【はじめに】

局所組織酸素飽和度(rSO2)の測定は、人工心肺などを用いた体外循環による手術を行う場合や、ECMOを行っている場合などに測定されます。

rSO2の一般的な測定部位は前頭葉の組織酸素飽和度であり、測定用のセンサを前額部(おでこ)に貼ることで測定ができます。その他にも四肢の循環不全が疑われる場合などでもrSO2の測定は行われます。

rSO2の測定が行える機器としては、エドワーズライフサイエンス株式会社製のINVOS、浜松ホトニクス株式会社製のNIROなどがあります。私の勤める病院では、前者であるINVOSを使用しています。

 

rSO2の測定原理】

生命活動に必要な酸素はヘモグロビンによって運搬されています。ヘモグロビンは血液中に存在し、肺から酸素を受け取り全身の組織へ酸素を受け渡します。そのため、血液中には酸素と結合したヘモグロビン(酸化ヘモグロビン)と酸素と結合していないヘモグロビン(還元ヘモグロビン)が存在します。

酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンでは、吸収しやすい光の種類が異なるため、rSO2の測定では波長の異なる2種類の光を照射して吸収の度合いを測定することで酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの割合が分かります。そして、以下の式にてrSO2を算出します。

 

rSO2=酸化ヘモグロビン/(酸化ヘモグロビン+還元ヘモグロビン)

 

※実際に照射する光の種類は近赤外線であります。近赤外線を用いて上記のような測定を行うため、近赤外線分光法(NIRS)と呼ばれます。

 

rSO2の評価】

rSO2は、測定対象者や測定部位によって数値が異なっています。私は、rSO2について一般的に測定されるSpO2のような絶対的な評価としての利用は難しいと考えます。しかし、モニタリングを行っていく中で局所組織の酸素化の改善や悪化について評価していくには適していると考えます。つまり、rSO270%と表示された場合に70%だから局所組織の酸素化が良いとか悪いという判断ではなく、一時間前は60%だったのが今は70%なので酸素化が改善されたという判断です。

 

さいごに

rSO2を前額部(おでこ)で測定する場合には前額部の左側と右側両方の測定を行います。一番多いミスで、センサを逆向きに貼ってしまい機器に表示されるrSO2が左右逆向きに表示されていることがあります。センサを貼り付ける時は、左右が反転してないか確かめる必要があります。

前額部に皮脂や汚れがある場合は、正確な測定ができないためセンサを貼り付ける前にアルコール綿などで皮脂や汚れをしっかりと拭き取る必要があります。