【はじめに】

吸着療法は大きく血液吸着療法と血漿吸着療法の2つに分けることができます。

吸着療法は単純血漿交換療法や二重濾過膜血漿分離交換に比べ、選択的に病因物質を除去することができます。しかし、適応疾患が限られているため病因物質が特定されてから治療が行われます。

本日は、血液吸着療法と薬物吸着について簡単にまとめていきたいと思います。

 

【血液吸着療法】

全血を吸着材に灌流させ、病因物質を除去する治療法を血液吸着療法(hemo adsorption:HA)または直接血液灌流療法(direct hemo perfusion:DHP)といいます。HADHPどちらの用語を使ってもいいのですが、ここでは血液吸着療法(HA)と呼んでいきたいと思います。

血液吸着療法は、薬物吸着、エンドトキシン吸着、β2-ミクログロブリン吸着などの種類があり、それぞれ異なった吸着材を使用します。血液吸着療法のメリットとしては、単純血漿交換療法や二重濾過膜血漿分離交換療法に比べ選択的な病因物質の除去が行えるという点と血球成分と血漿成分に分離する必要がないため、プライミングボリュームが少ないといった点が挙げられます。

 

【薬物吸着】

薬物吸着は急性期の中毒患者に対して、一般的な対応(解毒・救命処置)を行っても症状が改善せず、むしろ悪化していくような症例に対して行われます。日本中毒学会より血液薬物中毒に対する血液浄化療法の適応基準が示されているので、詳しく知りたい方は参照してください。

現在の薬物吸着で最も多く使用されている吸着材は、活性炭であります。活性炭による薬物の吸着除去は活性炭の細孔に引き寄せられ、吸着されます。つまり、活性炭の細孔の数だけ薬物の吸着除去ができることになります。

細孔に物質が引き寄せられ吸着されるのは、炭素原子と吸着される物質との間に働くファンデルワールス力(分子間引力)によるものであります。そのため、対象物質を吸着することもあるため、非選択的な吸着となります。

抗凝固薬は血液透析と同じように、ヘパリンが主に使用されます。活性炭に血小板付着が生じるため、血栓形成が生じやすいことから、ACTの管理は重要になります。また、メシル酸ナファモスタットは活性炭にてほとんどが吸着されるため、吸着材を通過した後に追加投与が必用となります。

活性炭吸着用のカラムとしては、DHP-1、ヘモソーバCH-350などがあります。適応疾患としては、急性薬物中毒および肝性昏睡であります。

 

【さいごに】

今回は、血液吸着療法の分類と血液吸着療法の1つである薬物吸着について書いていきました。次回からは、エンドトキシン吸着やβ2-ミクログロブリン吸着について書いていきたいと思います。