在宅での酸素療法や人工呼吸器を使用する場合、病院とは違い一般家庭にはガスを供給する配管がありません。
そのため、在宅で酸素療法や人工呼吸器を使う際には酸素濃縮装置が必要になります。
近年、在宅医療に注目が集まっておりそのニーズも高まっております。今回は、在宅酸素療法および呼吸療法を行う際必要となる酸素濃縮装置について基礎の基礎をまとめていきたいと思います。
酸素濃縮装置は、酸素の濃縮方法で下記の2種類に分類することができます。酸素の濃縮方法の違いで、特製も変わってくるため保守点検を行うためにもその特性を把握しておく必要があります。
①
吸着型酸素濃縮装置
空気中に含まれるガスのほとんどは窒素であります。つまり、窒素を取り除くことで高濃度の酸素を投与することができます。
吸着型酸素濃縮装置は、窒素を吸着する吸着材(ゼオライト:アルミノ珪酸塩)にガスを供給することで窒素の除去を行います。
まず、加圧したガスをゼオライトへ供給して窒素をゼオライトへ吸着させ取り除きます。次に、減圧したガスを供給することで吸着した窒素をゼオライトから取り除きます。
この繰り返しにより酸素濃度の高いガスを作成し供給することができます。
②
膜型酸素濃縮装置
酸素透過性の高い高分子膜に対し送風機よりガスを供給します。すると、高分子膜の反対側には酸素が通過するため酸素と窒素を分離することができます。
①
吸着型酸素濃縮装置
・90%以上の酸素濃度
・膜型酸素濃縮装置に比べ低流量
・窒素と一緒に水分を吸着するため、加湿器が必要になる
②
膜型酸素濃縮装置
・酸素濃度は40%程度
・吸着型酸素濃縮装置に比べ高流量
・加湿器が不要