【はじめに】

圧測定と聞くと工業分野のイメージがありますが、医療の分野でも圧測定は頻繁に行われています。医療における圧測定は、動脈圧、中心静脈圧、肺動脈圧など様々な種類があります。また、測定方法も観血的や非観血的など分かれています。

今回は、圧測定について臨床工学技士の目線で書いていきたいと思います。

 

【圧力とは】

はじめに、圧力について考えていきたいと思います。圧力は「単位面積あたりにかかる力」であり、1m2の面積に加わる力が1Nの時の圧力が1Paとなります。少しややこしいですが、1m2の面積に加わる力の大きさということです。

上記のことをふまえて、生体における圧力について考えていきます。一番シンプルに考えるために、動脈圧(血圧)を例にあげて説明していきます。血圧を上記で述べたように言い換えると、血管壁に加わる力の大きさとなります。つまり、私たちが普段測定する血圧は、血液によって血管壁がおされる際にどのくらいの力が加わっているかを示す数値となります。

では、血圧はどのように規定されるのでしょうか。血圧を規定する因子は、血流量と末梢血管抵抗の2つだけであります。血圧の調整にかかわるホルモンなどは、全てこの2つの因子を変化させており、その結果として血圧が調整されているのです。血圧、血流量、末梢血管抵抗の関係を式にして示すと、

血圧=血流量×末梢血管抵抗

となります。

上記の式からもわかるように血流量と末梢血管抵抗が上昇すると血圧は上昇し、逆にこの2つの因子が低下すると血圧も低下します。

 

【圧測定の注意点】

血圧測定の方法としては、観血的な方法と非観血的な方法があります。ここでは、観血的な血圧測定における注意点を述べていきたいと思います。

観血的血圧測定に使用されるセンサとして一般的なものとして、トランスデューサ(一般的にはAラインと呼ばれています)があります。トランスデューサの測定原理を理解するためには、電気回路のブリッジ回路についての説明が必要になりますが、ここでは割愛します。

トランスデューサの付いたルートを患者さんへ接続することで血圧がモニタリングできますが、単純にルートを接続しただけでは正常な血圧測定はできません。血圧測定で一番重要な点は、高さです。一般的には、右心房と同じ高さと言われていますがもう少し正確にいうと、トランスデューサと右心房が同じ高さです。血圧測定のルートを見て、どこにトランスデューサ(センサ)があるか把握していない場合は、正確な圧測定が行えていないということになります。

高さの他に重要な点として、トランスデューサから患者さんの血管までのルートです。血液がルート内の生理食塩水をおし、それをトランスデューサで検知しているため、ルート内に異常があれば、正確な圧測定が行われているとは言えません。ルートが屈曲したり、気泡や血液が混入していると、ルート内での圧力伝搬に支障をきたし、トランスデューサまで届く圧力が変化してしまいます。

 

【さいごに】

集中治療では、血圧のみならず様々な圧力をモニタリングしている患者さんが多いと思います。圧力についての考え方と測定方法を理解することでより正確な圧測定ができると思います。