駆け出しCEのblog

臨床工学技士として日々勉強しております。 このブログでは、自身の知識や学んだことを他のコメディカルとも共有したいと思い作成しています。

関東でMEとして働いています。
臨床工学や医療機器について学んだことを
MEの目線から書いていきます。
看護師さんや他のコメディカルでもわかるように
書きますのでみんなで知識を共有していきましょう。

カテゴリ: その他


はじめに

PCPSのプライミング練習中に、流量を最大にして、回路を鉗子でクランプするとその瞬間、微小気泡が発生するのを見たことある人は少なくないと思います。

臨床工学領域でのキャビテーションは、超音波メス(ハーモニック)の動作原理、または補助循環(PCPSECMO)の気泡発生のメカニズムでしょうか。。

今回は、補助循環のメカニズムを中心にキャビテーションについて書きます。

 

キャビテーションとは

一般生活でもキャビテーションは見れます。それは新しい炭酸の飲み物を開封したとき、「液体内に気泡が発生」します。それがキャビテーションです。

 

じゃあ、水が沸騰したときも「液体内に気泡が発生」するから、それもキャビテーションと思う方もいると思います。それも意外と間違っていません。

 

まず沸騰とは、液体が気体に変わる状態のことで、一般的に沸騰とは、水の温度を上げていくと100度を超えるあたりで起きます。

 

沸騰は、「温度を上げる」か「圧力を下げる」でおきます。

・「温度を上げる」⇒加熱沸騰(一般的な沸騰)

・「圧力を下げる」⇒減圧沸騰(キャビテーション)

という理解です。

 

気泡が発生して消滅の時、高圧力波が起こり周囲に機械的なエネルギーを与えます。それが血中で起きた場合、溶血を引き起こし、超音波メスの場合は、軟組織を切開できます。

 

キャビテーション数Caについて

臨床工学領域ではキャビテーション数Caというのは出てきません。しかしキャビテーションを説明するうえで、必要なので簡単に説明します。


キャビテーション数算出式


分子のPは絶対圧力[Pa]Paは平衡蒸気圧[Pa]で、分母はベルヌーイの定理の動圧でこの式が成り立っています。この値Caが1を下回った時、気泡が発生します。

 

水の沸騰は大気圧によって変わってきます。水分子は空気中に飛び出したいけど、飛び出さないのは、大気圧が抑えているからです。その場合、水に温度をあたえ、飛び出す強さを高めたなら、ほかには、抑えている大気圧を低くしたのなら、どうなるか想像できると思います。

 

ここからは、私の考察になりますが、炭酸飲料を開けたときに発生するのは、絶対圧力が低くなったからと考え。加熱で沸騰するのは、平衡蒸気圧が上がることによってと考えます。

PCPSのキャビテーションの場合、最初は遠心ポンプの陰圧によって起きていると、私は、考えていました。しかしこのブログを書く上で、流量によって気泡が発生していることに気が付きました。なので分母の動圧は、PCPSの気泡発生です。

 

PCPSのキャビテーション

チューブをクランプする時に、①チューブの断面積が小さくなり、流速が増します。その流速が増し、動圧の上昇により、静圧の低下によって③気泡が発生している機序になります。

 

   連続の式

   ベルヌーイの定理

   キャビテーション数

 

さいごに

興味持つ人が少ないものを深くまで考えて、調べて計算して、簡単に変換して、皆さんの興味に合うかどうかはわかりませんでしたが、調べている間は、すんっごいカロリーを消費しました。ですけど、自分の中で理解度が深まるのがわかり、とても書いていてたのしかったです。

 

参考文献

(1)臨床工学ライブラリーシリーズ② 生体物性/医用機械工学

(2)臨床工学ライブラリーシリーズ③ 新版エッセンシャル解剖・生理学

(3)キャビテーションとは? 亀田 正治 (農工大)

 


はじめに

誰しも生きていたら、ちょっとした間違いや、ど忘れなどあると思います。それは家事やスポーツはたまたゲームなどで、多くの場面で出会っていると思います。しかしそれを医療の中で起こすと、人間の命に影響する事態になってしまいます

ドラマなどでは「神の手」や「手術支援ロボット」などにスポットが当てられますが、それは当たり前のように多種多様な医療機器が動き、当たり前のように適切で適量の薬が使用され、当たり前のように多くの病院スタッフがミス無く働いており、そんな「当たり前」の支えのもと成り立っているものだと思います。

しかし、大小ありますが医療現場では絶対にミスはあります。そのミスを最小限に抑えるために、まず初めに「人間は必ずミスを起こす」ことを大前提に考える必要があります。

 

人間工学の意義

人間工学が扱う領域としては、器具類や設備が有している性能、すなわち、精度、効率性、利便性、人間にとっての使いやすさ、働きやすさ、つくりやすさ、保守のしやすさ、安全性、経済性などがあります。

使いやすいとは、単純に難易度が減るのではなく、ミスが減る事にもつながります。使いやすい設計などは医療機器に多く工夫されています。

医療現場での数少ない工学者として、人間の行動や思考も、感覚的ではなく具体的に、評価を行うことで、働きやすいシステムなども構築できるのではないでしょうか?

 

さいごに

人間工学を深く学ぶ、臨床工学技士がいても面白いと思います。工学的知識があるからこそ改善策が思いつきそうですね。


はじめに

もし電子レンジが加熱時間を設定した時点で、加熱が開始してしまう設計だったとしたら、、、

食べ物を電子レンジの中に入れ、ドアを閉める前に、加熱時間を設定してしまい、マイクロ波を浴びてしまったら、眼球のような温度調節機能の弱い器官に、熱による損傷を受ける可能性があります。

しかし、そのような体験をした人はいないでしょう。それは、電子レンジがドアを閉めないと加熱が始まらないという設計になっているからです。この設計をフールプルーフといいます。

今回は医療現場にあるフールプルーフ設計を紹介します。

 

医療におけるフールプルーフ

人間が誤った行為をしようとしても出来ないようにする工夫を設計段階で施すことをフールプルーフといい。フールプルーフ(Fool Proof)は直訳で「無知でも保障」といい、愚か者がどんなミスを起こすことすらできない安全設計の事です。

このような安全を防ぐシステムは医療の中に多くあります。

 

1番代表的なフールプルーフ設計は、ピンインデックス方式です。ピンインデックス方式では医療ガスを接続する際に、間違った接続ができない方式です。接続部のオス側に、ガスごとに異なったピン位置があり、そのピン位置にあった接続部にしか接続できないようになっています。

 

さいごに

私は、チェックを多重化させて、安全性を担保させる方法が、安易で軽率だと思います。病院では、ある医療事故が起きると、その事故を再発防止するために、チェックを増やす方式が多くとられています。大体このような事を考えるのは、立場が上の人であり、チェックを増やすというコストのかからない、ただ現場の仕事を増やす仕組みです。

このような対策が仕事量は増やし、注意を散漫にさせ、予期しない事故を誘発させていると感じます。


【はじめに】

簡単な知識として、P値が0.05未満だとデータ間に有意差があるということは、統計学にあまり詳しくない方でも知っていると思います。つまり、P値についてその意味を知らなくても「P値が0.05未満だと有意差がある」という知識があれば、論文データに統計学的有意差が有るのか無いのかの判断ができるということです。

私自身も当初は、P値の示す意味をあまり理解せずに上辺の知識のみで医学論文を読んでいました。しかし、実際にデータをとり統計を行う中で、統計用語の示す意味の理解は必要だと考えるようになりました。

今回は、自分自身の備忘録となるようにP値の解釈を自分なりにまとめていきたいと思います。

 

P値のPって何

最初におさえておかなければならないのが、P値のPってどこからきたものなのかということです。P値のPは「Probability」からきており、日本語に訳すと「確率」という意味になります。すなわち、「P=0.05」というのは「確率値が0.05%」という解釈ができます。

 

P値の数値は何の確率を示しているのか

2つのデータを統計にて比較するとき、「仮説検定」を行います。仮説検定とは、ある一つの説を立て、データを比較するものであり、一般的には「帰無仮説」という前提で統計を行います。

帰無仮説は「比較するデータには、差がない」というものであり、その結果をP値という値で表します。つまりP値は、「2つのデータに差がない確率」となります。つまり、P値が高ければ高いほど2つのデータには差がなく、P値が低ければ低いほど2つのデータには差があるということになります。

 

【有意差の決め方】

一般的にP値が0.05未満になると、有意差があるとされています。では、なぜP値が0.05未満だと有意差があるとされているのでしょうか。実はこの0.05という数値は明確なルールに従って決められたものではなく、暗黙のルールみたいなものです。そのため論文によっては、P値が0.03未満で有意差ありとしているものもあります。

つまり、研究によって有意差ありとする値は異なってくるということです。

 

【まとめ】

    P値のPは「Probability」からきており、日本語に訳すと確率という意味となる。

    P値は、2つのデータ間に差がない確率を示している。

    P値が高いほど2つのデータに差がない確率が高い。

    P値が低いほど2つのデータに差がない確率が低い。

    有意差の有無をしめすP値の境界は、統計をとる者が決定する。

 

【はじめに】

私たちが普段行っている血液浄化、人工呼吸療法、体外循環などはエビデンスに基づいて行われています(一部異なる場合もあります)。エビデンス(evidence)とは証拠や根拠という意味であるが、どのように証拠や根拠を得ているのか、ここで統計という手法が用いられます。

例えば、血液浄化においてPMMA膜がβ2-MGの吸着性があると言われているのもデータをとり、統計学的手法にて計算した結果、他の膜に比べβ2-MGの吸着性能が高いという結果が出ているためであります。

 

【統計とは】

統計とは「ある集団の数や特徴などを数量で表したもの」であります。例をあげると、日本国における出生率の推移や人口の推移などがあります。日本では、赤ちゃんが生まれると出生届を出し、人が死ぬと死亡届を出します。そのため、これらのデータは日本全体を表している数値になるため、単に数値の推移をみて去年に比べ増えた、減ったなどが分かります。

しかし、癌の治療薬である薬Aと薬Bの比較を行う場合、日本全国の癌患者に試して効能を比較することはできません。そのため、ある程度の数の癌患者に対して薬Aと薬Bを試し、薬の効能を比較します。ここで、薬Aを使用した患者が薬Bを使用した患者よりも寿命が長かったとします。その場合、単にその結果を見ただけでは薬Aが良いとは言えません。

 

【有意差とは】

上記で述べたように薬Aと薬Bの数値をただ比較するだけでは、薬Aが薬Bよりも良いとは言えません。しかし、数学的手法を用いることによって薬Aと薬Bのデータを比較解析することによって薬Aが薬Bよりも優れている、または同程度の効能と言えます。

Aが薬Bよりも良いものであれば二つの結果には当然ですが差が出てきます。数学的手法を用いて二つの薬の間に差があることが分かれば、統計学的有意差があるといいます。つまり有意差があるということは、実験や研究によって得られた二つのデータを数学的手法により解析した結果、二つのデータの間に差があることが証明されたということであります。

【はじめに】

私が、臨床工学技士という存在を知ったのは、高校3年生の時です。高校では、部活三昧で進路についてあまり真剣に考えたことはありませんでした。しかし、部活も引退が決まると本格的に自分の進路や将来の職業について考えるようになりました。

当時の私は、就職は厳しいものであるという漠然としたイメージから、これから需要の増える医療職を考えるようになりました。様々な医療職を調べているときに偶然見つけたのが、臨床工学技士という職業でした。臨床工学技士なら、これからの需要もあるし、それなりの給与がもらえるという所から私は臨床工学技士を目指しました(今では、給与以外の面でもやりがいを感じています)

 

【ネットで調べた臨床工学技士の給与】

「臨床工学技士 給与」とググってみると、病院で18万円程度、クリニックで19万円程といったところが見受けられます。そして、大卒と専門卒では基本給が1万円弱の差があるとされています。

給与には、基本給とは別に各種手当が含まれます。主な手当の例としては、家賃手当、通勤手当、資格手当、夜勤・準夜勤手当などがあります。

 

【私の初任給】

私も、高校生の時に上記のような情報を見ていました。また大学生の頃も、臨床工学技士の収入に関しては、上記と同じ認識でした。

そして、実際に働いて得た初任給は257,600(各種手当込み)でした。基本給も19万円程度あり、想定していた給与よりも多く感じました。

私は、私立の総合病院に勤務しています。そのため、大学病院や公立病院、透析クリニックに就職したい方には参考にならないと思いますのでご容赦ください。

 

【さいごに】

上記で述べた給与は初任給で頂いた額です。さらに経験を積めば、夜勤などにも入るため1~2万円程上乗せされます。

関東地区の他施設に勤める友人とも給与についての話をすると地域差は若干ありますが、初任給で20~25万円程度でした。

お金の話は、あまり好まれる話ではありませんが、生きていくうえで重要です。これから臨床工学技士の養成校に入る方、就職を控えている方の参考になればと思いまして、今回は私の初任給を公開しました。

【はじめに】

圧測定と聞くと工業分野のイメージがありますが、医療の分野でも圧測定は頻繁に行われています。医療における圧測定は、動脈圧、中心静脈圧、肺動脈圧など様々な種類があります。また、測定方法も観血的や非観血的など分かれています。

今回は、圧測定について臨床工学技士の目線で書いていきたいと思います。

 

【圧力とは】

はじめに、圧力について考えていきたいと思います。圧力は「単位面積あたりにかかる力」であり、1m2の面積に加わる力が1Nの時の圧力が1Paとなります。少しややこしいですが、1m2の面積に加わる力の大きさということです。

上記のことをふまえて、生体における圧力について考えていきます。一番シンプルに考えるために、動脈圧(血圧)を例にあげて説明していきます。血圧を上記で述べたように言い換えると、血管壁に加わる力の大きさとなります。つまり、私たちが普段測定する血圧は、血液によって血管壁がおされる際にどのくらいの力が加わっているかを示す数値となります。

では、血圧はどのように規定されるのでしょうか。血圧を規定する因子は、血流量と末梢血管抵抗の2つだけであります。血圧の調整にかかわるホルモンなどは、全てこの2つの因子を変化させており、その結果として血圧が調整されているのです。血圧、血流量、末梢血管抵抗の関係を式にして示すと、

血圧=血流量×末梢血管抵抗

となります。

上記の式からもわかるように血流量と末梢血管抵抗が上昇すると血圧は上昇し、逆にこの2つの因子が低下すると血圧も低下します。

 

【圧測定の注意点】

血圧測定の方法としては、観血的な方法と非観血的な方法があります。ここでは、観血的な血圧測定における注意点を述べていきたいと思います。

観血的血圧測定に使用されるセンサとして一般的なものとして、トランスデューサ(一般的にはAラインと呼ばれています)があります。トランスデューサの測定原理を理解するためには、電気回路のブリッジ回路についての説明が必要になりますが、ここでは割愛します。

トランスデューサの付いたルートを患者さんへ接続することで血圧がモニタリングできますが、単純にルートを接続しただけでは正常な血圧測定はできません。血圧測定で一番重要な点は、高さです。一般的には、右心房と同じ高さと言われていますがもう少し正確にいうと、トランスデューサと右心房が同じ高さです。血圧測定のルートを見て、どこにトランスデューサ(センサ)があるか把握していない場合は、正確な圧測定が行えていないということになります。

高さの他に重要な点として、トランスデューサから患者さんの血管までのルートです。血液がルート内の生理食塩水をおし、それをトランスデューサで検知しているため、ルート内に異常があれば、正確な圧測定が行われているとは言えません。ルートが屈曲したり、気泡や血液が混入していると、ルート内での圧力伝搬に支障をきたし、トランスデューサまで届く圧力が変化してしまいます。

 

【さいごに】

集中治療では、血圧のみならず様々な圧力をモニタリングしている患者さんが多いと思います。圧力についての考え方と測定方法を理解することでより正確な圧測定ができると思います。

【はじめに】

局所組織酸素飽和度(rSO2)の測定は、人工心肺などを用いた体外循環による手術を行う場合や、ECMOを行っている場合などに測定されます。

rSO2の一般的な測定部位は前頭葉の組織酸素飽和度であり、測定用のセンサを前額部(おでこ)に貼ることで測定ができます。その他にも四肢の循環不全が疑われる場合などでもrSO2の測定は行われます。

rSO2の測定が行える機器としては、エドワーズライフサイエンス株式会社製のINVOS、浜松ホトニクス株式会社製のNIROなどがあります。私の勤める病院では、前者であるINVOSを使用しています。

 

rSO2の測定原理】

生命活動に必要な酸素はヘモグロビンによって運搬されています。ヘモグロビンは血液中に存在し、肺から酸素を受け取り全身の組織へ酸素を受け渡します。そのため、血液中には酸素と結合したヘモグロビン(酸化ヘモグロビン)と酸素と結合していないヘモグロビン(還元ヘモグロビン)が存在します。

酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンでは、吸収しやすい光の種類が異なるため、rSO2の測定では波長の異なる2種類の光を照射して吸収の度合いを測定することで酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの割合が分かります。そして、以下の式にてrSO2を算出します。

 

rSO2=酸化ヘモグロビン/(酸化ヘモグロビン+還元ヘモグロビン)

 

※実際に照射する光の種類は近赤外線であります。近赤外線を用いて上記のような測定を行うため、近赤外線分光法(NIRS)と呼ばれます。

 

rSO2の評価】

rSO2は、測定対象者や測定部位によって数値が異なっています。私は、rSO2について一般的に測定されるSpO2のような絶対的な評価としての利用は難しいと考えます。しかし、モニタリングを行っていく中で局所組織の酸素化の改善や悪化について評価していくには適していると考えます。つまり、rSO270%と表示された場合に70%だから局所組織の酸素化が良いとか悪いという判断ではなく、一時間前は60%だったのが今は70%なので酸素化が改善されたという判断です。

 

さいごに

rSO2を前額部(おでこ)で測定する場合には前額部の左側と右側両方の測定を行います。一番多いミスで、センサを逆向きに貼ってしまい機器に表示されるrSO2が左右逆向きに表示されていることがあります。センサを貼り付ける時は、左右が反転してないか確かめる必要があります。

前額部に皮脂や汚れがある場合は、正確な測定ができないためセンサを貼り付ける前にアルコール綿などで皮脂や汚れをしっかりと拭き取る必要があります。

【はじめに】

ACTとはActivated clotting timeの略称であり、日本語では活性化凝固時間といいます。ACTの測定は血液の凝固能を調べるために行われ、ACTを指標にしてヘパリン、プロタミン、FFPの投与量などを決めたりします。

ACTの測定が必要な業務としては、血液浄化業務、体外循環業務、補助循環業務、心臓カテーテル業務などがあります。体外循環が必要な業務ではACTの測定が必須であり、治療内容や患者さんの状態によってはある一定の時間間隔でACTの測定を行います。なお、業務内容が異なれば目的とするACTの値も異なってきます。

ACTは、病態などによって変化しますが健常人の場合100秒前後となっています。

 

【測定原理】

患者さんから採取した血液を、活性化剤と磁石の入ったスピッツ管へ入れます。活性化剤には、カオリンやセオライトが使用されています。活性化剤により血液の内因系凝固因子が活性化され血液凝固が始まります。

このように、活性化剤と血液が接触することで内因系凝固因子が活性化されヒィブリン塊が形成されるまでの時間がACTなのです。

では、どのようにしてフィブリン塊の形成を検知しているのか、それは活性化剤とともにスピッツ管へ入っている磁石が関与しています。スピッツ管へ入っている磁石をACT測定器が検知します。時間が経つにつれて血液が固まっていくと同時に磁石が上部へと移動します。磁石が上部へ移動してセンサで検知できなくなるとフィブリン塊が形成されたと装置が判断します。

 

【測定の手順】

   手袋をして採血されたシリンジを受け取る。

   ACT測定器の電源が入っているのを確認し測定開始のスイッチを押す。

   採取された血液を専用のスピッツ管に入れる。

   スピッツ管を10回ほど振る。

   スピッツ管内の磁石がスピッツ管の底にあるのを確認する。

   スピッツ管をACT測定器にいれる。

   3回ほど時計回りに回して、反時計回りに半周回す。

   ACT測定器が磁石を検知したのを確認してACT測定が終了するのを待つ。

 

【測定の注意点】

   血液をスピッツ管へ入れ、活性化剤と接触した直後から内因系の血液凝固因子が活性化されるため、スピッツ管へ血液を入れる前にACT測定器での測定を開始しなければならない。

   スピッツ管内の血液がスピッツ管の底にあるかを確認してからACT測定器に入れる。

   血液を扱うため感染症などに注意する。

 

【さいごに】

ACTの測定は、日常の業務でよく行われています。測定原理を頭に入れておけば測定手順や方法を間違えることはほぼ無いと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。不明な点や間違っている点がありましたら教えてください。

【はじめに】

私の勤める病院では、病棟ラウンド時や病室内の機器点検時には基本的にマスク着用をしています。使用しているマスクは、一般的に使用している簡易マスクです。マスク着用の目的は、「分自身が感染しない」「患者さんに感染させない」と私は考えています。

しかし、簡易マスクでは防ぐことのできない感染症もあり、その場合に使用されるのがN95マスクです。

 

N95マスクとは】

N95マスクの名称を用いることが出来るのは、米国労働安全衛生研究所(NIOSHI)の承認を受けたものであります。N95マスクのNNot resistant to oilという意味であり、95は微粒子を95%以上カットすることができるということを表しています。N規格において使用される試験微粒子は、0.3µmの塩化ナトリウム(NaCl)であります。

上記の事をふまえN95マスクとは、0.3µmの微粒子を95%以上除去することができ、顔面にフィットさせることによりマスク周辺からのエアーリークを10%以内に抑える性能を有するマスクです。

ありえない話ですが、エアーリークが100%とするとマスク内の微粒子濃度がマスク外の微粒子濃度が同じとなります。

N95マスクの種類としては、カップ型、二面折りたたみ方、三面折りたたみ型があり、私の勤める病院で使用されているのはカップ型です。

 

【リークチェック】

N95マスクのリークテストとして定性的フィットテスト、定量的フィットテスト、ユーザーシールチェックがあります。定性的フィットテストと定量的フィットテストは、専用の機械が必要になるので、日常の業務で行うことはできません。しかし、ユーザーシールチェックは簡易的に行うことができるので、日常の業務でも行うことが出来ます。私の勤める病院では、ユーザーシールチェックを義務化しています。

ユーザーシールチェックとはN95マスクを着用した後に、両手でマスクを覆うようにして息を吸ったり吐いたりすることによりN95マスクからのリークを確認するものです。

N95マスク使用時にエアーリークが生じやすい部分としては、マスクと鼻の接触部周囲、顎とマスクの接触部周囲です。エアーリークが確認できたら、マスクとしっかりと顔の形状にあわせてから再度ユーザーシールチェックを行います。

いかにマスクの性能自体が良くても着用がしっかりと行われていない場合、感染を引き起こす要因となるので注意が必要です。

 

【使用のタイミング】

N95マスクは、空気感染を防ぐために使用されます。代表的な疾患としては、麻疹、風疹、結核、です。麻疹と風疹の場合は、抗体があれば、N95マスクは不要とする病院もありますが結核では、N95マスクが必須となります。

N95マスクが必須となる感染症を有する患者さんは、陰圧室と呼ばれる部屋に入ります。陰圧室とは、部屋内の空気や病原菌が部屋外に流出するのを防ぐ構造となっています。

N95マスクは、病室に入る前に着用しユーザーシールチェックを行ってから患者さんのいる病室に入ります。そして病室を出てからマスクを外します。

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