【はじめに】
保育器は主に新生児集中治療室(NICU)で使用されており、NICUにおいて重要な機器の1つであります。
私の勤める病院では、保育器の清拭、点検のすべてを臨床工学技士が行っており、他の機器に比べ時間をかけ点検をしています。
【目的】
① 保温
最低限のエネルギーで体温維持が行えるように、常に至適な温度を保たなければならない。
② 保湿
蒸散や不感蒸泄などにより体温が奪われるため、保育器内では常に一定の湿度を保ちます。
③ 感染防止
免疫力の低下した新生児が通常の外気にさらされると、空気中の細菌などによる感染症が生じる可能性があります。そのため保育器では、フィルターにより空気中の細菌やゴミをカットします。
④ 酸素供給
未熟児の場合だと呼吸器系が未発達なことがあるため、空気中の酸素濃度(21%)よりも高い酸素濃度に設定します。
【保育器の種類】
① 閉鎖型保育器
加温した空気を保育器内で循環させます。閉鎖空間であるため、温度・湿度、酸素濃度のコントロールが容易であります。
② 開放型保育器
機器本体上部に取り付けられたヒーターにより加温するシステムです。速やかな加温が可能であることや常に開放状態であるため、外科的な処置が容易に行えます。
③ 搬送型保育器
病棟移動など、児の移動時に使用され、移動中はバッテリー駆動になる。
【参考文献】
一般社団法人 日本医療機器産業連合会 HP