はじめに


呼吸器を設定・使用するうえで、コメディカル自身も疾患系も覚えないといけないと、臨床現場に出て痛感します。その理由として、お医者さんは万能では無く、熟練度も差があり、業務が多忙であるため、大まかな設定をコメディカルに頼ることもあります。

その時に、どんなに人工呼吸器の構造原理や動作を理解してても、期待に応えることが出来ないです。

 

簡易モデルと定義


まず、換気障害の簡易モデルは、肺全体を「気道」と「肺胞」の大きく2つに分けて考えます。

ちなみに下の図が正常だとすると、

気道・肺胞の簡易モデル


閉塞性換気障害は、、

閉塞性換気障害簡易モデル


正常な肺より気道が細く表現されています(わかりやすく赤で表示してます)

 

閉塞性換気障害の定義は、本屋やインターネットで調べればすぐ出てきますが、一応書いときます。


換気障害の病態分類


スパイロメータという医療機器での検査で、

%肺活量は80%以上で正常、

一秒率は70%以下で異常の場合、「閉塞性換気障害」だと分かります。

 

%肺活量について、

肺活量は、肺で呼吸時に移動できる最大の空気量です。

測定者の①性別、②年齢、③身長で「予測肺活量」が出てきます。

予想肺活量算出式

%肺活量は、実測の肺活量と予測肺活量の割合のことです。

%肺活量算出式

一秒率について

限界まで息を吸った状態(肺活量)から、一秒間で吐ききった量(一秒量)の割合。

一秒率算出式


閉塞性換気障害は、一秒間で肺活量の70%以下しか呼出できないということであります。

なので、肺胞ではなく気道の異常がかんがえられ、なんらかしらの異常によって気道抵抗が上がり、呼気流速が遅くなってしまったと考えられます。

  

閉塞性換気障害の代表疾患


1.気管支喘息 (気管のリモデリングによる気道閉塞)

2. COPD:慢性閉塞性肺疾患 (肺胞の弾性力低下による気道虚脱もある)

3.気道異物 (異物が気流の抵抗になる)

 

時定数τの考え方


時定数τ(タウ)とは、簡単に言うと、「安定するまでの変化の時間」です。一般的には電気工学の分野のカットフィルタで使用されます。

なぜ、呼吸の事を書いているのに急に時定数を出したかというと、電気工学の考えが換気障害の考え方をシンプルさせるので、だしました。

 

電子工学では「時定数τ=RC」です。Rはレジスタンスの抵抗値、Cはコンデンサの静電容量を表しており、コンデンサに電子が満杯になるまでの時間を時定数で予測することができます。例えば、コンデンサの容量が大きかったら、、、それはもちろん満杯になるまで時間がかかります(×2C=2τ)。レジスタンスの抵抗値が大きかったら、、、コンデンサに入る電子の流入速度がレジスタンスによって遅くなるので、同じく時間がかかります(2×C=2τ)。逆にそれぞれが小さくなったらと考えたら想像できると思います。

 

その関係性が「気道=レジスタンス」・「肺胞=コンデンサ」に近似しています。

今回の閉塞性換気障害は気道抵抗に伴う時定数τの上昇(変化量減少)となります。

 

私自身、電気電子工学が大好きなので医療現場にある電気電子工学もいつか書きますのでその時に詳しく説明します!!

 

吸いやすく吐きにくい理由


閉塞性換気障害では吸気はできるが、呼気しづらいそうです。気道抵抗が上がると吸気呼気ともにしづらくなると想像してしまうと思います。その理由は胸腔内圧によっての気道抵抗の変化です。

吸気時は大気を取り込むために胸腔内圧は陰圧になります。そうなると気道が周りから引っ張られるので気道が広がり、気道抵抗は下がり、吸気はスムーズになります。

呼気時の大気に肺の空気を吐き出すために胸腔内圧は陽圧になります。そうなると気道が周りから押されるので気道が狭まり、気道抵抗は上がり、呼気がしづらくなります。

気道抵抗説明用


さいごに

あと拘束性換気障害と呼吸不全(拡散障害、換気血流不均衡、シャント、肺胞低換気)も書く予定になっています。呼吸器疾患はこれらの組み合わせが症状になっているので、暗記する量が減ると思います。

 

参考文献

1. 病気が見えるvol 4 呼吸器

2. 臨床工学ライブラリーシリーズ② 生体物性/医用機械工学