

%肺活量について、

肺活量は、肺で呼吸時に移動できる最大の空気量です。

測定者の①性別、②年齢、③身長で「予測肺活量」が出てきます。

予想肺活量算出式

%肺活量は、実測の肺活量と予測肺活量の割合のことです。

%肺活量算出式

一秒率について

限界まで息を吸った状態(肺活量)から、一秒間で吐ききった量(一秒量)の割合。

一秒率算出式


閉塞性換気障害は、一秒間で肺活量の70%以下しか呼出できないということであります。

なので、肺胞ではなく気道の異常がかんがえられ、なんらかしらの異常によって気道抵抗が上がり、呼気流速が遅くなってしまったと考えられます。

  

閉塞性換気障害の代表疾患


1.気管支喘息 (気管のリモデリングによる気道閉塞)

2. COPD:慢性閉塞性肺疾患 (肺胞の弾性力低下による気道虚脱もある)

3.気道異物 (異物が気流の抵抗になる)

 

時定数τの考え方


時定数τ(タウ)とは、簡単に言うと、「安定するまでの変化の時間」です。一般的には電気工学の分野のカットフィルタで使用されます。

なぜ、呼吸の事を書いているのに急に時定数を出したかというと、電気工学の考えが換気障害の考え方をシンプルさせるので、だしました。

 

電子工学では「時定数τ=RC」です。Rはレジスタンスの抵抗値、Cはコンデンサの静電容量を表しており、コンデンサに電子が満杯になるまでの時間を時定数で予測することができます。例えば、コンデンサの容量が大きかったら、、、それはもちろん満杯になるまで時間がかかります(×2C=2τ)。レジスタンスの抵抗値が大きかったら、、、コンデンサに入る電子の流入速度がレジスタンスによって遅くなるので、同じく時間がかかります(2×C=2τ)。逆にそれぞれが小さくなったらと考えたら想像できると思います。

 

その関係性が「気道=レジスタンス」・「肺胞=コンデンサ」に近似しています。

今回の閉塞性換気障害は気道抵抗に伴う時定数τの上昇(変化量減少)となります。

 

私自身、電気電子工学が大好きなので医療現場にある電気電子工学もいつか書きますのでその時に詳しく説明します!!

 

吸いやすく吐きにくい理由


閉塞性換気障害では吸気はできるが、呼気しづらいそうです。気道抵抗が上がると吸気呼気ともにしづらくなると想像してしまうと思います。その理由は胸腔内圧によっての気道抵抗の変化です。

吸気時は大気を取り込むために胸腔内圧は陰圧になります。そうなると気道が周りから引っ張られるので気道が広がり、気道抵抗は下がり、吸気はスムーズになります。

呼気時の大気に肺の空気を吐き出すために胸腔内圧は陽圧になります。そうなると気道が周りから押されるので気道が狭まり、気道抵抗は上がり、呼気がしづらくなります。

気道抵抗説明用


さいごに

あと拘束性換気障害と呼吸不全(拡散障害、換気血流不均衡、シャント、肺胞低換気)も書く予定になっています。呼吸器疾患はこれらの組み合わせが症状になっているので、暗記する量が減ると思います。

 

参考文献

1. 病気が見えるvol 4 呼吸器

2. 臨床工学ライブラリーシリーズ② 生体物性/医用機械工学





はじめに


呼吸器を患者さんに装着して、患者さんの呼吸の状態を把握するために、グラフィック波形があります。波形の形や大きさで患者さんの呼吸の状態を予想出来たり、適切な呼吸器の設定かどうかもわかります。今回はループ波形の圧量曲線について書きます。

 

圧量曲線


圧量曲線は、縦軸が容量[mL]で、横軸が圧力[mmH2O]のグラフで出来ています。陽圧換気の場合は、反時計周りに吸気⇒呼気の順番で波形は作られます。正常な波形は「葉っぱ」に似ています。

圧曲線について


圧容量曲線から解ること、

   コンプライアンス

   呼吸仕事量:気道抵抗

   適正PEEP()

   肺胞過伸展

これら4つについて解説します。

 

①コンプライアンス


コンプライアンスとは、簡単に言うと肺の柔らかさを表しています。単位は[L/mmH2O]なので、このグラフ自体が、肺の柔らかさを表すグラフといっても過言ではございません。

 

その柔らかさを見定め方は、グラフの始点と、呼気と吸気の切り替わりのところを、繋いだ接線の「傾き」で肺の柔らかさが分かります。

 

正常コンプライアンス

正常コンプライアンス


高いコンプライアンス(柔らかめ)

正常コンプライアンス


圧がそんなにかかっていないけど、換気量が入っているのが分かると思います。

なのでこの波形の肺は、柔らかい=高いコンプライアンス といえます。

 

低いコンプライアンス(かため)

低コンプライアンス


圧が高くかかっているけど、換気量が入っていないのが分かると思います。

なのでこの波形の肺は、かたい=低いコンプライアンス といえます。

 

ザックリいうと

傾きの、「倒れ気味」と「立ち気味」のどっちかで、直感的にわかるということです。


②呼吸仕事量:気道抵抗


波形の「面積」でもわかることがあります。

それは、

呼吸仕事量①



オレンジ色で塗られた面積で呼吸仕事量が分かるということです。

具体的に言うと「この面積と呼吸筋の消費する酸素量が比例関係である」ということです。

 

まず、この塗られた面積を分割し説明します。

呼吸仕事量②


この塗られた面積は、「弾性抵抗に対する仕事」を表しています。

そうなるとコンプライアンスが低い方が、呼吸仕事が多いことが分かります。

 

残りの面積は、「粘性仕事量に対する仕事」を表しています。

粘性仕事量の大部分が気道抵抗を表しています。

 

呼吸仕事量③



吸気(下)のカーブが、曲がっているほうが、気道抵抗が多いことになります。

 

気道抵抗が大きい場合、


呼吸仕事量④


という波形になります。

③適正PEEP(仮)

適正PEEPの正確な指標ではなく、PEEPの設定を参考程度に見ている施設もあるということを踏まえて読んでください。

 

適正PEEP


このような波形は特別珍しい波形ではありません。

 

呼吸器疾患がある場合、正常な肺胞と虚脱した肺胞が混ざっている状態にあります。

すると回路内圧の上昇で、虚脱した肺胞が拡張し動員され、ある圧で急激に換気量が増加する。その気道内圧をinflectin pointといい、日本語で「変曲点」といいます。

 

なのでinflectin point PEEPにすると虚脱した肺胞を拡張させたままにできます。

 

④肺胞過伸展

肺胞過伸展


この「鳥のくちばし」みたいな形は肺胞過伸展を表しており、一回換気量が適正より多いことを表しています。

 

回路内圧は上がっているのに、換気量が入らないので鋭い波形になっています。

 

この場合は一回換気量を下げると波形はもとに戻ります。



はじめに

以前にMasimoパルスオキシメータの測定項目について書きました。今回は、Masimoパルスオキシメータの中でもMasimo Rainbow SETで測定される項目について簡単にまとめていきたいと思います。

 

SpHb


SpHbは日本語にするとトータルヘモグロビン濃です。従来のヘモグロビン濃度の測定は、採血を行う必要があったため侵襲的でした。しかしSpHbは非侵襲的にヘモグロビン濃度を測定できます。さらにヘモグロビン濃度のモニタリングも可能であるため、手術時や救命救急での輸血などの指標となります。

 

PVI

PVIは日本語にすると脈波変動指標です。脈波変動指標を算出するのに必要なパラメータとしてPIの最大値と最小値であり、算出式を下記に示します。

PVI算出式


PVIPIの呼吸性変動を表したものであり、輸液の指標となります。PVIに適正値はないのですが、脱水ほど高値になります。従来の輸液指標のパラメータは、中心静脈圧といった侵襲的なものですが、Masim Rainbow SETでは、非侵襲的にモニタリングができます。


SpCO

SpCOは日本語にするとカルボキシヘモグロビンです。血中のヘモグロビンの中で一酸化炭素(CO)と結合したヘモグロビンの割合です。COと結合したヘモグロビンは、酸素と結合ができなくなります。一般的な健常人の場合は02%の間で推移していますが、CO中毒などの場合は数値が上昇します。算出式を下記に示します。

 

SpCO2算出式


SpMet

SpMetは日本語にするとメトヘモグロビンです。メトヘモグロビンは異常ヘモグロビンの1つであり酸素と結合できません。SpMetでは、メトヘモグロビンの割合を表したものであり、下記の式で表すことができます。

 

SpMet算出式



 

NO療法を行う場合にメトヘモグロビンが生成されるため、NO療法を行う際には経時的なモニタリングが必要となります。




はじめに

Masimo社製のパルスオキシメータを病院内で使用しているとき、医師や看護師から表示している数値が何を意味しているのかを聞かれる場面があります。

そういった場面でもしっかりと対応できるように、測定項目の意味はしっかりと把握しておく必要があります。

今回は、Masimo Rainbow SETの測定項目について簡単にまとめていきたいと思います。 


SpO2

SpO2は日本語にすると動脈血酸素飽和度といいます。Masimoに限らず、パルスオキシメータで測定できる一番基本的なモニタリング項目です。SpO2の意味が分からない医療従事者はいないと言っても過言ではありません。

SpO2はその名の通り、動脈血に含まれるHbの何%が酸素と結合しているかを表したものです。つまりSpO295%だと、血液中に含まれるヘモグロビンの約95%は酸素と結合しているということです。

 

PR

PRは日本語にすると脈拍数です。脈拍とは、心臓が拍動することで動脈壁が拡張することをいい、一般的には、1分間あたりの脈拍の回数を脈拍数といいます。正常安静時での脈拍数は、一定のリズムを維持しており成人で1分間に60100回生じます。

脈拍数と一緒に脈波波形も表示されるため、脈波形の形と脈拍数にて患者の容態を把握することができます。

 

PI

PIは日本語にすると灌流指標です。PIの測定は脈波形より算出されており、拍動成分と非拍動成分の比率を%で表したものであり、下記の式で表すことができます。

 

PI(拍動成分/非拍動成分)×100

 

PIから得られる情報は、末梢循環の良し悪しです。

 

参考文献

マシモジャパン株式会社HP



はじめに

在宅での酸素療法や人工呼吸器を使用する場合、病院とは違い一般家庭にはガスを供給する配管がありません。

そのため、在宅で酸素療法や人工呼吸器を使う際には酸素濃縮装置が必要になります。

近年、在宅医療に注目が集まっておりそのニーズも高まっております。今回は、在宅酸素療法および呼吸療法を行う際必要となる酸素濃縮装置について基礎の基礎をまとめていきたいと思います。

 

酸素濃縮器の種類

酸素濃縮装置は、酸素の濃縮方法で下記の2種類に分類することができます。酸素の濃縮方法の違いで、特製も変わってくるため保守点検を行うためにもその特性を把握しておく必要があります。

 

   吸着型酸素濃縮装置

空気中に含まれるガスのほとんどは窒素であります。つまり、窒素を取り除くことで高濃度の酸素を投与することができます。

吸着型酸素濃縮装置は、窒素を吸着する吸着材(ゼオライト:アルミノ珪酸塩)にガスを供給することで窒素の除去を行います。

まず、加圧したガスをゼオライトへ供給して窒素をゼオライトへ吸着させ取り除きます。次に、減圧したガスを供給することで吸着した窒素をゼオライトから取り除きます。

この繰り返しにより酸素濃度の高いガスを作成し供給することができます。

 

   膜型酸素濃縮装置

酸素透過性の高い高分子膜に対し送風機よりガスを供給します。すると、高分子膜の反対側には酸素が通過するため酸素と窒素を分離することができます。

 

特徴

   吸着型酸素濃縮装置

90%以上の酸素濃度

・膜型酸素濃縮装置に比べ低流量

・窒素と一緒に水分を吸着するため、加湿器が必要になる

   膜型酸素濃縮装置

・酸素濃度は40%程度

・吸着型酸素濃縮装置に比べ高流量

・加湿器が不要

 


はじめに


SLE5000TOKIBO社製の新生児用・小児用人工呼吸器です。新生児用というものもあり、モードにはHFOVがあります。

SLE5000は他の人工呼吸器との違いが面白いと思い書きたいと思います。

 

SLE5000の特徴


SLE5000には、大きく2つの特徴があります。1つ目は、複合型の換気モード。2つ目は、呼気弁が無いことです。

 

    HFOVCMVが合体したモードについて

 

CMV+HFO



HFOVより換気量を増やし、CMVより平均気道内は上昇しないモードになっています。

 

    呼気弁が無いことについて、

呼気弁がないシステムのことをバルブレスシステムといいます。じゃあ弁が無くどうやって吸気や呼気の切り替えをしているのかというと、呼気側から患者に向かってガスを噴射して吸気圧を作っています。噴射する方向を患者と逆方向に噴射することで、ベンチュリー効果により呼気側から陰圧を発生させることも可能だそうです。

 

最後に


私自身、NICUでの経験も浅く、勉強不足でありますので、これらの相違点が、他の呼吸器より優れているかどうかは判断できません。多く勉強し、観察することで、新生児呼吸器の多種を中立に評価しブログに頑張ります。

【はじめに】

高頻度振動換気(High Friquency Oscillatory Ventilation:HFOV)は、主に新生児領域で使用される人工換気法であります。私の勤める病院でもHFOVを行う症例はありますが、あまり多くないのが現状であります。

今回は、HFOVについて簡単にまとめていきたいと思います。

 

HFOVとは】

HFOVは、死腔量よりも少ない一回換気量を1秒間に10~20回送気するという人工換気法であります。1回の送気ガスは少なくなりますが、総換気量においては通常の人工換気を上回ることになります。少ない一回換気量にて送気を行うことから気道内圧の急激な上昇を防ぐことができます。そのため、新生児の未熟な肺にたいして有効な人工換気療法の1つとなっています。ちなみに一回換気量は、体重1kgあたり12mL程度です。

HFOVは、送気方式の違いにより複数に分類することができます。その中でもピストン式が最も使用されており、私の勤める病院でもピストン式を使用しています。

ピストン式HFOVの送気ガス波形は正弦波(sin)となっています。通常の呼吸器では、吸気を人工呼吸器が制御しますが、HFOVの場合は吸気・呼気両方を人工呼吸器により制御します。

 

【適応疾患】

HFOVは、気道内圧の急激な上昇を防ぐことができるため、肺コンプライアンスの低い症例に対して有効だとされています。新生児の場合だと、肺サーファクタントの産生ができずに生じる急性呼吸窮迫症候群が挙げられます。また、肺内出血を伴う症例に対して有効であったという報告もあります。

逆にHFOVの効果が期待できない症例としては、上気道閉塞のある疾患や粘度の高い気道内分泌物のある疾患などが挙げられます。

 

HFOVの効果】

   急激な気道内圧の上昇を防ぐことができる。

死腔量よりも少ない一回換気量により急激な圧変動がないため。

 

   平均気道内圧の上昇。

高頻度での送気を行うため、PEEP効果が得られるため、平均気道内圧が上昇する。

 

   吸気・呼気ともに制御できる。

ピストンの押し引きにより正弦波状の送気波形が生じるため。

 

【さいごに】

私の実感としては、HFOVを使用する症例は年々減ってきています。その要因としては、人工呼吸器の性能が高くなっており他の換気モードでも気道内圧などのコントロールが可能になっているためだと考えられます。しかし、HFOVを必要とする場合もありますので基本的な理解は必要と言えます。

 

 

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