【はじめに】

補助循環や人工心肺の導入時に注意しなければならないのが急激な血圧低下です。このような現象をイニシャルドロップといい、体外循環導入初期にはもっとも注意しなければならない事象の1つです。

今回は、イニシャルドロップについて簡単にまとめていきたいと思います。

 

【原因】

   血液粘性の低下

体外循環を行うときの体外循環回路内には、プライミング液が満たされています。つまり体外循環導入初期には、脱血された血液に対して、返血はプライミング液となるわけです。

その結果、血液が希釈され血液の粘性が低下しそれに伴い、血圧も低下します。

 

   カテコールアミンの希釈

体外循環中の血液希釈により、血液中のカテコールアミンの濃度が低下します。そのため、末梢血管抵抗が低下して血圧低下をきたします。しかし、この血圧低下によるフィードバック制御によりカテコールアミンの分泌が誘発されます。

 

   IN/OUTバランスの不均衡

脱血量が送血量より多い場合に、血管内のボリュームが低下することで血圧低下をきたすことがあります。

 

   プロスタグランジンの分解能低下

プロスタグランジンは肺循環時に血管内皮細胞により摂取されることで、分解される。体外循環中は肺血流が低下または完全に消失するため、プロスタグランジンの分解能が低下します。

プロスタグランジンの作用として、血管拡張作用があります。血管が拡張することで、末梢血管抵抗が低下し、それに伴い血圧も低下します。

 

   ブラジキニン産生

脱血された血液が、人工肺などの異物と接触することにより、ブラジキニン産生が促進されます。ブラジキニンの作用として血管拡張作用があり、プロスタグランジンと同様に末梢血管抵抗を引き起こし、それに伴い血圧も低下します。

 

【さいごに】

私は臨床の現場でイニシャルドロップといわれるような現象に遭遇したことはありません。そのため、書籍やネットで調べた程度の情報しかありません。

今後、遭遇する機会があると思いますのでしっかりと知識を付けて対応できたらと思います。