はじめに


血圧測定は、病院にいると見ない日はないくらい基本的なバイタル確認です。臨床工学技士国家試験でも測定条件の変化にたいして血圧値がどのように変化するのかを問うような問題がよく出ています。

しかし、学生でありがちなのはそれらを丸暗記してなぜ、そのような変化をするのか説明できないということです。

今回は、教科書に出てくるような変動要因を模擬して血圧測定を行いましてそれらに対する簡単な考察をしていきたいと思います。

 

測定条件

測定部位は右上腕で行い、室温は27度で行いました。血圧の測定は水銀血圧計にて行い、測定条件は下記の通りです。安静時の測定値は、最高血圧が108mmHg、最低血圧が54mmHgです。

水銀柱が右斜めに傾いている

水銀柱が左斜めに傾いている

脱気速度を速めに行う

右房よりも測定部位の位置を高くする

右房よりも測定部位の位置を低くする

マンシェットをきつく巻く

マンシェットを緩く巻く

 

測定結果

水銀柱が右斜めに傾いている

最高血圧 114mmHg 最低血圧 68mmHg

水銀柱が左斜めに傾いている

最高血圧 82mmHg 最低血圧 48mmHg

脱気速度を速めに行う

最高血圧 90mmHg 最低血圧 62mmHg

右房よりも測定部位の位置を高くする

最高血圧 94mmHg 最低血圧 42mmHg

右房よりも測定部位の位置を低くする

最高血圧 120mmHg 最低血圧 70mmHg

マンシェットをきつく巻く

最高血圧 98mmHg 最低血圧 50mmHg

マンシェットを緩く巻く

最高血圧 118mmHg 最低血圧 64mmHg


考察

水銀柱が右斜めに傾いている

使用した水銀血圧計の水銀溜りが右側にあるため、水銀柱を右側に傾けることにより血圧が低下したと考えられます。

水銀柱が左斜めに傾いている

上記でも述べたように、水銀柱の水銀溜りが右側にあるため、水銀柱を左側に傾けると、その分水銀溜りから水銀が流出して血圧が高く表示されます。

脱気速度を速めに行う

脱気速度を速めるということは、マンシェット内の減圧速度も速くなります。減圧速度が速くなれば、心拍間の圧格差が大きくなるため、血圧が低く測定されます。

右房よりも測定部位の位置を高くする

血圧は、心臓から拍出された血圧が血管壁を押すことで生じます。そのため、測定部位が心臓よりも高い位置にあると、拍出された血液が重力の影響を受け血管壁をおす圧も低下してしまいます。そのため血圧は低く計測されてしまいます。つまり、血圧の基準となる右房よりも測定部位が高くなればなるほど、血圧は低く計測されます。

右房よりも測定部位の位置を低くする

心臓よりも測定部位が低い場合、重力の影響を受けて血液が血管壁をおす力が強くなります。その結果測定値が高めに表示されてしまします。

マンシェットをきつく巻く

マンシェットのカフが初めからきつく巻かれることで、加圧をしていない状況でも血管には一定の圧が加わっていることになります。その結果、少ない加圧で血圧測定ができるようになり、測定値が低くなります。

マンシェットを緩く巻く

マンシェットが緩いと、より加圧が必要になります。そのため、測定値が高くなってしまいます。