【はじめに】

私たちが普段行っている血液浄化、人工呼吸療法、体外循環などはエビデンスに基づいて行われています(一部異なる場合もあります)。エビデンス(evidence)とは証拠や根拠という意味であるが、どのように証拠や根拠を得ているのか、ここで統計という手法が用いられます。

例えば、血液浄化においてPMMA膜がβ2-MGの吸着性があると言われているのもデータをとり、統計学的手法にて計算した結果、他の膜に比べβ2-MGの吸着性能が高いという結果が出ているためであります。

 

【統計とは】

統計とは「ある集団の数や特徴などを数量で表したもの」であります。例をあげると、日本国における出生率の推移や人口の推移などがあります。日本では、赤ちゃんが生まれると出生届を出し、人が死ぬと死亡届を出します。そのため、これらのデータは日本全体を表している数値になるため、単に数値の推移をみて去年に比べ増えた、減ったなどが分かります。

しかし、癌の治療薬である薬Aと薬Bの比較を行う場合、日本全国の癌患者に試して効能を比較することはできません。そのため、ある程度の数の癌患者に対して薬Aと薬Bを試し、薬の効能を比較します。ここで、薬Aを使用した患者が薬Bを使用した患者よりも寿命が長かったとします。その場合、単にその結果を見ただけでは薬Aが良いとは言えません。

 

【有意差とは】

上記で述べたように薬Aと薬Bの数値をただ比較するだけでは、薬Aが薬Bよりも良いとは言えません。しかし、数学的手法を用いることによって薬Aと薬Bのデータを比較解析することによって薬Aが薬Bよりも優れている、または同程度の効能と言えます。

Aが薬Bよりも良いものであれば二つの結果には当然ですが差が出てきます。数学的手法を用いて二つの薬の間に差があることが分かれば、統計学的有意差があるといいます。つまり有意差があるということは、実験や研究によって得られた二つのデータを数学的手法により解析した結果、二つのデータの間に差があることが証明されたということであります。