駆け出しCEのblog

臨床工学技士として日々勉強しております。 このブログでは、自身の知識や学んだことを他のコメディカルとも共有したいと思い作成しています。

カテゴリ: 機器管理

【はじめに】

閾値とは、何らかの反応や興奮を起こすうえで必要最小限の信号や刺激の物理量のことをいいます。

心臓の興奮は「全か無かの法則」に基づいて起こります。全か無かの法則とは、ある一定の値を持つ刺激つまり閾値を超えないと心臓の収縮が生じないということです。ここでポイントとなるのは、心臓の興奮は閾値を超える刺激によって生じるため、閾値を超えた刺激であれば強度は低くても高くても同じ反応をするという点です。

今回は、ペースメーカに関連する閾値について書いていきたいと思います。

 

【閾値の設定と変化】

ペースメーカにより心臓の興奮をコントロールする場合、閾値よりも大きな値で刺激を行えばよいということになります。そういうことであれば最大出力で刺激を行えばいいと思う方もいると思います。ではなぜ、閾値を測定してペースメーカの出力を変えていくかというと、なるべく低い出力でペーシングを行い電池の寿命を延ばしたいからです。

私の勤める病院では、ペースメーカの出力を初期設定として3Vとしています。そして、術後の閾値変化を見て出力の値を設定します。

刺激閾値は、術後1~2週間の間に上昇していきます。このとき、刺激閾値は植込み時の2倍程度上昇するといわれており、ペースメーカの初期設定はある程度余裕を持った値にしておくべきだと考えます。植込み後1~2週間を過ぎると刺激閾値は徐々に低下していき、植込み時まで戻ります。

退院後は、3~6ヵ月に一度患者さんに通院していただき、プログラマを用いて閾値の測定をしてペースメーカの出力を調整していきます。

 

【まとめ】

   心臓は全か無かの法則に基づいて興奮する。

   ペースメーカは閾値以上の出力設定にする。

   ペースメーカの出力が高いほど電池の消耗がはやい。

   閾値は、術後1~2週間で2倍前後まで上昇する。

   術後1~2週間後は、閾値が低下していき元の値へ戻る。

   閾値の測定はプログラマを用いる。

   退院後も閾値を測定して出力値を変更していく。

 

【さいごに】

ペースメーカの閾値について簡単に書きました。閾値について掘り下げていくと出力値だけでなく、パルス幅なども考慮していかなければなりません。さらに、効率的な刺激について考えるとクロナキシなど難しくなります。

上記で述べたことについては、今後書いていきたいと思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。ご意見やご感想がありましたら、メッセージやコメントをよろしくお願いいたします。

【はじめに】

心臓は、1分間に60~100回の収縮・拡張を繰り返し行っています。心筋は腕や足の筋肉のように意識して動かしたり止めたりすることはできません。それは、心筋自体に自動能があるためです。

心房より発生した刺激を心室まで伝えるのが刺激伝導系の役割となっており、刺激の発生および伝導に障害が生じると心拍数の低下につながります。心拍数が低下することで心拍出量も低下し各臓器への血液供給が低下します。

ペースメーカは主に上記の述べたような徐脈性不整脈に対して使用されます。徐脈性不整脈といってもさまざまな病態があるため、その病態に合わせたペースメーカの設定つまりモードを選択する必要があります。

 

【刺激伝導系】

心房や心室にも自動能はありますがそれらは不安定かつ弱いため、心臓の収縮は主に洞結節により規定されています。洞結節は上大静脈と右房が接するところにあります。洞結節から発生した刺激は右房内の結節間路を通り、右房側の心室中隔に存在する房室結節に伝わります。その後、右房から左右心室の中隔にかけてあるヒス束に刺激が伝わり、左脚・右脚そしてプルキンエ線維に刺激が伝わります。

 

【徐脈性不整脈】

徐脈性不整脈はその名の通り、刺激伝導系において刺激の発生および伝導に障害をきたし心拍数が健常時に比べ低下するものをいいます。一般的な徐脈の定義としては、心拍数が60/分とされています。

今回はペースメーカ適応の徐脈性不整脈としては、洞不全症候群や完全房室ブロックなどがあります。

 

【ペースメーカのモード】

ペースメーカのモードは、ICHD(Inter-Society Commission for Heart Disease Resource)コードで表されます。

ICHDコードは3文字もしくは4文字で表されます。

1文字目はペーシング部位を表し心房の場合はA、心室の場合はVで表します。

2文字目はセンシング部位を表し心房の場合はA、心室の場合V、心房・心室両方の場合はDで表します。

3文字目は刺激制御の方法を表し、抑制の場合はI、同期の場合はT、抑制および同期両方の場合はD、制御方式を用いない場合はOで表します。

4文字目は心拍応答機能を有する場合にRで表します。

 

【さいごに】

私の勤める病院ではペースメーカの点検はもちろん、植え込みオペ時にも臨床工学技士が関わります。ペースメーカの関係する業務にはほぼ全てに関わっており、ペーシングの出力値などについても先生と相談することもあります。

今回はペースメーカについて簡単に書きました。今後、詳しくまとめたのを書いていく予定です。

【はじめに】

集中治療室では患者さん1人につき1台の生体情報モニタがつき、患者さんの生体情報を経時的にモニタリングしております。経時的なモニタリングを行うことで、患者さんの情報をリアルタイムで把握することができるのが最大のメリットといえます。

一般的に生体情報モニタでモニタリングされる項目を下記に示します。

  動脈圧(観血的)

  中心静脈圧

  肺動脈圧

  非観血的血圧(NIBP)

  心電図

  体温  など

上記に示した項目以外にもモニタリングできる項目はあります。

ビジレオモニタは、生体情報モニタとは別で患者さんの生体情報をモニタリングするために用いられています。モニタリングを行う項目は一般的な生体情報モニタとは異なります。

下記にビジレオモニタでモニタリングができる項目をまとめてみます。

   心拍出量(Cardiac Output:CO)

   心係数(Cardiac Index:CI)

   一回拍出量(Stroke Volume:SV)

   一回拍出量係数(Stroke Volume Index:SVI)

   一回拍出量変化(Stroke Volume Variation:SVV)

   体血管抵抗(Systemic Vascular Resistance:SVR)

   体血管抵抗係数(Systemic Vascular Resistance Index:SVRI)

   中心静脈酸素飽和度(Central Venous Oxygen Saturation:ScvO2)

   混合静脈血酸素飽和度(Mixed Venous Oxygen Saturation:SvO2)

 

【ビジレオモニタのセッティング】

   電源コードを接続し、本体の電源を入れる。

   セルフテストが行われ、通過を確認する。

   セルフテスト通過後に、性別、年齢、身長、体重を入力する。

   フロートラックケーブルを接続して、フロートラックセンサと接続する。

   中心静脈圧を外部入力する。

   ゼロ点校正をとる。

※セルフテスト通過後に身長や体重などの患者情報を入力するが画面になるがBSAは、機器の自動計算により入力される。

 

【ビジレオモニタの特徴】

   一般的な生体情報モニタでは、モニタリングできない項目のモニタリングが可能である。

   心拍出量、心係数、一回拍出量、一回拍出量係数、一回拍出量変化はフロートラックセンサを用いてモニタリングできる。

   体血管抵抗、体血管抵抗係数はフロートラックセンサに加え、中心静脈圧を外部入力することでモニタリングができる。

   中心静脈酸素飽和度、混合静脈血酸素飽和度はオキシメトリーカテーテルを使用することでモニタリングができる。

 

【さいごに】

ビジレオモニタを使用する場合、フロートラックセンサを使用していることが絶対条件であると考えます。また中心静脈圧については外部入力になるため、入力が無ければ体血管抵抗と体血管抵抗係数は表示されません。

一般的な生体情報モニタでは、患者さんの体位を変更した場合などにゼロ点校正をとることはほとんどの施設で行われているでしょう。しかし、ビジレオモニタを使用している場合、ビジレオモニタでもゼロ点校正が必要となります。私の勤める病院ではビジレオモニタのゼロ点校正が忘れがちになっています。

 

【はじめに】

保育器は主に新生児集中治療室(NICU)で使用されており、NICUにおいて重要な機器の1つであります。

私の勤める病院では、保育器の清拭、点検のすべてを臨床工学技士が行っており、他の機器に比べ時間をかけ点検をしています。

 

【目的】

   保温

最低限のエネルギーで体温維持が行えるように、常に至適な温度を保たなければならない。

   保湿

蒸散や不感蒸泄などにより体温が奪われるため、保育器内では常に一定の湿度を保ちます。

   感染防止

免疫力の低下した新生児が通常の外気にさらされると、空気中の細菌などによる感染症が生じる可能性があります。そのため保育器では、フィルターにより空気中の細菌やゴミをカットします。

   酸素供給

未熟児の場合だと呼吸器系が未発達なことがあるため、空気中の酸素濃度(21%)よりも高い酸素濃度に設定します。

 

【保育器の種類】

   閉鎖型保育器

加温した空気を保育器内で循環させます。閉鎖空間であるため、温度・湿度、酸素濃度のコントロールが容易であります。

   開放型保育器

機器本体上部に取り付けられたヒーターにより加温するシステムです。速やかな加温が可能であることや常に開放状態であるため、外科的な処置が容易に行えます。

   搬送型保育器

病棟移動など、児の移動時に使用され、移動中はバッテリー駆動になる。

 

【参考文献】

一般社団法人 日本医療機器産業連合会 HP


今回は、シリンジポンプの機能の中でぜひ知っていてほしい機能である「閉塞時内圧緩和機能」について書かしていただきます。

閉塞時内圧緩和機能は、何らかの要因で閉塞状態となった場合にシリンジが引き戻され、ルート内の内圧を低下させるといった機能です。そのため、積算量が少し低いように感じる場合がありますが、これはシリンジポンプの内圧緩和機能によるものです。

もし、閉塞警報が生じたときにシリンジポンプの積算量が少ないと感じたときは、臨床工学技士に相談してみてください。

シリンジポンプ内圧緩和機能の概略図


上図のように、ガスケット
(薬剤と接触するゴムの部分)が引き戻されるようにして内圧が低下します。そのため、看護師さんからシリンジポンプからちゃんと輸液されていませんといった相談を受けることもありますが、シリンジポンプの機能自体には全く問題ありません。

本日は、シリンジポンプについてです。シリンジポンプは、病院にある医療機器の中で最も多い医療機器の一つであり、使用頻度の高い医療機器です。

そのため、病棟で使用されている場合、臨床工学技士が1台ずつ確認するのは非常に困難である。すなわち、病棟では看護師による管理が必要であると私は考えます。

まず、シリンジポンプとはシリンジ内に充填された薬剤を設定した流量で連続的に患者さんへ投与する医療機器です。そのため、微量でも強力な効果を発揮する薬剤の投与に用いられることが多い。

シリンジポンプを扱う上で重要なアラーム機能を以下に記します。

1.     シリンジ未検出警報、押し子外れ警報、クラッチ外れ警報

この3つの警報は、シリンジポンプにシリンジがしっかりと装着されていない場合に発せられる警報です。これらの警報が生じた場合、シリンジの装着情報を確認してください。

 

2.     開始忘れ警報

使用開始状態で、ある一定時間放置した場合に警報が鳴ります。しかし、業務中にはすぐに開始できない状況がほとんどです。その場合には、スタンバイ機能を使用するのがお勧めです。

 

3.     再アラーム警報

アラームが発生した時、一時的に消音状態にすることは、仕事中よくあることです。その時、消音状態で約2分経過すると再アラームが鳴ります。

 

4.     閉塞警報

シリンジポンプ使用中にある一定の閉塞が生じるとアラームが生じます。閉塞の要因としては穿刺針内の凝血、回路の屈曲などが考えられる。

 

5.     残量アラーム

シリンジ内の薬剤がある一定の容量以下になった場合に発生する警報です。

 

6.     残量/閉塞アラーム

シリンジ内の薬剤がすべて無くなった場合に生じる警報のこと。

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