【持続注入方式】

吸気側回路に流れる定常流に対してNOを加えて、患者さんへ供給する方法であります。そのため、NOを加えるために流量計が必要となります。

供給されたNOがガス配管より供給される酸素や空気と混合されるため、呼吸器のブレンダと患者口元ではFiO2の値が異なってきます。そのため、患者口元より供給ガスをサンプルし、マルチガスモニタにてFiO2NO濃度を測定する必要があります。

私の勤める施設で使用されているアイノフローシステムでは、患者口元よりサンプルされたガスのNO濃度を測定し、その情報をフィードバックすることで、供給部のNO流量を調節するシステムとなっています。

持続注入方式のメリットとしては、NOと酸素の接触時間が短いということであります。NOと酸素が接触することで副産物であるNO2が産生されます。NO2により気道や肺の損傷が生じる可能性があるため、NO2濃度の経時的なモニタリングも必要になります。

持続注入方式は定常流方式の人工呼吸器での使用になるため、新生児に使用されております。

 

【プレミキシング方式】

プレミキシング方式は、ガスブレンダにてNOを空気や窒素と混合し、人工呼吸器本体へ供給する方式です。プレミキシング方式については、私の勤める病院では使用していないため、システムの構成についてはよくわかりません。基本的な知識としては、定常流方式の呼吸器ではなくても使用できるため、成人に対しての使用が多くなります。

プレミキシングの場合、酸素とNOの接触時間が長くなるため、副産物であるNO2の産生に注意が必要となります。

酸素とNOを人工呼吸器内で混合するため、FiO2を変更すると患者さんへ供給されるNO濃度も変化してしまいます。

 

【モニタリング】

NO療法を行う場合、NO濃度のモニタリングが必要となります。そのため、マルチガスモニタによる実測を行わなければなりません。他にも、副作用としてメトヘモグロビン血症が生じる可能性があるため、メトヘモグロビンをモニタリングする必要があります。

【臨床工学技士の対応】

NO療法は特殊な治療法の1つであるため、使用するデバイスを病棟のスタッフだけで管理するのは難しいと私は考えます。そのため、1日に数回は臨床工学技士が病棟にて動作のチェックやモニタリングの確認をする必要があります。

人工呼吸器とNOの供給デバイス、モニタリング機器のどれか一つでも不具合があると、治療が上手く行われません。そのため自身でNO濃度を算出し、正常な供給、モニタリングが出来ているのか確認することも良いと思います。

NOで使用されるボンベの圧力表示には慣れ親しんだPaではなくpsiが使用されているものもあります。そのため、使用時間の計算なども厄介になります。