【はじめに】
冠血流予備量比(以下FFRとする)は、冠動脈内に圧力センサーのついたガイドワイヤーを挿入し、狭窄部位前後の圧測定を行い、冠動脈狭窄による重症度を評価するものである。
圧センサー付きガイドワイヤーは一般的にプレッシャーワイヤー(pressure wire)と呼ばれており、大動脈圧(Pa)と狭窄病変遠位部の冠内圧(Pb)を同時測定することができ、FFRは下記の式により算出される。

FFR測定の際には、最大冠血流にする必要がある。そのためには、冠動脈の拡張を最大にしなければならない。一般的に使用されているのはATPであり、FFR測定の際にはATPを投与し最大冠血流を模擬しなければならない。
【評価】
一般的な評価を下記に示します。それぞれの病院で評価基準は異なってきますが大きな差はないと思います。

【最後に】
FFR測定後のプレッシャーワイヤーを病変部位から引き抜いた際、FFRが1.0にならない場合は、再測定が必要になります。要因としては、温度ドリフトや病変部位にセンサーが接触したことなどが考えられます。
病変部位にプレッシャーワイヤーを挿入する前と後に必ずFFRが1.0になることを確認する必要があります。