今回は、学生の時に勉強した「加算平均」について、書こうと思います。国家試験とかでは、簡単な公式に代入して答えが出るので、意味を深く考えなかった人も多いと思います。わかりやすくする為に、多少、真実とは異なる部分があります。
まず、加算平均法とは、「生体計測分野でSN比の改善のために、不規則雑音を相対的に減らすことができる処理法」で、主に大脳誘発電位などの計測で使用されます。
※「不規則雑音」とは、不規則な(ランダム)雑音のことです。
※「相対的に減らす」とは、雑音を小さくできるが、無くすことはできないということです。
※SN比とは、S(Signal)が信号成分とN(Noise)が雑音で、その比率のことです。
加算平均法とは、周期的なデータをn回(複数回)足し合わせ、平均を取るやり方です。信号成分は周期的にあるので、足し合わせると、その分増えるので、平均をとっても変わりません。雑音成分はランダムに表れるので、足し合わせたとしても増えることが基本無いのではないので、平均すると減少します。
例を挙げます!
5つ(A・B・C・D・E)のノイズがのった心電図を加算平均すると、、、
図のようにノイズは、無くなりはしないが減少してことが分かります。
加算平均をn回すると、ノイズが減少しSN比が√n倍になります。
今回の加算平均は、n=5なので、√5倍=2.236倍SN比が改善してします。
国家試験では、加算平均回数は整数の平方根なので、簡単だと思います。
そもそも、なんでn倍ではなく√n倍なのかと考えてみると、標準偏差(振幅比)で定義しているためだと思います。