駆け出しCEのblog

臨床工学技士として日々勉強しております。 このブログでは、自身の知識や学んだことを他のコメディカルとも共有したいと思い作成しています。

カテゴリ: 心臓カテーテル

【はじめに】

カテーテル検査は大きく右心カテーテル検査、左心カテーテル検査、両心カテーテル検査の3つに分けることができます。

右心カテーテル検査は、右心系の圧測定や心拍出量の測定また酸素飽和度の測定などを行うことができます。そのため、弁膜症や心筋症の診断を行うために行われます。

今回は、右心カテーテル検査について簡単にまとめていきたいと思います。

 

【穿刺部位】

右心カテーテルを行うためには、まず静脈穿刺を行わなければなりません。下記に主な穿刺部位を示します。

   内頸静脈

   鎖骨下静脈

   尺側皮静脈

   大腿静脈

私の勤める病院では、主に内頸静脈に穿刺を行って検査を行います。また、穿刺はエコー下にて行われることが多く、エコーの準備やセッティングも臨床工学技士が行っております。

 

【検査の流れ】

   右房圧(right arterial pressure : RAP)の測定

   右室圧(right ventricular pressure : RVP)の測定

   右心室拡張末期圧(right ventricular end diastolic pressure : RVEDP)の測定

   肺動脈圧(pulmonary arterial pressure : PAP)の測定

   肺動脈楔入圧(pulmonary capillary wedge pressure : PCWP)の測定

   心拍出量(cardiac output : CO)の測定

   肺動脈から右心室までの引き抜き圧測定

圧波形の測定時には、患者さんに息止めをしてもらうことでより正確な測定を行うことができます。

 

【診断可能な病期】

右心カテーテル検査により、診断可能な病期を下記に示します。

   三尖弁狭窄症

   三尖弁閉鎖不全症

   肺高血圧症

   右心不全

   僧帽弁狭窄症

   僧帽弁閉鎖不全症

など・・・

 

【臨床工学技士の業務】

私の勤める病院では、右心カテーテル検査時における臨床工学技士の役割として、各波形の記録などのポリグラフ操作、心電図や動脈血酸素飽和度などの監視を主に行っています。

また、術中に生じる機器の不具合などにも臨床工学技士が対応しなければなりません。

【はじめに】

心臓の役割の1つに、全身臓器への血液供給があります。心臓は、1回の拍動で60~70mLの血液を拍出します。1回の血液拍出量に1分間の拍動数をかけたものが、心拍出量となります。専門的に言うと、

 

心拍出量=1回拍出量×心拍数

 

となります。

心機能が低下すると1回拍出量が低下するため、それに応じて心拍出量も低下します。このことから、心拍出量は心機能を評価する指標の1つになります。

心拍出量を用いた心機能評価として、フォレスター分類があります。フォレスター分類は、心拍出量と肺動脈楔入圧の二つのパラメータにより、心機能を4パターンに分類することができます。

心拍出量の測定方法は侵襲的に行うものから、非侵襲的に求めるものまで様々な方法があります。今回は、スワンガンズカテーテル(サーモダイリューションカテーテル)を用いて測定する熱希釈法と血液ガスより算出するFick法について説明していきます。

 

【熱希釈法】

熱希釈法による心拍出量の測定には、スワンガンズカテーテル(サーモダイリューションカテーテル)が必須であります。スワンガンズカテーテルには側孔があり、そこから冷却した5%ブドウ糖を混合静脈血中に急速注入します。冷却された5%ブドウ糖と血液が混ざりあうことで生じる温度変化を肺動脈内にあるカテ先のサーミスタで測定します。温度変化が大きいほど心拍出量も多くなります。

私の勤める病院では、熱希釈法による心拍出量測定を5回行い、その平均値を測定結果として用いています。5回の測定をするメリットとしては、1回目の測定が上手くいかない場合でも、残りの4回の値を平均して測定結果とすることができます。デメリットとしては、腎不全や右心不全の患者さんに対して水分負荷となるという点です。

病院によっては、5%ブドウ糖ではなく生理食塩水を用いているところもあります。注入液の温度もそれぞれの施設で異なっており、凍らせた状態で保管して、使用直前に半分ほど解凍して使用しているところもあります。

Fick法】

動脈血と静脈血の酸素含有量は異なっています。動脈血中に含まれる酸素は、全身臓器へと分配され、消費されます。そのため静脈血の酸素含有量は動脈血に比べ低くなっています。

上記のことをふまえ、酸素消費量は動静脈酸素含有較差に心拍出量をかけることで求めることが出来ます。この考えより、心拍出量は酸素消費量を動静脈血酸素含有較差で割ることで求めている。

 

心拍出量=酸素消費量/動静脈血酸素含有較差

 

Fick法は上記の考えで心拍出量を算出しております。Fick法の特徴としては、熱希釈法に比べ正確であるため、低心拍出量の患者さんに対しても精度の高い計測が可能であります。

Fick法による心拍出量の計算は、カテラボにより自動で行う施設が多いと思います。算出に必要なパラメータとしては、静脈血の酸素飽和度動脈血の酸素飽和度ヘモグロビン濃度心拍数身長体重です。これらのパラメータにより、Fick法で必要なパラメータを導き出し、導き出した数値よりFickの式を用いて算出が行われます。

【はじめに】

前負荷や後負荷といった言葉は心機能検査を行う場合、とても重要となります。また、何が前負荷を表し、後負荷を表しているのかをしっかりと理解することで、心臓カテーテル検査をより理解できます。

 

【前負荷】

前負荷とは、心室が収縮を開始する前にかかっている負担のことを指します。つまり、心房に流入する血液量と心筋の収縮力により前負荷が決定されるということです。

心房に流入する血流量と心筋収縮力を反映する指標として圧力があります。そのため、前負荷の評価として圧力波形を測定することが一般的であります。

左右心室に対する前負荷の指標を下記に示します。

 

・右心室

右心房圧、右心室拡張末期圧、拡張末期右心室容積、中心静脈圧

 

・左心室

左心房圧、左心室拡張末期圧、拡張末期左心室容積、肺動脈楔入圧

 

前負荷と合わせてスターリングの法則も理解しておく必要があります。スターリングの法則も理解しておく必要があります。

スターリングの法則を簡単に説明すると、心室が1回の収縮で拍出する血液量(1回拍出量)は、心室拡張末期容積により変化するということであります。

スターリングの法則

上の図からもわかるように、前負荷は一定以上必要ですが、多すぎてもいけないということです。

前負荷がすくなくなると、心拍出量の低下につながります。そのため、前負荷が少なくなると、輸血などを行い、静脈還流量を増やしたりするなどの対応が求められてきます。また前負荷が高すぎると、心筋に負担がかかりすぎるため、利尿剤などにより体液量を下げてあげるといった対応がとられます。

 

【後負荷】

後負荷とは心室が血液を拍出するときに、心室の負担となるものを指します。血液は、心室の圧力と末梢部の圧較差により駆出されます。つまり、心室より末梢の血管の圧が高くなれば、後負荷が大きくなるということです。

左右心室に対する後負荷の指標を指します。

 

・右心室

拡張期肺動脈圧

 

・左心室

拡張期大動脈圧

 

後負荷の増加要因となるのは、末梢血管抵抗です。末梢血管抵抗は、動脈硬化や末梢血管の収縮により増加します。


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【はじめに】

病院で心臓カテーテル業務に属している方はよく聞く言葉だと思います。多くの病院では、カテラボによる自動計算により求められていますが、どのようなパラメータによって算出されているのか把握しておく必要があります。

弁口面積とは、血液が心臓の弁を通過する際の弁の開口面積のことです。健常人では3.0~4.0cm2程度であり、弁口面積の大きさにより弁膜症の有無を判断します。

 

【弁口面積の算出】

弁口面積は、弁を通過する血流量と弁前後の拡張期圧較差により算出することが出来ます。

弁口面積の算出式

【基準値】

弁口面積の基準値


数値は変わりませんので、片方だけ覚えれば大丈夫です()

【最後に】

カテラボでの測定による弁口面積の算出は、カテラボ操作者がサンプリングする圧波形により行われます。適切な圧波形を見極めないと、治療方針が大きく変わってしまうこともあります。


【はじめに】

光干渉断層撮影(以下OCTとする)は、もともと眼科領域で網膜の状態評価で使用されていたが近年、冠動脈内の評価にも用いられている。イメージングワイヤーを冠動脈内に挿入し、波長が約1300nmの近赤外線を照射することで冠動脈の断面像を描出することができる。

測定時には、血管内の血液を除去する必要があり、バルーンを拡張させ冠動脈を閉塞し乳酸リンゲル液を注入するTD-OCTと冠動脈内に造影剤をフラッシュし高速スキャンを行うFD-OCTがある。私の施設では、FD-OCTが使用されています。

 

【特徴】

OCTの画像分解能は1020μmでありIVUSに比べ約10倍である。しかし、画像深達度は2mm以下とIVUSに比べ劣ります。

OCTは、冠動脈内表面の微細な描出に優れており、薬剤溶出性ステント治療後の評価(新生内膜被覆状態)などに有用であります。

内膜は高輝度領域として描出され、中膜は低輝度領域、外膜は高輝度領域として描出されます。

見え方としては、イメージングワイヤーが中央にあり、内膜、中膜、外膜と描出されます。

画像の見方は、IVUSとほとんど同じですが、測定原理の違いでそれぞれ一長一短があります。

 

【使用のタイミング】

使用のタイミングはIVUSと同じで、バルーン拡張前、バルーン拡張後(ステント留置前)、ステント留置後であります。

 

【最後に】

IVUSOCTはそれぞれの特徴があり、医師によって好みも分かれます。そのため、治療前に医師確認することが必要となります。

【はじめに】

冠血流予備量比(以下FFRとする)は、冠動脈内に圧力センサーのついたガイドワイヤーを挿入し、狭窄部位前後の圧測定を行い、冠動脈狭窄による重症度を評価するものである。

圧センサー付きガイドワイヤーは一般的にプレッシャーワイヤー(pressure wire)と呼ばれており、大動脈圧(Pa)と狭窄病変遠位部の冠内圧(Pb)を同時測定することができ、FFRは下記の式により算出される。

FFR算出式

FFR測定の際には、最大冠血流にする必要がある。そのためには、冠動脈の拡張を最大にしなければならない。一般的に使用されているのはATPであり、FFR測定の際にはATPを投与し最大冠血流を模擬しなければならない。

 

【評価】

一般的な評価を下記に示します。それぞれの病院で評価基準は異なってきますが大きな差はないと思います。

FFR数値分類

【最後に】

FFR測定後のプレッシャーワイヤーを病変部位から引き抜いた際、FFR1.0にならない場合は、再測定が必要になります。要因としては、温度ドリフトや病変部位にセンサーが接触したことなどが考えられます。

病変部位にプレッシャーワイヤーを挿入する前と後に必ずFFR1.0になることを確認する必要があります。



【はじめに】

血管内超音波(以下IVUSとする)は、血管内に超音波カテーテルを挿入し、血管内壁全周に超音波を照射することで、血管断面を観察するものであります。

一般的には、PCI施行時にバルーン・ステントサイズの選定や、治療後の評価などに使用されています。

 

【特徴】

PCI用のガイドワイヤーを併用し超音波カテーテルの挿入が可能であり、血管径やプラーク全体を描出することが出来る。そのため、プラーク量の把握やバルーン・ステントサイズの選定に有用であります。

OCTと比べ、画像深達度は5mmと優れているが、冠動脈内表面の描出は劣る。

冠動脈は、内膜、中膜、外膜の三層構造となっている。内膜は高エコー輝度領域として白く描出され、中膜は低エコー輝度領域として黒いリング状に描出、外膜は高エコー輝度領域として白く表示される。

見え方としては、中心に超音波カテーテルが表示され、その周りがガイドワイヤーのアーチファクトにより白く描出される。そして、血管の内腔があり内膜、中膜、外膜であります。

※ステントは白く描出されます。

 

【使用のタイミング】

IVUSを使用するタイミングとしては、バルーン拡張前、バルーン拡張後(ステント留置前)、ステント留置後であります。

まず、バルーンによる病変部の拡張を行う前に、病変部のある血管の内径や、病変部の長さをIVUSにより把握します。これにより、バルーンの長さや容量を決定します。次に病変部の拡張後の血管径や、内膜の状態を観察し、ステントのサイズを決定します。最後にステント留置後の血管内膜とステントの圧着具合を観察するためにIVUSを使用します。

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