【はじめに】

血液透析において、溶質除去と並び重要である除水について書いていきます。透析患者は腎機能の低下により尿を生成することができません。尿を生成できなくなると、血中に不要な物質(尿毒素)がたまります。さらに、余分な水分を体外に出すことが出来なくなるため、体内の水分量が多くなります。そのため、心臓に負担がかかり心不全につながります。

 

【除水の原理】

透析液の供給は密閉系となっています。密閉系とは、外部からの流入が無いまたは流入が無いということです。

ダイアライザーの流れ

つまり、図に示すように500mL/minで供給した透析液は500mL/minで返ってくるということであります。

ここで、500mL/minでしか供給していない透析液が510mL/minで返ってくるとします。すると、


ダイアライザーの流れ(除水あり)

このように、足りない10mL/minを血液側から引き込みます。血液透析における除水は、このようなイメージです。透析液出口側より陰圧をくわえることで、血液側より水分を引き込み除水を行っております。

 

【注意点】

急激な除水を行うと、体内の水分が急に抜かれるため(ボリュームの低下)、患者さんの体がその変化についていけず、急激な血圧低下を引き起こします。そのため、除水を行う時は患者さんのリフィリンググレードを考慮して行う必要があります。

特に糖尿病の方は、血管の伸縮性が低下していることが多いため、血圧の変動が大きい場合があります。