圧力トランスデューサとは、観血的血圧測定に使われるものです。観血的とは、血を観ると書くので、侵襲的(痛みがある)な方法で血圧を測定する方法です。逆に非侵襲的血圧測定は、マンシェットで測る測定方法の事です。観血的血圧測定のメリットとして、継続的に精度の高い血圧測定ができることです。
圧力トランスデューサとは、「圧力を測定するもの」という認識は一般的であり間違ってはいませんが、少しずれているとわたしは考えます。トランスデューサとは、変換器という意味なので、「圧力変換器」が明確な回答であります。では、圧力トランスデューサは何を何に変換しているのでしょうか。その答えはずばり、「圧力を電圧に変換する」です。
変換の意味のとらえ方は人それぞれですが、今回の場合のように、圧力とは普通は目に見えないが存在する力を、電圧という形で目に見える波形的や数値に、物理単位自体が変換されます。
今回はその圧力トランスデューサの仕組みを書きたいと思います。
圧力トランスデューサはストレインゲージでブリッチ回路を作っている仕組みになっています。
ストレインゲージとは、圧力を受けると抵抗値が変わる素子であります。
それをブリッチ回路という電気回路に組み込むと、
圧力(mmHg)と電圧(V)が同等の変化をするので、血圧が持続的にモニタリングすることができます。
ストレインゲージとかブリッチ回とか、臨床工学技士の国家試験で必要な知識として知っている人は多いと思います。しかし、それらの組み合わせで医療技術は出来ており、知識と知識をつなぎ合わせていくことで、実際の現場でも見るものの情報量が増えてくると思います。
工学的な観点から治療に関わることができるのは、臨床工学技士の大きな武器であるため、私自身、今回のような学生時代に学んだ知識を今でも大事にしています。