【はじめに】

エンドトキシン吸着は、エンドトキシンの構成成分であるリピドAに対して吸着性能を有するポリミキシンBを吸着材として使用したカラムにて行います。私の勤める病院では、エンドトキシン吸着用のカラムを商品名でありますPMX(ピーエムエックス)と呼んでおり、医師から「PMXやるよ!」という風に言われたりもします。

私の勤める病院ではCHDFとエンドトキシン吸着を併用した治療が良く行われています。

本日は、エンドトキシン吸着について簡単にまとめていきたいと思います。

 

【エンドトキシンとは】

エンドトキシンとは、グラム陰性菌の菌体外膜に含まれるものであります。そのため、グラム陰性菌が生きているうちはエンドトキシンが放出されることはありません。しかし、グラム陰性菌が死滅して溶菌や機械的破損が生じた場合は、菌体外膜から放出されます。

エンドトキシンが人体へ流入することにより、TNF-αなどのサイトカインやプロスタグランジンなどの炎症性物質の分泌が促進され、エンドトキシンショック、発熱、血液凝固系の異常などを引き起こします。重症化すると多臓器不全を引き起こす場合もあります。

エンドトキシンショックを引き起こす病態としては、敗血症が挙げられます。敗血症の概念としては、全身炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)の中で感染症によるもののことであります。

敗血症性ショックは致死率が30%以上にもなる危険な状態といえます。

 

PMXについて】

エンドトキシン吸着は上記でも述べたように、ポリミキシンBを吸着材としたPMXというカラムを用いて治療を行います。ポリミキシンB自体は、毒性を有するため血中への流入は防がなければなりません。そのため、ポリスチレン線維と共有結合させ、ポリミキシンBを固定化させています。固定化させたポリミキシンBを安定させるため、pH2程度の酸性充填液が用いられています。そのため、4L以上の生理食塩液にてプライミングを行い洗い流す必要があります。プライミングが不十分であると、血圧低下や溶血の要因となるため、プライミングは非常に重要であります。

PMX内での血液の流れとしては、ラジアルフロー方式が採用されており、表面積を大きくしかつ圧損失を低く保てるようになっています。

【さいごに】

エンドトキシン吸着は主にグラム陰性菌感染による敗血症に使用されます。しかし、エンドトキシンを含まないグラム陽性菌による病態に対してもPMXの治療効果が報告されています。この要因としては様々な意見があるため、興味のある方は文献を参照してください。