駆け出しCEのblog

臨床工学技士として日々勉強しております。 このブログでは、自身の知識や学んだことを他のコメディカルとも共有したいと思い作成しています。

関東でMEとして働いています。
臨床工学や医療機器について学んだことを
MEの目線から書いていきます。
看護師さんや他のコメディカルでもわかるように
書きますのでみんなで知識を共有していきましょう。

カテゴリ: 血液浄化


 現在、使用されているダイアライザーのほとんどが中空糸の内部還流型というものです。
中空糸というのは、その名の通り中心部が空洞になっている糸のようなものです。
 ダイアライザーの中には、約1万本の中空糸が束になって入っており血液は中空糸の中を通る構造になっています。 その時、透析液は中空糸の外側を流れます。

ダイアライザー内での血液と透析液の流れ

 上の図は、ダイアライザー内での血液と透析液の流れを示したものです。雑ですみません(笑)。
ダイアライザー内での血液と透析液は向かい合うように流れております。この流れを「向流」といいます。この流れ方は、拡散による溶質除去を行う血液透析では非常に理にかなったものとなっています。



 以前に、クリアランスについて書いていきましたが、
本日はクリアランスと血流量の 関係について書いていきます。
 まず、最初にクリアランスと血流量はとても親密な関係であります。

クリアランスの算出式

この式は以前にも示した算出式です。この式を見てもらえれば分かると思いますが、
血流量QBを上昇させるとクリアランスは上昇します。
式だけを見ると、血流量を上げればクリアランスが上がるという直線的(y=ax)な関係のように見えます。
しかし、実際にはそうなりません!!

 血液流量とクリアランスの関係をグラフに示します。

クリアランスと血流量の関係

 算出式通りだと、直線的なグラフになりそうですが、実際にはこのようなグラフになります。
ここで重要なのは、この時の透析液流量が500mL/minと一定であることです。
つまり血流量を上げていっても、透析液流量が一定であればこのようにだんだんと効果が得られなくなるということです。
 つまり透析液流量と血液流量のバランスを考えないと効率の良い透析が行われないということです。
一般的には、効率よく透析が行える血液流量は、透析液流量の1/2程度だといわれています。


 クリアランスは、ダイアライザーの性能を評価する項目の1つです。
そのため、新しいダイアライザーが出ると多くの施設で導入の検討として、
クリアランスが測定されます。クリアランスの概念については、以前ブログにかきましたので
そちらを参照してください。では、クリアランスの算出式を下記に示します。
 

クリアランスの算出式

 上記の式でクリアランスが算出されます。臨床工学技士の方はもちろんですが、
血液浄化関係の業務に従事している看護師さんも知ってて損は無い知識だと思います。

 血液浄化療法にも様々な種類があります。使用している原理などによって
以下の表のように分かれています。
 また、医療現場ではそれぞれの治療法を略称で呼ぶことが多く、
それらの言葉を覚えなければなりません。また、各治療の使用原理を覚えておけば、
略称も自然と覚えられます。

血液浄化の分類


アフェレシス療法の分類


 血液浄化に従事している方は知っている、もしくは聞いたことあると思います。
クリアランスは、時間当たりにダイアライザー内で標的とする物質の濃度がゼロになる量のことです。
 簡単に説明しますと、、、
 
クリアランスの概念図
ダイアライザーに1分間に200mLの血液が流れ込むとします。ダイアライザーを通過した後、
図のように180mL分の血液から対象物質が無くなる、つまり濃度がゼロになったら
クリアランスは180mL/minとなります。
 クリアランスは、同じダイアライザーを使用しても物質ごとに異なってきます。そのため、患者さんに適したダイアライザーの選択が必要となります。

【拡散】

拡散は溶媒中の溶質濃度が均一になろうとする現象を利用して物質を除去しています。
つまり、透析膜という半透膜を介して、患者さんの血液と透析液の物質を交換しているというイメージです。

拡散は主に、分子量の小さな物質の除去に適しています。このことから、患者血液内の電解質の補正や尿毒素成分は拡散により除去されていることになります。

拡散で除去できる物質


【濾過(限外濾過)

透析中は透析液側から陰圧を加えることで限外濾過を行います。限外濾過で除去できる物質は拡散よりも分子量が大きい物質です。例をあげるとβ2ミクログロブリンやα1ミクログロブリンと言われる低分子蛋白などです。

さらに限外濾過を加えることにより、除水も行うことができます。

以上のことより限外濾過は、低分子蛋白の除去および除水を行うのに適しているということです。

 

【吸着】

吸着は主にアフェレーシス療法で用いられる物質除去の方法。一般的な血液透析(HD)ではあまり用いられていません。しかし、透析膜の種類によってはβ2ミクログロブリンなどの低分子蛋白を吸着するため、吸着による低分子蛋白の除去が行われている。


低分子蛋白


【血液透析の目的】
腎不全になると体内の不要物質を尿として体外へ排泄できなくなる。そうなると、血液中の電解質濃度に異常をきたし尿毒症となり死に至ります。そのため、血液透析では人工腎臓
(ダイアライザ)を用いて血液中の電解質を補正、不要な物質の除去、除水を行います。

【原理】

   拡散:水の入ったコップにインクを一滴だけ垂らすとする。最初はインクが一ヵ所に留まっているが、だんだんと全体へ広がっていき、コップの水全体へ広がっていきます。この現象が拡散です。血液透析の場合は、透析膜という半透膜を介して拡散現象により主に尿毒素(小分子物質)を除去します。

血液浄化:拡散原理



  濾過:下の図のように半透膜を介して二種類の液体が入っているとします。この時、片側に圧力を加えると物質が加えた圧力により移動します。

血液透析では、透析液側から圧力を加えることによって除水および不要なタンパク物質の除去を行います。

血液浄化:濾過現象


  吸着:冷蔵庫などの消臭に活性炭が用いられたりする。これは、活性炭の表面に細孔があり、その細孔の中に臭いの原因物質が引き込まれるようにして吸着される。これにより臭いの原因物質が除去されるのである。血液浄化でも特に薬物中毒の患者さんにこれと同じ原理で治療が行われることがある。

血液浄化:吸着現象









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