【はじめに】

アルガトロバンは合成抗トロンビン薬であり、半減期が3040分の抗凝固薬です。血液浄化療法や人工心肺・補助循環では、ヘパリンに比べ使用される場面が少ない薬剤ですが、非常に重要な薬剤の1つです。

 

【特徴】

アルガトロバンを使用するのは以下の場合があげられます。

    先天性ATⅢ欠損症

    急性のATⅢ減少

    ヘパリン起因性血小板減少症

ヘパリンは、ATⅢと結合することでATⅢの効果を増加させる作用を持ちますが、アルガトロバンは単体でATⅢと同じ効果を持ちます。簡単に言うとヘパリンは、単体で抗凝固作用は持っていないが、アルガトロバンは単体で抗凝固作用を持っている薬剤になります。そのため、上記で述べたような症例に対しても使用できるということです。

多くの場合、抗凝固薬の第一選択としてはヘパリンが選ばれますが、原理的にヘパリンの効果が得られない場合、ヘパリンに対してアレルギー反応を示す場合は、アルガトロバンの使用が考えられます。

 

【注意点】

急性期の脳血栓症患者では、出血性脳梗塞のリスクがあることや、ヘパリンに比べ体外循環回路内での残血が多いという報告もある。

出血性病変を持つ患者さんに対しては、使用禁忌となっている。

 

【参考文献】

海老根 東雄 手にとるようにわかる 若手CEと学生のための臨床工学ハンドブック() 株式会社 ベクトル・コア 2009331日 P152153