【はじめに】

HeartMateは植込型補助人工心臓の1つであり、現在使用されている植込型補助人工心臓の主流となっています。

補助人工心臓の運用ついては限られた施設でしか行われておらず、臨床の現場でも関わる機会も少ないですが、知識として知っておくことには意義があると思います。

今回は、埋込型補助人工心臓の中でもHeartMateについて、私が調べたことを簡単にまとめていきたいと思います。

 

HeartMateとは】

脱血管、送血管、血液ポンプ、経皮ドライブライン、システムコントローラ、電源ケーブル、パワーモジュール、ディスプレイモジュールにて構成されています。植込型補助人工心臓と言っても、脱血管、送血管、血液ポンプだけが体内にあり、経皮ドライブラインを介してその他の部品と接続されております。

血液ポンプは軸流ポンプが使用されており、ローターが高速回転することにより生じる揚力により血液を循環させています。脱血部位は心尖部から行い、上行大動脈へ送血を行っております。血液ポンプ自体は、腹膜と腹直筋の間に留置されます。

血液ポンプへの電源供給は、体外にあるパワーモジュールより行います。また、バッテリーを用いる事も可能であり、バッテリーはリチウムイオンを使用しています。

 

【血液ポンプの流量特性】

補助人工心臓を用いている場合、最も注意しなければならないのはポンプ流量が適切であるかどうかです。ポンプ流量は、前負荷、後負荷、残存心機能により左右されます。特に、後負荷が高くなるとポンプ流量が低下してしまうため、後負荷の要因となるパラメータに関しては、適切なコントロールが必要になります。

後負荷の要因としては、血圧が挙げられます。同じ回転数では、血圧が高くなるにつれてポンプ流量が低下してしまいます。

 

【抗凝固療法】

患者さんは経口でのワーファリン投与が必用となります。そのため、消化管出血などには注意が必要となります。

 

【感染】

手術痕の感染はもちろんですが、HeartMateⅡの場合、体内の血液ポンプと体外のシステムコントローラを経皮ドライブラインにてつながっているため、経皮ドライブラインが体外へと露出する部分の感染が起きやすくなっています。そのため、定期的な消毒、ガーゼの交換やシャワー浴などにより傷口を清潔に保つ必要があります。

 

【患者教育】

HeartMateⅡを使用する場合は、自宅での療養が可能となります。そのため、パワーモジュールからバッテリーの切り替えなどを患者自身で行わなければなりません。また、患者自身だけでなく家族の協力も必要となるため家族同席での教育が必要となります。