【はじめに】
カテーテル検査は大きく右心カテーテル検査、左心カテーテル検査、両心カテーテル検査の3つに分けることができます。
右心カテーテル検査は、右心系の圧測定や心拍出量の測定また酸素飽和度の測定などを行うことができます。そのため、弁膜症や心筋症の診断を行うために行われます。
今回は、右心カテーテル検査について簡単にまとめていきたいと思います。
【穿刺部位】
右心カテーテルを行うためには、まず静脈穿刺を行わなければなりません。下記に主な穿刺部位を示します。
① 内頸静脈
② 鎖骨下静脈
③ 尺側皮静脈
④ 大腿静脈
私の勤める病院では、主に内頸静脈に穿刺を行って検査を行います。また、穿刺はエコー下にて行われることが多く、エコーの準備やセッティングも臨床工学技士が行っております。
【検査の流れ】
① 右房圧(right
arterial pressure : RAP)の測定
② 右室圧(right
ventricular pressure : RVP)の測定
③ 右心室拡張末期圧(right
ventricular end diastolic pressure : RVEDP)の測定
④ 肺動脈圧(pulmonary
arterial pressure : PAP)の測定
⑤ 肺動脈楔入圧(pulmonary
capillary wedge pressure : PCWP)の測定
⑥ 心拍出量(cardiac
output : CO)の測定
⑦ 肺動脈から右心室までの引き抜き圧測定
圧波形の測定時には、患者さんに息止めをしてもらうことでより正確な測定を行うことができます。
【診断可能な病期】
右心カテーテル検査により、診断可能な病期を下記に示します。
① 三尖弁狭窄症
② 三尖弁閉鎖不全症
③ 肺高血圧症
④ 右心不全
⑤ 僧帽弁狭窄症
⑥ 僧帽弁閉鎖不全症
など・・・
【臨床工学技士の業務】
私の勤める病院では、右心カテーテル検査時における臨床工学技士の役割として、各波形の記録などのポリグラフ操作、心電図や動脈血酸素飽和度などの監視を主に行っています。
また、術中に生じる機器の不具合などにも臨床工学技士が対応しなければなりません。