【はじめに】
 IABPは、intra-aortic balloon pumpingの略であり、心機能が著しく低下して自己の心臓だけでは、循環動態を維持できない場合に使用される補助循環装置の一つである。

【バルーン留置部位】
 IABPは下行大動脈内にバルーンを留置する。詳しく説明すると、透視下において左鎖骨下動脈の2cm下行で、腎動脈などを塞がない位置とされている。私の所属している病院では、IABPのバルーンを挿入するときは、必ずX線透視下で行われることになっています。臨床工学技士独自のチェック表でも「X線透視下でのバルーン挿入を確認」という項目があります。

【効果】
ダイアストリック・オーグメンテーション
 心室の拡張期にバルーンを膨らますことで、拡張期圧が高まる。さらに、下行大動脈へ流れようとした血液が、バルーンが拡張することによって冠動脈へ流入しやすくなる。まとめると、バルーン拡張によって冠動脈血流量の上昇、拡張期圧の上昇がもたらされる。

シストリック・アンローディング
 心室の収縮期にバルーンを収縮させることで、今までバルーンが拡張していた分の容積が無くなり、下行大動脈に血液が流れやすくなる。この時、通常よりも低い圧力で血液を送り出すことが出来ることから、後負荷が軽減し、結果的に心仕事量が低下することで心筋の酸素消費量も低下する。まとめると、バルーンの収縮により後負荷の軽減、心仕事量の軽減、心筋の酸素消費量減少がもたらされる。