【はじめに】
以前、LM800の返却から貸出までの流れを書きました。しかし、重要な点検についてあまり詳しく記載していないため、今回はLM800の終業点検について書いていきたいと思います。
【点検方法】
①
履歴確認
「表示切替」ボタンと「確認」ボタンの長押しで履歴画面を表示させることができます。履歴の中に「落下衝撃アラート」がないか確認します。
②
専用の輸液セットを準備する。
LM800は、フィンガポンプを使用して輸液を行っているため、専用の輸液セットが必要となります。この時、水の入ったバックをLM800よりも50cm程度高くしてセッティングします。
③
外観点検
画面の破損、薬剤や血液の付着などを目視にて確認します。
④
LM800のドアを開いたまま電源を投入する。
フィンガの動き及びセルフチェックの通過を確認する。電源を投入してからセルフチェックに通過する間、画面が3回点滅し、インジケータは緑色と赤色で交互に点滅します。
⑤
ドアを閉めて「開始」ボタンを押す。
輸液セットやAFFクリップをセットせずに、ドアを閉めて開始を押す。この時、画面上に「AFFクリップをセットし直してください」という表示を確認する。
⑥
AFFクリップ及び専用輸液セットをセッティングして「開始」ボタンを押す。
「流量未設定」アラームが出るのを確認する。
⑦
ダイアルを回して流量設定をする。
ダイアルの動きはスムーズかどうかの確認を行う。
0.1mL/hr~100.00mL/hr間では、ダイアルを回すと小数点第1位が変化すること、100mL/hr~1200.00mL/hr(上限値)間では、1の位が変化する。また、停止を押しながらダイアルを回すと変更量を1000倍にすることができます。
⑧
「流量≧予定量」アラームの確認
流量を予定量よりも多くして「開始」ボタンを押す。
⑨
「ドアオープン」アラームの確認
適当な設定で送液を開始する。送液中にドアを開けると、「ドアオープン」アラームが生じ、送液が中断される。
⑩
「KOR」機能の確認
「KOR」機能とは、設定した予定量の輸液を終了した後も、
⑪
「早送り」機能の確認
早送りボタンを押している間のみ、500mL/hrで送液が行われます。
⑫
積算量のクリア
積算量がクリアできるかの確認をします。
⑬
「下流閉塞」アラームの確認
輸液ポンプよりも下流のチューブ(輸液ポンプよりも患者さんに近いチューブ)を屈曲させ、「下流閉塞」アラームが生じるかの確認を行います。この時、画面及びインジケータが赤色点滅すること、ポンプが停止することもあわせて確認します。
⑭
「気泡混入」アラームの確認
ルート内に気泡を混入させ、「気泡混入」アラームが生じることを確認します。
⑮
再アラームの確認
アラームが生じたときに消音ボタンを押すと、一時的にアラーム音が消えます。しかし、2分間そのままの状態にしていると再アラームが鳴ります。
⑯
設定確認
「表示切替」ボタンの長押しで設定画面を表示させることができます。
【さいごに】
機器点検は施設によってさまざまとなっています。施設によっては、電源を投入してセルフチェックに通過すれば、貸出可能とするところもあります。つまり、今回紹介した点検方法が必ずしも正しいということではありません。