【はじめに】

前回のブログでは、血液濾過透析(HDF)の種類やそれぞれの特徴について書いていきました。本日は、HDFの希釈方法(補液方法)について書いていきます。

HDFにおける補液方法は、AチャンバもしくはVチャンバのどちらかとなります。ここで重要となるのは、Aチャンバはポンプ及びヘモダイアフィルタの前方にあり、Vチャンバは後方にあるということです。そのため、Aチャンバにて補液を行うことを前希釈、Vチャンバにて補液を行うのを後希釈といいます。

余談ですが、補液を行うことで血液が薄まることから希釈という言葉が使われています。

 

【前希釈】

上記でも説明したようにAチャンバにて補液を行うことを前希釈といいます。Aチャンバにて補液を行うことで血液ポンプ及びヘモダイアフィルタには補液をした分、希釈された血液が流れることになります。そのため、ヘモダイアフィルタにて大量の濾過を行うことが出来ます。このことから、β2ミクログロブリンなどの低分子蛋白の除去に優れています。しかし血液が希釈されているため、拡散による物質除去能は落ちるため低分子物質(尿毒素)の除去能は後希釈に比べ低下します。その他にも前希釈は、後希釈に比べ血球成分に与えるストレスも少ないといわれています。

置換液量は1回の治療で30~60Lであり、置換液量を上げていくことで、患者さんの容態が良くなったという報告もあります。

日本におけるHDF(オンラインHDF)は前希釈が主流となっています。

 

【後希釈】

上記でも説明したようにVチャンバにて補液を行うことを後希釈といいます。Vチャンバにて補液を行うため、血液ポンプやヘモダイアフィルタには希釈前の血液が流れます。そのため、拡散による小分子物質(尿毒素)の除去能は前希釈よりも高くなります。しかし希釈前の血液であるため、前希釈のような大量の濾過ができないため、低分子蛋白の除去能は低下します。さらに、前希釈に比べ血球成分に与えるストレスも大きくなると言われています。

後希釈での置換液量は1回の治療で10~20Lであり、時間あたりの濾過流量は血流量の1/3程度となります。

ヨーロッパなどでは、後希釈が主流であります。外国人は体格が大きいため、高血流量での治療が行えるためだと考えられます。

 

【さいごに】

HDF療法(特にオンラインHDF)による患者さんの予後が改善されたなどといった報告は多くされています。2015年のデータですが慢性透析治療患者の内、HDF療法を行っている患者さんは全体の17%とされています。約10人に2人はHDF療法を行っていることになります。

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