駆け出しCEのblog

臨床工学技士として日々勉強しております。 このブログでは、自身の知識や学んだことを他のコメディカルとも共有したいと思い作成しています。

関東でMEとして働いています。
臨床工学や医療機器について学んだことを
MEの目線から書いていきます。
看護師さんや他のコメディカルでもわかるように
書きますのでみんなで知識を共有していきましょう。

カテゴリ: 血液浄化

はじめに

透析装置にBV(ブラット・ボリューム計)がついている機器があると思います。BV計とは名前のとおり、患者さんの循環血液量を測定するセンサーになります。循環血液量を測定することにより、血圧低下を事前に測定することができます。その測定原理とヒトの水分移動について書きます。

 

BV計の原理

BV計の原理は、「光の反射」を利用し「血液の濃度」を測定しています。血液の濃度といっても、正確な濃度は測定不可能です。測定できるのは、相対変化な血液の濃度です。

血液の濃度とは、ヘマトクリット値(血球成分量/血液量)と同等の考え方で大丈夫です。

血液の赤色は、赤血球の由来の色です。ヘマトクリット値が上がると、血液の色も変化します。色が濃ゆくなれば、光の反射率は増え、色が薄くなれば、光の反射率は減少します。この原理を使い血液濃度を経時的に測定することにより、体内の血液量を把握することができます。

 

例えば、4時間透析で除水をした場合の血液濃度の変化について、

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極端な変化の例ですが、このような変化が起こることが予想できます。


 

透析中(除水あり)の体内の水の移動について

人体の水分量は、体重の約60%であります。そのうちの水分分布は、40%が細胞内液、12%が組織間液、8%が血液となっています。

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透析の除水は、血液の血漿成分のみから除水されます。

 

単純に考えると、体重60kgでヘマトクリット値が50%の場合、60×0.08×0.52.4Lになります。なので最大の除水量が“2.4L”になってしまい、さらに2.4Lの除水後はヘマトクリット値が100%になってしまいます()

 

実際は、そんなことはおきません。その理由として、血管内に水分を保とうとする反応が起きるからです。

 

除水により、血液中の水分が奪われると、細胞内液から細胞間質に、細胞間質から血管内に水分が移動し、血管内の血液量は一定に保たれようとします。

その水分の移動する現象をプラズマ・リフィリングといい、その移動速度をリフィリンググレードといいます。

 

リフィリンググレードは、人によって違います。要因として、細胞膜の透過性や血液内の膠質浸透圧などの影響を受けます。

 

除水時の血圧低下は、循環血量の減少(70%に低下)によるものです。なので、血液量とリフィリンググレードによって、血圧低下の無い除水速度の上限が予想できます。


透析中のBV計による濃度変化につい

BV計は脱血側と送血側に設置されていることもあります。除水時には脱血側より送血側が、濃度が高いことが考えられます。

脱血側では、体内の血液の濃度なので、経時的に脱血側を測定すると、循環血液量の減少率が分かります。(送血側でも測定は可能)

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さらにダイアライザから一定量の補液をすることにより、シャントの再循環率も測定できます。

 

さいごに

測定方法や計算方法は、メーカによって違うと思いますが、基本的な原理は同じになっていると思います。このように除水について、いろんな角度から見ることはとても面白いですね。

はじめに


エンドトキシンという名称は、臨床工学技士をやっていれば多く聞くことがあると思います。透析の水質管理の場面や敗血症性ショックでの原因物質など、多くの場面で出会うことがあると思います。

私が学校では「エンドトキシンはグラム陰性菌の菌体外膜毒素!!」と学びました。間違ってはいなかったのですが、中身を把握せずにいたので、この機会に学びなおそうと思いました。「エンドトキシンそもそも論・入門編」って感じで見てください。

エンドトキシンによる生体作用

エンドトキシンが体内に入ると、多核白血球やマクロファージを介して炎症性メディエーターが産生され、発熱・血圧低下などの敗血症性ショックをきたします。

 

グラム陰性菌とグラム陽性菌について

細菌類にグラム染色すると大きく2種類(紫・赤)に大別されます。グラム陽性菌は紫色に染まる菌で、グラム陰性は紫色に染まらず赤く見えるもの菌です。

その染色の違いは細胞壁の構造によるものです。

グラム陰性菌 陽性菌


エンドトキシンとは何ぞや


グラム陰性菌は水性菌とも呼ばれ、栄養分の乏しい水中でも繁殖することが出来るため、すべての水の汚染原因となっています。

 

エンドトキシンは、グラム陽性菌に含まれていません。グラム陽性菌にも陰性菌のどちらにもペプチドグリカン層は存在しますが、グラム陰性菌ではペプチドグリカン層の外側にさらに外膜があります。

 

グラム陰性菌の外膜(最外層)の構造は、脂質二重膜です。外側にリポ多糖体(lipopolysaccharideLPS)、そして内側をリン脂質が裏打ちしています。LPSは油性のlipid Aと親水性の多糖体が結合した両親媒性分子です。

 

細菌が死んで膜が破砕した際に遊出してきます!!

 

エンドトキシンとは物質としてはLPSのことです。

※外毒素とは細菌が産生して外部に放出する毒素で菌体成分ではないです。

 

しかし、実際はエンドトキシンが遊離する場合、LPSだけで存在することよりも、LPSとリン脂質がくっついた状態(ミセル会合体)で存在していると考えられています。これが大きさの分布に幅広い原因といえます。(分子量が数十万〜数百万)


エンドトキシンとは











はじめに

慢性透析で使用される薬剤は、患者さんの状態に合わせて処方されています。多くの場合、急変時以外は透析終了時に投薬する施設も多いのではないでしょうか。

それらの薬剤を一部まとめてみました。


透析だけではカバーできない腎臓の機能


腎臓の大まかな機能としては、

腎臓 薬


腎不全の患者さんは主にこれらの機能が不全になるため、透析治療を行う。しかし腎臓の機能は多岐にわたり、透析だけではカバーしきれない。それ以外の部分を投薬でカバーします。

今回は、③と④に対する薬剤について書きます。

 

③に対する薬剤:腎性貧血治療薬


腎性貧血の原因として、

①赤血球造血の抑制、②鉄代謝の障害、③赤血球寿命の短縮

であります。

 

①赤血球造血の抑制

造血ホルモンであるエリスロポエチンの生成低下が原因なので、1)エリスロポエチンを増やす薬剤や、2)エリスロポエチンレセプターに作用し提出赤血球造血刺激を行う薬剤などの大きく分けて2種類の薬剤で、赤血球造血を促す。

 

1)エリスロポエチン製剤:EPO製剤

              エスポー (エポエチンアルファ)

              エポジン (エポエチンベータ)

 

2)赤血球造血刺激因子製剤:ESA

              ミルセラ (エポエチンベータペゴル)

ネスプ (ダルベポエチンα)

 

 

②鉄代謝の障害

鉄欠乏の原因として、透析操作の失血や回路内残血やリン吸着剤による鉄吸収の抑制、EPO製剤による鉄消費の亢進などです。

 

1)鉄剤

フェジン(含糖酸化鉄)

 

 

③赤血球寿命の短縮

寿命短縮の原因として、カルニチンの不足による赤血球の膜障害が挙げられます。膜障害とは浸透圧脆弱性、変形能の障害、代謝障害などがです。しかし、現在でも原因の解明出来てないことも多いそうです。

 

1)カルニチン欠乏症治療薬

エルカルチン (レボカルニチン)

 

 

③に対する薬剤:CKD-MBD治療薬


CKD-MBDとは「慢性腎臓病と骨ミネラル代謝異常」の事です。腎臓の働きの一つにビタミンDを活性化させカルシウムの吸収を促進させています。細かい説明を飛ばしますが、活性型ビタミンDとカルシウムの欠乏による代謝異常の事です。それらの対処として、活性型ビタミンDを増やすこと、もしくは、「カルシウムが血中に多いよ!!」と副甲状腺に思い込ませることが必要です。

 

1)活性ビタミンD3製剤

              マキサカルシトール(オキサロール)確認

              カルシトリオール(ロカルトロール)確認

 

2)カルシウム受容体作動薬

              パーサビブ(エテルカルセチド塩酸塩)

 

 

【その他の透析関連併用治療薬】

①リン吸着剤

②カリウム抑制剤

③降圧剤

④皮膚掻痒症治療薬

⑤下痢

⑥糖尿病治療薬

 

 

さいごに

今回は使用頻度の多い薬剤について書きましたが、それも氷山の一角だと思います。透析業務に携わる臨床工学技士として、最低限の薬剤の知識は必要だと思います。しかし、私の性格的に全部理解をしたいと思うのですが、、、難しい!!面白くない暗記に頼らざる得ないのが悔しいです。それを理解出来る薬剤師さんやお医者さんはすごいとあらためて思います。


はじめに

現在ダイアライザの構造の種類は、中空糸型と積層型があり、シェア率としては、中空糸型が98.5%、積層型が1.5%になっています。中空糸型の構造がほとんどをシェアしています。

積層型は平板型やプレート型、キール型とも呼ばれ、実際に使用した医療者はわかると思いますが、中空糸型とは違う手技があります。

 

それは、「プライミング時」と「開始時:脱血時」にダイアライザ内の透析液側の圧力を下げる手技が必要になることです。

今回は、なぜそのような手技が必要な理由を記事にしました。


積層型ダイアライザの基本情報

積層型のダイアライザといえば、「H12ヘモダイアライザ」が一番使われているのはないでしょうか?積層型のダイアライザの基本情報を記述します。

l  膜素材:PAN(アクリルニトリルとメタアリルスルホン酸ナトリウムの共重合体)

(ポリアクリルニトリル共重合体)

l  膜材質:ハイドロゲル構造(親水性により)

l  膜構造:対称膜(全体が緻密層) 

l  膜電荷:強い陰性荷電(70mVぐらい) ACE阻害薬は使用禁忌

 PS膜は―5mVぐらい


積層型ダイアライザの構造

図

積層型と中空糸型の構造の違いです。

膜は黄色で表現してます。

 

中空糸型は膜がストロー状をしていて、内部に血液が流れ、外部に透析液が流れる「内部灌流型」です。

 

積層型は、血液側と透析液側と支持材の層構造(ミルフィーユ)になっていて、血液側層に透析膜が挟み込み、その膜の反対側に透析液側流れている構造です。流れ方は、中空糸と同じで、向流(血液と透析液が逆向きに流れている)になっています。

 

構造が違うのは一目瞭然だと思いますが、この違いどのように影響するかというと、血液側層にコンプライアンスがあることです。

コンプライアンスがあるということは、血液側圧力と透析液側圧力のバランスにより、血液側充填量が変化します。

血液側容量を確保されるためには、常に、血液側圧力>透析液側圧力になる必要があります。なので逆濾過はほとんど起きないです。

 

実際の内部での圧力分布は、流入口と流出口の場所で変わるので、


図

この図のようになることが考えられます。


プライミングと透析開始時の手技について

プライミング時には、透析液側を開放する必要があり、膜に過度な圧力避けるためや、膜全体に洗浄を行うために必要なのが考えられます。

 

透析開始時には、血液充填量を多く確保するために、透析液側の圧力を大気開放にする必要あります。

「プライミングの時に充填量確保されているではないか」と思う方もいると思いますが、プライミングと開始時の間にガスパージの工程があるため、そこで、透析液側の圧力が変化していることが考えられます。


最後に

手技の違いを作業的に覚えるのではなく、構造を理解することにより、意味を理解して手技を行うと、とても面白いです。

適応患者やPAN膜、ハイドロゲル構造、吸着能の話は、また別の記事で記載します。




はじめに

以前、
Kt/Vについて簡単な説明と考え方について書きました。今回は、Kt/Vに少し踏み込んでいきたいと思います。

 

日本透析医学会の推奨

日本透析医学会は、透析量について下記の項目を推奨しています。

 

1.    透析量は、尿素のsingle-pool Kt/Vurea(spKt/V)を用いることを推奨する。(1B)

2.    透析量は、月1回以上の定期的な測定を推奨する。

3.    実測透析量として、以下の値を採用する。

1)    最低確保すべき透析量として、spKt/V 1.2を推奨する。(1B)

2)    目標透析量としては、spKt/V 1.4以上が望ましい。(2B)

4.    透析時間は、4時間以上を推奨する。(1B)

 

補足

*本ステートメントは、週3回、16時間未満の維持血液透析患者を対象とする。

引用:日本透析医学会 維持透析ガイドライン 血液透析処方 P597

 

spKt/Vとは何か


成人男性の約60%は水分で構成されています。そのう2/3が細胞内、1/3が細胞外に分布しております。細胞内外での物質分布が異なるのに加え、体内では常に尿毒素成分が生成されております。

上記で示したパラメータを考慮して生体内の物質分布を算出することは、非常に困難であります。このことから、生体を1つの水槽と仮定したものをシングルプールモデルといいます。

ここで要注意なのが、シングルプールモデルとして生体を考慮したときに、対象とすることが出来る物質は、尿素のみということです。尿素は、分子量が60と小さいため、細胞内外を比較的自由に行き来することが出来ます。そのため、尿素の分布状態を考える場合にシングルプールモデルという考え方ができます。

 

目標透析量


欧米の観察研究によると、透析量を増加させることにより、死亡リスクの低下などが報告されています。また、spKt/V1.2~1.3にて死亡リスクの低下が鈍化傾向にあるという報告もされています。そのため、日本透析医学会のガイドラインでは、最低限のspKt/V1.2とし、目標値を1.4としています。

 

spKt/Vの問題点


体格による影響が出やすい

Kt/Vは、体格による影響が出やすくなっています。体格が小さい人は体内に含まれる体液量も相対的に小さくなります。よって体格の大小により見かけ上、Kt/Vが大きくなったり、小さくなったりします。

 

②対象物質が尿素のみ

spKt/Vは、尿素のみを対象としているためspKt/Vだけでは、低分子タンパクなどの透析指標にはなりません。

 

参考文献


日本透析医学会 維持透析ガイドライン 血液透析処方 P597-600


はじめに

以前に、クリアランスについて書いていきましたが、

本日はクリアランスと血流量の 関係について書いていきます。
まず、最初にクリアランスと血流量はとても親密な関係であります。

クリアランス



この式は以前にも示した算出式です。

 

上記の式をわかりやすく日本語にしてみました。


クリアランス



この式をみると血液流量とクリアランスが比例関係になりそうですが、そうはなりません。

結果から言うと、血液流量上昇によりダイアライザ出口濃度が下がりにくくなり、効率は下がっていきます。

 

低流量で透析効率が上がる理由

血液がダイアライザ内の滞在時間延長

ダイアライザの血液充填量は65mLだったので、滞留が無いと考えた場合、血流量50mL/minの時、通過時間は78秒である。血流量300mL/minの時、通過時間は13秒です。血液内の物質が拡散できる時間が、効率を上げると言えます。

 

血液流量QBと透析流量QDの流量比

血液側から透析液側に物質は移動します。そのとき血液側と透析液側の濃度差が小さくなることが考えられます。そのため、QDQBに比べて大きいと、透析液側の濃度は入れ替わりが早く濃度が低いままで維持できる。そうなると、拡散能力は維持できると言えます。このことから、QBQDが低い方が、効率が上がると言えます。

 

「では低流量の方が良いのではないあか」と思う人もいると思います。

それは、あくまでもダイアライザを通過する血液量が同じ場合であり、時間が恐ろしくかかってしまいます。

そのため、時間効率を考えると高流量の方が良いと言えます。

 

高流量について

高流量のほうが、透析効率的に絶対的に良いと言える。しかし、血流量を上げても小分子除去能は上がるが、大分子物質の除去能は変わらないとされています。


クリアランス



デメリットは、高流量を実現するために良好なバスキュラーアクセスが必要であること、透析導入初期の患者さん場合、不均衡症候群のリスクにもなることが挙げられます。

他の理由として心臓に負担になるという文面をよく見かけます。心臓に負担になる理由の考察として、返血が静脈圧を上昇させ前負荷が上がるから。他に、末梢血管を通過せずに心臓に戻る血液量が増えるので、末梢血管での血圧が低くなり、血圧を上げるために心機能を上げることによる心負荷が考えられます。


はじめに

血液透析を行う場合、透析前後の体重測定を行い、ドライウェイト通り除水が行えているかを確認します。しかし、ドライウェイトは適切な除水量を把握するのに必要な指標であり、血液中の尿毒素成分が適切に除去されたのかまではわかりません。

今回は、透析量の指標の1つであるKt/Vについて簡単にまとめていきたいと思います。


Kt/Vとは

透析量の指標としてKt/V(ケー・ティー・オーバー・ブイ)があります。Kt/Vは、クリアランス(K)と透析時間(t)をかけたものを体液量(V)で割ることで求めることができます。

上記でも説明しましたが、Kt/Vについて単位から考えてみましょう。各パラメータの単位は下記のようになります。

 

クリアランス:mL/min

透析時間:hr

体液量:L

 

上記で示した各パラメータの単位を換算していきますが、計算のイメージがしやすいように適当な数値を入れて説明していきます。

 

クリアランス:180mL/min

透析時間:4時間

体液量:36L

 

上記のパラメータでKt/Vを求めていきます。まず、計算のしやすいように各パラメータの単位をそろえていきます。

 

クリアランス:180mL/min

透析時間:4hr×60240min

体液量:36L×100036000mL

 

単位がそろって計算がしやすくなったので計算をしていきます。

 

Kt/Vに先ほど示した数値を入れると

圧トラ



このようになります。

ここで注目してほしいのは、計算後の数値ではなく算出されたKt/Vの単位です。

簡単な計算なのでわざわざ説明することもないと思いますが、各パラメータの単位は相殺され、無次元数となります。つまりKt/Vに単位はないということです。

 

Kt/Vの解釈

Kt/Vについて理解するには、各パラメータの意味をしっかりと理解する必要があります。各パラメータの意味を簡単ですが、下記に示します。

 

クリアランス:1分間にキレイになった血液の量。

透析時間:血液透析を行った時間

体液量:患者さんの体内に含まれる水分量

 

つまり、クリアランスと透析時間から透析治療でキレイになった血液量を求めることができます。その数値を患者さんの体液量で割ることで患者さんの全体液が何回キレイになったかを求めることができます。

つまり、Kt/Vは患者さんの全体液が何回透析されたかを示す数値といえます。

 

さいごに

今回は、Kt/Vについて簡単に説明しました。今後、さらに突っ込んだ記事を書いていく予定ですので、今回の記事と合わせて読んでください。

よろしくお願いします。

 


はじめに

潰瘍性大腸炎や悪性関節リウマチは、病気の原因となる因子がはっきりと解明されていません。しかし、白血球が炎症原因の1つであることはわかっています。そのため、白血球を除去してあげることで炎症症状が軽減されます。今回は、血液浄化領域における白血球除去療法(以下、L-CAPとする)について書いていきたいと思います。

 

L-CAPの仕組み

L-CAPの回路図を以下に示します。

 

 

L-CAP回路図


 

L-CAPは静脈より血液を脱血し、専用の吸着材を使用したカラム内に通すことで白血球を吸着除去するといったものです。カラムの構造は以下の通りになります。

 

 

L-CAPカラム構造

 

吸着材にはポリエチレンテレフタレートが用いられ、顆粒球・単球および一部血小板を吸着します。顆粒球・単球はほぼ100%吸着し、血小板は50%前後吸着されます。血液の流れは図に示したように、吸着材の外側に血液が流入し赤血球や血漿成分は吸着材を通過し、返血されます。このようにして顆粒球・単球、一部の血小板を除去することができます。

 

適応疾患

L-CAPの適応疾患は、潰瘍性大腸炎と悪性関節リウマチの2つです。

    潰瘍性大腸炎

最初に保健適応となった疾患です。ステロイド抵抗性の潰瘍性大腸炎に対してL-CAPを用いた群とステロイドを増量した群とで行われた研究でL-CAPを用いた群が有意に改善が見られたという報告があります。

また、L-CAPの治療有効率は70%程度といわれています。

 

    悪性関節リウマチ

経口リウマチ薬を服用しても改善が見られなかった症例に対して、有意に改善が見られたという研究報告があります。


抗凝固薬

私の勤める施設では、抗凝固薬にメシル酸ナファモスタットを使用しています。潰瘍性大腸炎の場合、消化管出血があるため半減期の短いメシル酸ナファモスタットが有用となります。

メシル酸ナファモスタットは、生食または5%ブドウ糖にて希釈して使用します。


mizu


はじめに


透析患者の水分管理は、血液透析を行う上で最も重要な項目の1つです。血液透析で除水を行う際、ドライウェイトに近い体重を目指しますが、自身での水分管理ができていない患者さんは、1回の透析で5kg以上も体重が減少します。急激な除水により血圧低下などをきたせば、治療中止や目標体重まで除水を行えなくなります。

今回は、医療従事者の立場で患者さんの水分管理についてどのように介入すればいいのかを考えましたので簡単にまとめていきます。

 

水分制限について

透析患者に対して、水分を制限するのは心不全の防止や負担の少ない血液透析を行うために必要であります。しかし、のどの渇きを我慢するのはなかなか難しいことです。また、何十年と水分を無理に制限することは患者さん自身のQOLを大いに低下させるものです。

このことから、いかに我慢せずに水分量を減らしてもらうかが、慢性透析では必要となります。

当院で行っている水分制限に関する指導は以下の項目です。

 

   薄味の料理を食べてもらう。

濃い味付けの料理となると、必然的に塩分量が多くなります。塩分が多くなると血中のナトリウム濃度が高くなり水分が欲しくなります。食事時に摂取する水分量をなるべく少なくするためには、薄味の料理にしなければなりません。

 

   湯呑のサイズを小さくし、熱めにする。

湯呑のサイズを小さくすることで1回に摂取する水分量を減らします。さらに熱くすることで、ゆっくり飲むようになるため少量でも満足することができます。

 

   麺類や鍋物を避け揚げ物や炒め物をとる。

ラーメン、うどん、そばや鍋などは食事自体の水分量が多くなります。そのため、なるべく水分量の少ない焼く、炒める、揚げるといった調理法を用いた料理が好ましいです。

 

   アルコールの量を減らす。

アルコールを摂取することで自制が効かなくなり、大量に水分を摂取することにつながります。そのため、アルコールは少量にしなければなりません。個人的には禁酒してほしいですが、、、

 

   氷にて水分補給を行う。

特に夏場になると、大量の水分が欲しくなります。このような場合では、氷をかまずに舐めてもらうことが効果的です。

 

指導方法

透析患者の中には、長年の透析や水分・食事制限に対してストレスを感じている方もいます。このような場合に「頑張りましょう」と声をかけるのは逆効果となる場合があります。そのため、患者さんの主張を聞き入れながらうまく誘導しながらこちらの意見を伝えることが必要になります。

 

さいごに

病院によっては、専門の栄養士や調理師が指導にあたる場合もあります。しかし、治療に関わる私たちが、生活面での水分・食事制限に対して何も知らないというわけにはいきません。

【はじめに】

持続的血液透析濾過(以下CHDFとします)は、主に集中治療領域にて施行されます。通常の血液透析(以下HDとします)は施行時間が4時間ほどですが、CHDFは最大48時間施行することもあります。

今回は、CHDFを開始するときの手技や注意点についてまとめていきたいと思います。

 

【用意するもの】

   処置用シーツ

   雑ガーゼ

   ポリ袋

   アルコール綿

   10mLシリンジ

   生食入りシリンジ

 

【開始時の手技と手順】

   バスキュラーアクセス(以下VAとします)カテーテルの下に処置シーツを敷く。

   VAのクランプが閉じているのを確認して、キャップを外しアルコール綿で拭く。

   VA10mLシリンジを接続しVAのクランプを外す。

   10mLシリンジを引き脱血の確認をする。

   採血した血液をポリ袋に入った雑ガーゼにかけて、血餅の有無を確認する。

   VAのクランプを閉じて、生食入りシリンジを接続する。

   VAのクランプを開け、生食せVAカテ内をフラッシュする。

この時、しっかりと生食がフラッシュされるか確認する。

   VAのクランプを閉じてCHDFの回路と接続する。

   VAのクランプを開けて血液ポンプを目標値(指示値)の半分程度で回す。

   V側まで血液が到達したら徐々に血液ポンプの流量を上げていく。

 

②~⑦の工程は、A側及びV側両方で行う。

④の工程で脱血、⑦の工程で送血状態の確認ができる。

 

【注意点】

CHDFを行う患者さんは、循環動態が不安定な方が多いため、脱血開始時に急激な血圧低下などのバイタル変動に注意が必要となります。そのため、CHDFを施行する前に血圧を含むバイタルの値を見ておくことが必要になります。

脱血や送血の不良があった場合は、医師にカテ位置の確認をしてもらうもしくは、A側とV側を逆に接続したりといった対応が必要になります。

 

【さいごに】

CHDFを行う時には清潔操作が必要となります。VAカテとCHDF回路の接続部から感染などの危険性があるため慎重に手技を行う必要があります。また、自身の身も守らなければならないためスタンダードプリコーションの実施も必要です。

バイタル、清潔操作、感染予防を意識しながらの手技になるため、私自身は気疲れする業務の1つだと考えています。

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