心臓は右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋から構成されており、各部屋は、弁と中隔により隔てられています。心室中隔欠損症は、右心房と左心房を隔てている中隔に孔が開いている状態を指し、日本で最も多くみられる先天性心疾患となっています。
心室中隔欠損症は、欠損孔の位置によって下記のように分類することができます。

欠損孔の位置や欠損孔の大きさにより、シャント量や合併症が変化してきます。特に、アイゼンメンジャー化してしまうと予後が悪くなります。
①
右心房→右心室でのO2
step upが5%以上の増加
②
左心室造影にて左→右シャントの確認
③
肺動脈圧の確認
アイゼンメンジャー症候群とは、基礎疾患としてASDやVSDのような左→右シャントを有する心疾患があります。病態がアイゼンメンジャー化してしまうと原疾患に対する手術は禁忌となります。
アイゼンメンジャー症候群に至るまでの一連の流れについて下記に示します。
①
ASDやVSDなどで左→右シャントを有する。
②
左心系から右心系へと血液が流れ込み、肺血流が増加する。
③
肺動脈へ流れる血流量が多くなるため、肺動脈の内膜に対するストレスが大きくなる。
④
肺動脈の内膜が線維化し肥厚することで肺血管抵抗が増加する。
⑤
肺血管抵抗が増加することで、肺高血圧症や肺血流低下が生じる。
⑥
右心系の圧が左心系を上回る。
⑦ 左→右シャントから右→左シャントとなる。