駆け出しCEのblog

臨床工学技士として日々勉強しております。 このブログでは、自身の知識や学んだことを他のコメディカルとも共有したいと思い作成しています。

関東でMEとして働いています。
臨床工学や医療機器について学んだことを
MEの目線から書いていきます。
看護師さんや他のコメディカルでもわかるように
書きますのでみんなで知識を共有していきましょう。

カテゴリ: 血液浄化

【はじめに】

血液浄化を行う時に必ず回路内の圧力測定を行っています。血液透析(HD)や血液濾過(HF)で測定する圧力パラメータは少し異なってきますが、どの血液浄化療法でも圧力測定が必須であり、重要となってきます。

今回は、血液浄化療法における圧力測定の中でスタンダードである動脈圧について書いていきたいと思います。

 

【動脈圧】

動脈圧は、脱血側の回路にて測定をします。そのため主に脱血状態のモニタリングとして有効です。

動脈圧の測定部位としては、Aチャンバになります。Aチャンバ上部よりルートが出ており、そのルートを圧力測定ポートに接続することで圧力測定を行います。圧力測定ポートにつながるルート(圧力測定ライン)内は空気であり、プライミング液や血液で満たしません。Aチャンバ内の血液量の増減により圧力測定ラインの空気の圧縮率が変化します。その変化を圧力測定ポート内のセンサで測定しモニタリングを行っております。

動脈圧が低下する要因につて下記にまとめます。

  穿刺針(脱血部)の位置が悪い。

  穿刺針(脱血部)からAチャンバ間の回路の屈曲、回路内凝血、血液リークがある。

  圧力測定ポートと圧力測定ラインの接続不良がある。

動脈圧が上昇する要因について下記にまとめます。

   Aチャンバ内での凝血がある。

   Aチャンバからダイアライザまでのルート内に凝血がある。

   Aチャンバからダイアライザまでのルートが屈曲している。

   ダイアライザ内での凝血がある。

   ダイアライザから送血針までのルート内に凝血がある。

   ダイアライザから送血針までのルートが屈曲している。

 

※ダイアライザから返血針までの異常に対して動脈圧が変化することは、理論上成り立ちますが、動脈圧が変化する前に他のパラメータの変化で気づく事が大半です。

そのため動脈圧の異常を発見したときは、脱血針からダイアライザまでのルートで異常が無いかを調べた方がいいと私は思います。

 

【さいごに】

動脈圧については、測定をしていない場合もあります。その時は回路を触り、圧変化の有無を見ることもできます。また、穿刺針から血液ポンプまでの回路内にピローを設けて、動脈圧の測定を行わなくても脱血状態をより分かり易く目視できるように構成されている回路もあります。

分かりづらいところやご意見がありましたら、コメントやメッセージで教えてください。最後まで読んでくれてありがとうございました。次回は静脈圧について本日と同じような形式で書いていきたいと思います。

【はじめに】

血液透析になくてはならないのが透析液です。その透析液は水道水から作製されており、透析液作製装置の管理は主に臨床工学技士が行っております。

オンラインHDFhigh fluxダイアライザの普及により透析液の清浄化が必須となっています。

水質の基準としてエンドトキシン濃度と生菌数の測定が行われており、両項目共に基準値が設けられております。

今回は、水処理システムについて書いていきたいと思います。

 

【軟水化装置】

軟水化装置はその名の通り、軟水を生成する装置であります。水道水の中には硬水成分が含まれているため、軟水化装置で硬水成分である2価以上の陽イオン(例えば、カルシウムイオンやマグネシウムイオン)とナトリウムイオンを交換します。

軟水化装置にはイオン交換樹脂が使用されており、2価以上の陽イオンを吸着し、ナトリウムイオンを放出しています。ここでポイントなのが、硬水成分は吸着されただけであり、除去されていないという点です。イオン交換樹脂で吸着しているだけであり、吸着能が飽和した場合は軟水化が行われないということになります。

吸着能を常に保つため、イオン交換樹脂に吸着された硬水成分とナトリウムイオンに置換しなければなりません。イオン交換樹脂の再生は定期的に高濃度の塩化ナトリウムを用いて行います。そのため水処理システムには塩タンクがあります。

軟水化装置の管理としては、処理後の水に含まれるイオン濃度の測定と塩タンクへの塩の補充が含まれます。

 

【活性炭濾過装置】

活性炭濾過装置は活性炭による吸着現象を利用して、水道水に含まれる塩素の除去を行います。

活性炭による吸着能も限りがあるため、定期的に洗浄を行う必要があります。

活性炭濾過装置により塩素が取り除かれると、細菌が繁殖しやすくなります。そのため活性炭濾過装置以降のルートでは、細菌の繁殖に注意しなければなりません。

 

RO装置】

RO装置は逆浸透を利用して、水道水に含まれるイオンやバクテリアなどを膜分離して除去するものであります。RO装置以降では理論上無菌状態かつ真水となっています。

RO膜の性能が低下すると透析液の汚染が濃度異常につながるため定期的な洗浄や交換が必要です。

RO膜を通過した水道水(真水かつ無菌の状態)は、透析用A液、B液と混合されてからコンソールへ供給されます。

 

【参考文献】

竹澤 真吾ほか 臨床工学講座 生体機能代行装置学 血液浄化療法装置 医歯薬出版株式会社 2011110日 P109112

【はじめに】

前回のブログでは、ダイアライザの膜材質についてセルローストリアセテート(cellulose triacetate:CTA)膜とポリスルフォン(polysulfone:PS)膜について書きました。

今回のブログではCTA膜とPS膜以外の膜材質について書いていきたいと思います。

 

EVAL膜】

EVALethylenevinyl alcohol co-polymerの略称であり日本語では、エチレン・ビニルアルコール共重合体といいます。一般的にはEVAL(エバール)膜と呼ばれています。

EVAL膜は、PS膜と同じく合成高分子膜に分類されますがエチレン・ビニルアルコール共重合体は親水性であるためポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone:PVP)などの親水化剤を必要としません。

EVAL膜の特徴としては、生体適合性や抗凝固性があげられます。詳しい理由はわかっていませんが、膜表面の凹凸がPS膜に比べて少ないことなどが理由の1つとして考えられています。さらに、膜に吸着するタンパク量も少ないことから、透析後のアルブミン損失が少ないといった特徴もあります。

 

PMMA膜】

PMMApolymethylmethacrylateの略称であり日本語では、ポリメチルメタクリレートといいます。一般的にはPMMA(ピーエムエー)膜と呼ばれています。

PMMA膜の特徴としては、β2ミクログロブリンの吸着性が高いということです。PS膜に比べ8倍程度の吸着性があるといわれています。

β2ミクログロブリンの除去については、PS膜は透過でありますがPMMA膜は吸着による除去効果が高いということです。

 

PEPA膜】

PEPApolyester-polymer alloyの略称であり日本語では、ポリエーテルポリマーアロイといいます。一般的にはPEPA(ペパ)膜と呼ばれています。

PEPA膜は、PS膜と同様に疎水性の膜であるため、親水化剤であるPVPを添加して透析膜として使用されています。

PEPA膜の特徴としては、エンドトキシンの血液側への流入が少ないことにあります。透析液と接触している部分において、エンドトキシンを吸着しているとの報告があります。

PAN膜】

PAN膜はpolyacrylonitrileの略称であり日本語では、ポリアクリロニトリルといいます。一般的にはPAN(パン)膜と呼ばれています。

PAN膜は陰性荷電膜として有名である。他にも陰性荷電膜はありますが、PAN膜の陰性は強く、他の膜に比べ陽性荷電物質を吸着してしまいます。

PAN膜の代表的なものとしてガンブロ株式会社製のAN69があります。AN69の特徴として有名なのが陰性荷電症候群です。

陰性荷電症候群とはAN69ACE阻害薬を併用することでブラジキニン産生を引き起こす現象です。ブラジキニンは血圧低下の要因となり、透析が困難になります。

 

PES膜】

PES膜はpolyetersulfoneの略称であり日本語では、ポリエーテルスルフォンといいます。一般的にはPES(ペス)膜と呼ばれています。

PES膜はPS膜と同じような特徴を有しています。しかし、透水性はPS膜に比べ高いものとなっています。

 

【参考文献】

酒井 清孝ほか わかりやすい透析工学 株式会社 南江堂 2012525日 P37-4662-77

 

【さいごに】

最後まで読んでくれてありがとうございます。

ご意見・ご感想がありましたらコメントやメッセージをお願い致します。

 

【はじめに】

現在、さまざまな膜材質のダイアライザがあります。膜材質が変わればその特徴も変わりますので、それぞれの患者さんの状態に合わせて適切な膜材質の選択が必要となります。

膜材質の選択は医師によって行われますが、一部の施設では臨床工学技士が膜材質の選択に関わっているところもあります。

またダイアライザの選択には、膜材質のほかに膜面積やダイアライザ機能分類Ⅰ~Ⅴ型の選択などのパラメータがあります。

ダイアライザの選択については、患者さんの血液データや予後を考慮して決定していきます。

 

【セルローストリアセテート(cellulose triacetate:CTA)膜】

セルローストリアセテート膜(以下CTA膜とします)は血液透析膜や血液濾過膜として使用されています。

CTA膜はセルロース分子に含まれるOH基をアセチル基で置換することにより血液中の補体の活性化を抑制しております。そのため生体適合性が向上して安全な透析が行えます。

CTA膜の特徴としては、抗血栓性に優れているため治療後の残血が少なくなるといった点があげられます。透析患者は、慢性的な貧血の方が多いためダイアライザ内の残血が少ないことで貧血の症状が悪化することを防ぐことができます。

上記で述べた点以外にも、CTA膜は透析液からのエンドトキシンの侵入が少ないことも報告されています。

CTA膜を使用したダイアライザとしてはニプロ社製のFBシリーズが有名ですね。

 

【ポリスルフォン(polysulfone:PS)膜】

ポリスルフォンは、数多くある透析膜の中で最も有名であるといっても過言ではないでしょう。ポリスルフォン自体は疎水性でありますが親水性であるポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone:PVP)を加えることで透析膜として使用できます。

以前にも述べましたが、血液透析は血漿成分を対象とする治療法でありますので、透析膜は親水性でないといけません。

PS膜は、他の材質に比べ機能性が良く低コストであることから最も使用されている透析膜となっています。簡単に言うと、「とりあえずPS膜にしておこう」といった感じですね()

PS膜については、親水化剤として使用されているPVPが長期使用患者に対して悪影響を与えるとの報告もされています。

 

【さいごに】

CTA膜、PS膜以外にも透析膜には様々な種類があります。その他の種類について今後ブログに書いていきたいと思います。

 

最後まで読んでくれてありがとうございます。ご意見・ご感想がありましたらコメントやメッセージください。

 

【参考文献】

酒井 清孝ほか わかりやすい透析工学 株式会社 南江堂 2012525日 P33-3647-61

 

【はじめに】

前回のブログでは、血液濾過透析(HDF)の種類やそれぞれの特徴について書いていきました。本日は、HDFの希釈方法(補液方法)について書いていきます。

HDFにおける補液方法は、AチャンバもしくはVチャンバのどちらかとなります。ここで重要となるのは、Aチャンバはポンプ及びヘモダイアフィルタの前方にあり、Vチャンバは後方にあるということです。そのため、Aチャンバにて補液を行うことを前希釈、Vチャンバにて補液を行うのを後希釈といいます。

余談ですが、補液を行うことで血液が薄まることから希釈という言葉が使われています。

 

【前希釈】

上記でも説明したようにAチャンバにて補液を行うことを前希釈といいます。Aチャンバにて補液を行うことで血液ポンプ及びヘモダイアフィルタには補液をした分、希釈された血液が流れることになります。そのため、ヘモダイアフィルタにて大量の濾過を行うことが出来ます。このことから、β2ミクログロブリンなどの低分子蛋白の除去に優れています。しかし血液が希釈されているため、拡散による物質除去能は落ちるため低分子物質(尿毒素)の除去能は後希釈に比べ低下します。その他にも前希釈は、後希釈に比べ血球成分に与えるストレスも少ないといわれています。

置換液量は1回の治療で30~60Lであり、置換液量を上げていくことで、患者さんの容態が良くなったという報告もあります。

日本におけるHDF(オンラインHDF)は前希釈が主流となっています。

 

【後希釈】

上記でも説明したようにVチャンバにて補液を行うことを後希釈といいます。Vチャンバにて補液を行うため、血液ポンプやヘモダイアフィルタには希釈前の血液が流れます。そのため、拡散による小分子物質(尿毒素)の除去能は前希釈よりも高くなります。しかし希釈前の血液であるため、前希釈のような大量の濾過ができないため、低分子蛋白の除去能は低下します。さらに、前希釈に比べ血球成分に与えるストレスも大きくなると言われています。

後希釈での置換液量は1回の治療で10~20Lであり、時間あたりの濾過流量は血流量の1/3程度となります。

ヨーロッパなどでは、後希釈が主流であります。外国人は体格が大きいため、高血流量での治療が行えるためだと考えられます。

 

【さいごに】

HDF療法(特にオンラインHDF)による患者さんの予後が改善されたなどといった報告は多くされています。2015年のデータですが慢性透析治療患者の内、HDF療法を行っている患者さんは全体の17%とされています。約10人に2人はHDF療法を行っていることになります。

最後まで読んでくれてありがとうございます。ご意見・ご感想がありましたらメールやコメントよろしくお願いいたします。

 

【はじめに】

血液濾過透析(hemodiafiltrationHDF)はその名の通り、血液透析と血液濾過の両方を用いて血液浄化を行うものです。HDFは通常の血液透析加え、補液を行いその補液分の濾過を行う治療法であります。そのため血液透析の特徴と血液濾過の特徴を併せ持った治療法となっています。

HDFの種類としてはオフラインHDFとオンラインHDFがあります。オフラインHDFは補液バックより補液を行い、オンラインHDFは透析液を補液として用います。今回はオフラインHDFとオンラインHDFの違いについて書いていきたいと思います。

 

【オフラインHDF

オフラインHDFは補液バックを用いて補液を行いながら濾過透析を行う治療法です。補液としてサブラットが用いられます。

補液を行う場所としては、AチャンバもしくはVチャンバになります。

オフラインHDFのメリットとしては、補液バックを用いるためエンドトキシンの混入や感染症のリスクが低くなります。また、透析液の水質もオンラインHDFほど高い水準での管理が求められないため、管理が容易であります。一方、デメリットとしては大量の補液ができないことや、コストが高い、補液バックの交換が必要などというのがあげられます。

 

【オンラインHDF

オンラインHDFは透析液を補液として用いて濾過透析を行う治療法です。透析液供給側より透析液の一部を分岐させてAチャンバもしくはVチャンバに補液を行います。

オンラインHDFのメリットとしては、透析液を補液として用いるため大量の補液が行える、低コストなどがあります。一方、デメリットとしてはエンドトキシンなどの有害物質混入の可能性、高い水質管理を必要とするなどがあります。

 

【まとめ】

上記で述べたことをまとめてみます。

  HDF療法にはオフラインHDFとオンラインHDFがある。

  補液はAチャンバもしくはVチャンバに行われる。

  オフラインHDFは、補液バック(サブラット)を用いて補液を行う。

  オフラインHDFは、水質管理が比較的容易である。

  オフラインHDFはエンドトキシン混入のリスクがない。

  オンラインHDFは透析液を補液として用いる。

  オンラインHDFは高い水質管理が必要である。

  オンラインHDFは大量の補液が可能となる。

  オンラインHDFはエンドトキシン混入のリスクがある。

 

【さいごに】

私の勤める病院では、持続的な血液浄化に対しては、オフラインでの補液を行い、3~5時間の血液浄化ではオンラインでの補液を行っています。オンラインHDFを行う場合では、ある一定の水質基準を満たさなければなりません。そのため、透析液を供給する配管の洗浄や、水質を測定する際のサンプリング方法にはとても気を使います。透析液のサンプリング時に汚染させると治療が行えなくなります。

 

 

最後まで読んでくれてありがとうございます。ご意見・ご感想があればコメントやメッセージよろしくお願いいたします。

 

【はじめに】

ダイアライザ内では血液が中空糸内を流れ、透析液が中空糸の外を流れるような構造になっています。つまり透析膜を隔てて2種類の流体が流れていることになります。

ダイアライザ内では拡散により透析液と血液間で物質交換が行われています。そのため透析液と血液間では、物質濃度の変動が生じています。

物質濃度の変化と同じく透析液と血液間では、圧力変化も生じています。そのため通常のHDでも濾過現象が行われており、これを内部濾過といいます。

 

low fluxダイアライザ】

low fluxダイアライザとは、常に血液側の圧力が透析液側の圧力よりも高い状態のダイアライザを指します。

そのため、血液側から透析液側への正濾過が行われます。

 

high fluxダイアライザ】

high fluxダイアライザはlow fluxダイアライザとは異なり、血液の流入側では血液側の圧力が透析液側の圧力よりも高く、血液の流出側では透析液側の圧力が血液側よりも高くなります。

そのため、血液側から透析液側への正濾過と透析液側から血液側への逆濾過が行われています。

 

【ダイアライザの分類】

ダイアライザは機能別で分類されており、型までに分類されております。分類の指標は、低分子タンパクであるβ2ミクログロブリンのクリアランスであります。以下にダイアライザ分類別のβ2ミクログロブリンのクリアランス値を示します。

   型…10mL/min

   型…10~30mL/min

   Ⅲ型…30~50mL/min

   Ⅳ型…50~70mL/min

   Ⅴ型…70mL/min

型以上では内部濾過が生じていると言われています。

 

【内部濾過の問題点】

逆濾過が生じる場合には透析液側から血液側へ物質の移動が生じることになります。このとき、透析液の中にエンドトキシンが含まれていると患者さんへエンドトキシンが流入することになります。

エンドトキシンとはグラム陰性菌の菌体外膜毒素のことであり、人体へ混入することで発熱などをきたします。

透析施設で使用されているダイアライザの多くはⅢ型以上であります。そのため、ダイアライザ内での内部濾過を想定して、透析液清浄化に努めなければならないと思います。また、透析液をある一定以上の清浄度で保つことで保険点数も加算されるため、患者さんのためにも病院のためにも透析液清浄化の管理は行った方がいいと思います。

 

【さいごに】

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

ご不明な点や疑問点がありましたら教えてください。

他の知識や意見などもありましたらコメントやメッセージください。

 

【参考文献】

竹澤 真吾ほか 臨床工学講座 生体機能代行装置学 血液浄化療法装置 2011110日 医歯薬出版 P74-75

 

【はじめに】

血液透析で使用される人工腎臓(以下ダイアライザーとする)は、中空糸型が大半を占めています。また、中空糸型以外のダイアライザーを見たことの無い人も多いと思います。中空糸型のダイアライザーは、プライミングボリュームを少なくできるのに対して、有効膜面積が大きいため非常に効率の良い人工腎臓となっています。

そして血液透析の場合、中空糸の中を血液が流れ、中空糸の外側に透析液が流れるというのが一般的であります。ではなぜ、この方式なのか説明していきます。

 

【中空糸内での血液の流れ】

中空糸は内径が200µmと細く本数が約1万本あるため、血液が中空糸に流入する前と流入した後の圧力差が大きくなります。イメージとしては、広い一本道の国道を大量の車が走っているとき、前方に1万本の分岐が現れるといった感じです()

中空糸の流入後と流入前の圧力差が大きくなる、つまり圧損失が高くなると、血液(流体)は、層流といった流れ方になります。層流とは、中心部に行くほど流れが速く、両側では流れが遅くなる流れ方です。イメージとしては、川岸では流れが遅く、川の中心部では流れが速いといったものです。

中心部で流れが速くなると血球成分は中心部へ集まりやすくなり、血漿成分は、両側を流れます。

 

【物質の動き】

血液透析は、拡散により不要物質の除去を行います。物質の除去は、血漿成分から行うため、透析膜の近くには血漿成分が多い方ほど効率が良くなります。

つまり、中空糸の中心部に血球成分が集まり、その両側に血漿成分が流れてほしいということです。

このことから、中空糸の中を血液が流れ、外側に透析液が流れる方式は、透析効率の点から考えると非常に効率が良いものになります。

 

【最後に】

分かりにくい説明になって申し訳ございません。いろいろなご意見をよろしくお願いいたします。

【はじめに】

血液透析において、溶質除去と並び重要である除水について書いていきます。透析患者は腎機能の低下により尿を生成することができません。尿を生成できなくなると、血中に不要な物質(尿毒素)がたまります。さらに、余分な水分を体外に出すことが出来なくなるため、体内の水分量が多くなります。そのため、心臓に負担がかかり心不全につながります。

 

【除水の原理】

透析液の供給は密閉系となっています。密閉系とは、外部からの流入が無いまたは流入が無いということです。

ダイアライザーの流れ

つまり、図に示すように500mL/minで供給した透析液は500mL/minで返ってくるということであります。

ここで、500mL/minでしか供給していない透析液が510mL/minで返ってくるとします。すると、


ダイアライザーの流れ(除水あり)

このように、足りない10mL/minを血液側から引き込みます。血液透析における除水は、このようなイメージです。透析液出口側より陰圧をくわえることで、血液側より水分を引き込み除水を行っております。

 

【注意点】

急激な除水を行うと、体内の水分が急に抜かれるため(ボリュームの低下)、患者さんの体がその変化についていけず、急激な血圧低下を引き起こします。そのため、除水を行う時は患者さんのリフィリンググレードを考慮して行う必要があります。

特に糖尿病の方は、血管の伸縮性が低下していることが多いため、血圧の変動が大きい場合があります。


 以前のブログで、ダイアライザー内での血液と透析液の流れは「向流」であり、この流れ方はとても理にかなっているといいました。
 ではなぜ向流が理にかなっているのか、それは血液透析が拡散現象により物質除去を行っているからです。以前のブログを読んでいただいた方はわかると思いますが、拡散の推進力は濃度差です。すなわち、血液透析では除去したい物質の濃度差が血液と透析液との間で大きければ良いのです。
 以下にイメージ図を示します。

ダイアライザ内での溶質濃度分布

 このように、血液中の尿毒素濃度はダイアライザーに入ってから出るまで、低下していきます。そして透析液中の尿毒素濃度はだんだんと上がっていきます。そのため常に一定の濃度差が生じダイアライザー全体で均一な拡散を行うことができます。

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