駆け出しCEのblog

臨床工学技士として日々勉強しております。 このブログでは、自身の知識や学んだことを他のコメディカルとも共有したいと思い作成しています。

関東でMEとして働いています。
臨床工学や医療機器について学んだことを
MEの目線から書いていきます。
看護師さんや他のコメディカルでもわかるように
書きますのでみんなで知識を共有していきましょう。

【はじめに】

血液濾過透析(hemodiafiltrationHDF)はその名の通り、血液透析と血液濾過の両方を用いて血液浄化を行うものです。HDFは通常の血液透析加え、補液を行いその補液分の濾過を行う治療法であります。そのため血液透析の特徴と血液濾過の特徴を併せ持った治療法となっています。

HDFの種類としてはオフラインHDFとオンラインHDFがあります。オフラインHDFは補液バックより補液を行い、オンラインHDFは透析液を補液として用います。今回はオフラインHDFとオンラインHDFの違いについて書いていきたいと思います。

 

【オフラインHDF

オフラインHDFは補液バックを用いて補液を行いながら濾過透析を行う治療法です。補液としてサブラットが用いられます。

補液を行う場所としては、AチャンバもしくはVチャンバになります。

オフラインHDFのメリットとしては、補液バックを用いるためエンドトキシンの混入や感染症のリスクが低くなります。また、透析液の水質もオンラインHDFほど高い水準での管理が求められないため、管理が容易であります。一方、デメリットとしては大量の補液ができないことや、コストが高い、補液バックの交換が必要などというのがあげられます。

 

【オンラインHDF

オンラインHDFは透析液を補液として用いて濾過透析を行う治療法です。透析液供給側より透析液の一部を分岐させてAチャンバもしくはVチャンバに補液を行います。

オンラインHDFのメリットとしては、透析液を補液として用いるため大量の補液が行える、低コストなどがあります。一方、デメリットとしてはエンドトキシンなどの有害物質混入の可能性、高い水質管理を必要とするなどがあります。

 

【まとめ】

上記で述べたことをまとめてみます。

  HDF療法にはオフラインHDFとオンラインHDFがある。

  補液はAチャンバもしくはVチャンバに行われる。

  オフラインHDFは、補液バック(サブラット)を用いて補液を行う。

  オフラインHDFは、水質管理が比較的容易である。

  オフラインHDFはエンドトキシン混入のリスクがない。

  オンラインHDFは透析液を補液として用いる。

  オンラインHDFは高い水質管理が必要である。

  オンラインHDFは大量の補液が可能となる。

  オンラインHDFはエンドトキシン混入のリスクがある。

 

【さいごに】

私の勤める病院では、持続的な血液浄化に対しては、オフラインでの補液を行い、3~5時間の血液浄化ではオンラインでの補液を行っています。オンラインHDFを行う場合では、ある一定の水質基準を満たさなければなりません。そのため、透析液を供給する配管の洗浄や、水質を測定する際のサンプリング方法にはとても気を使います。透析液のサンプリング時に汚染させると治療が行えなくなります。

 

 

最後まで読んでくれてありがとうございます。ご意見・ご感想があればコメントやメッセージよろしくお願いいたします。

 

【はじめに】

ダイアライザ内では血液が中空糸内を流れ、透析液が中空糸の外を流れるような構造になっています。つまり透析膜を隔てて2種類の流体が流れていることになります。

ダイアライザ内では拡散により透析液と血液間で物質交換が行われています。そのため透析液と血液間では、物質濃度の変動が生じています。

物質濃度の変化と同じく透析液と血液間では、圧力変化も生じています。そのため通常のHDでも濾過現象が行われており、これを内部濾過といいます。

 

low fluxダイアライザ】

low fluxダイアライザとは、常に血液側の圧力が透析液側の圧力よりも高い状態のダイアライザを指します。

そのため、血液側から透析液側への正濾過が行われます。

 

high fluxダイアライザ】

high fluxダイアライザはlow fluxダイアライザとは異なり、血液の流入側では血液側の圧力が透析液側の圧力よりも高く、血液の流出側では透析液側の圧力が血液側よりも高くなります。

そのため、血液側から透析液側への正濾過と透析液側から血液側への逆濾過が行われています。

 

【ダイアライザの分類】

ダイアライザは機能別で分類されており、型までに分類されております。分類の指標は、低分子タンパクであるβ2ミクログロブリンのクリアランスであります。以下にダイアライザ分類別のβ2ミクログロブリンのクリアランス値を示します。

   型…10mL/min

   型…10~30mL/min

   Ⅲ型…30~50mL/min

   Ⅳ型…50~70mL/min

   Ⅴ型…70mL/min

型以上では内部濾過が生じていると言われています。

 

【内部濾過の問題点】

逆濾過が生じる場合には透析液側から血液側へ物質の移動が生じることになります。このとき、透析液の中にエンドトキシンが含まれていると患者さんへエンドトキシンが流入することになります。

エンドトキシンとはグラム陰性菌の菌体外膜毒素のことであり、人体へ混入することで発熱などをきたします。

透析施設で使用されているダイアライザの多くはⅢ型以上であります。そのため、ダイアライザ内での内部濾過を想定して、透析液清浄化に努めなければならないと思います。また、透析液をある一定以上の清浄度で保つことで保険点数も加算されるため、患者さんのためにも病院のためにも透析液清浄化の管理は行った方がいいと思います。

 

【さいごに】

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

ご不明な点や疑問点がありましたら教えてください。

他の知識や意見などもありましたらコメントやメッセージください。

 

【参考文献】

竹澤 真吾ほか 臨床工学講座 生体機能代行装置学 血液浄化療法装置 2011110日 医歯薬出版 P74-75

 

【はじめに】

ACTとはActivated clotting timeの略称であり、日本語では活性化凝固時間といいます。ACTの測定は血液の凝固能を調べるために行われ、ACTを指標にしてヘパリン、プロタミン、FFPの投与量などを決めたりします。

ACTの測定が必要な業務としては、血液浄化業務、体外循環業務、補助循環業務、心臓カテーテル業務などがあります。体外循環が必要な業務ではACTの測定が必須であり、治療内容や患者さんの状態によってはある一定の時間間隔でACTの測定を行います。なお、業務内容が異なれば目的とするACTの値も異なってきます。

ACTは、病態などによって変化しますが健常人の場合100秒前後となっています。

 

【測定原理】

患者さんから採取した血液を、活性化剤と磁石の入ったスピッツ管へ入れます。活性化剤には、カオリンやセオライトが使用されています。活性化剤により血液の内因系凝固因子が活性化され血液凝固が始まります。

このように、活性化剤と血液が接触することで内因系凝固因子が活性化されヒィブリン塊が形成されるまでの時間がACTなのです。

では、どのようにしてフィブリン塊の形成を検知しているのか、それは活性化剤とともにスピッツ管へ入っている磁石が関与しています。スピッツ管へ入っている磁石をACT測定器が検知します。時間が経つにつれて血液が固まっていくと同時に磁石が上部へと移動します。磁石が上部へ移動してセンサで検知できなくなるとフィブリン塊が形成されたと装置が判断します。

 

【測定の手順】

   手袋をして採血されたシリンジを受け取る。

   ACT測定器の電源が入っているのを確認し測定開始のスイッチを押す。

   採取された血液を専用のスピッツ管に入れる。

   スピッツ管を10回ほど振る。

   スピッツ管内の磁石がスピッツ管の底にあるのを確認する。

   スピッツ管をACT測定器にいれる。

   3回ほど時計回りに回して、反時計回りに半周回す。

   ACT測定器が磁石を検知したのを確認してACT測定が終了するのを待つ。

 

【測定の注意点】

   血液をスピッツ管へ入れ、活性化剤と接触した直後から内因系の血液凝固因子が活性化されるため、スピッツ管へ血液を入れる前にACT測定器での測定を開始しなければならない。

   スピッツ管内の血液がスピッツ管の底にあるかを確認してからACT測定器に入れる。

   血液を扱うため感染症などに注意する。

 

【さいごに】

ACTの測定は、日常の業務でよく行われています。測定原理を頭に入れておけば測定手順や方法を間違えることはほぼ無いと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。不明な点や間違っている点がありましたら教えてください。

【はじめに】

私の勤める病院では、病棟ラウンド時や病室内の機器点検時には基本的にマスク着用をしています。使用しているマスクは、一般的に使用している簡易マスクです。マスク着用の目的は、「分自身が感染しない」「患者さんに感染させない」と私は考えています。

しかし、簡易マスクでは防ぐことのできない感染症もあり、その場合に使用されるのがN95マスクです。

 

N95マスクとは】

N95マスクの名称を用いることが出来るのは、米国労働安全衛生研究所(NIOSHI)の承認を受けたものであります。N95マスクのNNot resistant to oilという意味であり、95は微粒子を95%以上カットすることができるということを表しています。N規格において使用される試験微粒子は、0.3µmの塩化ナトリウム(NaCl)であります。

上記の事をふまえN95マスクとは、0.3µmの微粒子を95%以上除去することができ、顔面にフィットさせることによりマスク周辺からのエアーリークを10%以内に抑える性能を有するマスクです。

ありえない話ですが、エアーリークが100%とするとマスク内の微粒子濃度がマスク外の微粒子濃度が同じとなります。

N95マスクの種類としては、カップ型、二面折りたたみ方、三面折りたたみ型があり、私の勤める病院で使用されているのはカップ型です。

 

【リークチェック】

N95マスクのリークテストとして定性的フィットテスト、定量的フィットテスト、ユーザーシールチェックがあります。定性的フィットテストと定量的フィットテストは、専用の機械が必要になるので、日常の業務で行うことはできません。しかし、ユーザーシールチェックは簡易的に行うことができるので、日常の業務でも行うことが出来ます。私の勤める病院では、ユーザーシールチェックを義務化しています。

ユーザーシールチェックとはN95マスクを着用した後に、両手でマスクを覆うようにして息を吸ったり吐いたりすることによりN95マスクからのリークを確認するものです。

N95マスク使用時にエアーリークが生じやすい部分としては、マスクと鼻の接触部周囲、顎とマスクの接触部周囲です。エアーリークが確認できたら、マスクとしっかりと顔の形状にあわせてから再度ユーザーシールチェックを行います。

いかにマスクの性能自体が良くても着用がしっかりと行われていない場合、感染を引き起こす要因となるので注意が必要です。

 

【使用のタイミング】

N95マスクは、空気感染を防ぐために使用されます。代表的な疾患としては、麻疹、風疹、結核、です。麻疹と風疹の場合は、抗体があれば、N95マスクは不要とする病院もありますが結核では、N95マスクが必須となります。

N95マスクが必須となる感染症を有する患者さんは、陰圧室と呼ばれる部屋に入ります。陰圧室とは、部屋内の空気や病原菌が部屋外に流出するのを防ぐ構造となっています。

N95マスクは、病室に入る前に着用しユーザーシールチェックを行ってから患者さんのいる病室に入ります。そして病室を出てからマスクを外します。

【はじめに】

ゼロ点校正という言葉は病院に勤めている人なら良く耳にすると思います。よく耳にするのが集中治療(EICUGICUなど)領域での動脈圧や中心静脈圧の測定時です。それ以外にもゼロ点調整を行う状況はありますが、主に圧測定時にゼロ点校正を行います。

 

【ゼロ点とは】

「ゼロ点」という言葉を聞いて、ピンとくる人とそうでない人がいると思います。ゼロ点というのは、身長や体重などの数値化されるものにはなくてはならないものです。身長のゼロ点を考えてみると、測定対象者が水平の地面に立っているとします。その立っている地面を0cmとしたときに、測定対象者の頭頂部が何cmにあるかを数値化したのが身長になります。

では、血圧は何をゼロ点にして測定しているのでしょうか。病院に勤めている方は、どこかで大気開放という言葉を聞いたことがあると思います。大気開放状態でゼロ点を取るというのは大気圧をゼロ点としますよという意味であります。しかし、血圧の場合は大気開放状態にするだけではゼロ点はとれません。地球上には重力があるので、高さが違えば圧力も変わってきます。そのため、血圧測定時には右心房の高さをゼロ点としています。

上記にグダグダと色々書きましたが、私の言いたいことは

   測定値にはゼロ点が存在する。

    ゼロ点を決めるのは非常に重要です。

    血圧は右心房の高さで大気開放状態にしてゼロ点をとる。

であります。

 

【ゼロ点校正の流れ】

   現在表示されている血圧値を確認する。

   逆血や気泡がトランスデューサ内にないか目視点検する。

   トランスデューサや圧測定ラインの接続部を増し締めする。

   トランスデューサを患者さんの右心房と同じ高さにする。

   三方活栓を開き、大気開放状態にする。

   モニタ上に表示される圧力波形がフラットになることを確認する。

   ゼロ点校正ボタンを押す。

   三方活栓しめて、モニタ上に圧力波形が表示されることを確認する。

 

【ゼロ点校正時の注意点】

ゼロ点をとる場合、大気開放状態にすることからモニタ上の波形がフラットになります。そのためモニタは、血圧が消失した時と同じくアラームがなります。そうなると、周りの医療従事者が駆けつけるという騒ぎになります。そのため、ゼロ点をとるときは、周囲にその旨を伝えてから行うべきであります。

集中治療の領域だと、循環動態の不安定な患者さんが多いため、ゼロ点校正を素早くとり、一秒でも早くモニタリングを再開させなければなりません。

【はじめに】

心臓の役割の1つに、全身臓器への血液供給があります。心臓は、1回の拍動で60~70mLの血液を拍出します。1回の血液拍出量に1分間の拍動数をかけたものが、心拍出量となります。専門的に言うと、

 

心拍出量=1回拍出量×心拍数

 

となります。

心機能が低下すると1回拍出量が低下するため、それに応じて心拍出量も低下します。このことから、心拍出量は心機能を評価する指標の1つになります。

心拍出量を用いた心機能評価として、フォレスター分類があります。フォレスター分類は、心拍出量と肺動脈楔入圧の二つのパラメータにより、心機能を4パターンに分類することができます。

心拍出量の測定方法は侵襲的に行うものから、非侵襲的に求めるものまで様々な方法があります。今回は、スワンガンズカテーテル(サーモダイリューションカテーテル)を用いて測定する熱希釈法と血液ガスより算出するFick法について説明していきます。

 

【熱希釈法】

熱希釈法による心拍出量の測定には、スワンガンズカテーテル(サーモダイリューションカテーテル)が必須であります。スワンガンズカテーテルには側孔があり、そこから冷却した5%ブドウ糖を混合静脈血中に急速注入します。冷却された5%ブドウ糖と血液が混ざりあうことで生じる温度変化を肺動脈内にあるカテ先のサーミスタで測定します。温度変化が大きいほど心拍出量も多くなります。

私の勤める病院では、熱希釈法による心拍出量測定を5回行い、その平均値を測定結果として用いています。5回の測定をするメリットとしては、1回目の測定が上手くいかない場合でも、残りの4回の値を平均して測定結果とすることができます。デメリットとしては、腎不全や右心不全の患者さんに対して水分負荷となるという点です。

病院によっては、5%ブドウ糖ではなく生理食塩水を用いているところもあります。注入液の温度もそれぞれの施設で異なっており、凍らせた状態で保管して、使用直前に半分ほど解凍して使用しているところもあります。

Fick法】

動脈血と静脈血の酸素含有量は異なっています。動脈血中に含まれる酸素は、全身臓器へと分配され、消費されます。そのため静脈血の酸素含有量は動脈血に比べ低くなっています。

上記のことをふまえ、酸素消費量は動静脈酸素含有較差に心拍出量をかけることで求めることが出来ます。この考えより、心拍出量は酸素消費量を動静脈血酸素含有較差で割ることで求めている。

 

心拍出量=酸素消費量/動静脈血酸素含有較差

 

Fick法は上記の考えで心拍出量を算出しております。Fick法の特徴としては、熱希釈法に比べ正確であるため、低心拍出量の患者さんに対しても精度の高い計測が可能であります。

Fick法による心拍出量の計算は、カテラボにより自動で行う施設が多いと思います。算出に必要なパラメータとしては、静脈血の酸素飽和度動脈血の酸素飽和度ヘモグロビン濃度心拍数身長体重です。これらのパラメータにより、Fick法で必要なパラメータを導き出し、導き出した数値よりFickの式を用いて算出が行われます。

【はじめに】

DNARとはDo Not Attempt Resuscitationの略であり、日本語に直訳すると「蘇生を試みない」となります。

患者さんが、近い将来に死に至ることが確実であり、患者さん自身やご家族の方による意思表示がなされている場合に心肺蘇生法(CPR)を行わないという意味であります。もともとはDNR(do not resuscitation order)という言葉でしたが、DNRだと蘇生する確率が高くてもCPRが行われないといった印象を与えることがあるため、DNARという言葉が使用されるようになりました。

 

CPRとは】

上記で出てきたCPRについて説明していきます。CPRとはCardioPulmonary Resuscitationの略であり、日本語では心肺蘇生法といいます。一般的にいう心臓マッサージとはCPRのことを指します。

CPRの手順を下記に示します。

  意識確認を行う。

例:大丈夫ですか?(両肩をたたきながら)と意識確認や反応の有無を見る。

 

  周囲の方に119番通報とAEDの手配をする。

例:すみません!あなたは119番通報、そこのあなたはAEDを持ってきてください(個人を指名して救助の手助けを要求する)

 

  呼吸の有無を確認する。

例:患者の口元に耳をあてて確認したり、胸の動きを観察する。

 

  呼吸がない場合は直ちに心臓マッサージを行う。

例:乳頭と乳頭のちょうど真ん中を胸が5cm程度沈むように圧迫する。このとき、1分あたり100回のペースで行います。人工呼吸と心臓マッサージの比は302であるため、心臓マッサージを30回行い、2回の人工呼吸を行います。

 

  AEDが到着すると、AEDの音声指示に従い除細動を行う。

DNARの解釈】

患者さんがDNARの場合、どの程度の医療を行うのかが焦点の一つであります。病院によっては、薬剤による治療や輸血、血液浄化なども行わないという所もあります。こういった病院の場合は、事前に患者さんに対して十分な説明を行い、薬剤による治療、輸血、血液浄化などを行わないといった許可を得ていると思います。

DNARだからすべての治療を拒否するということではありません。DNARCPRを行わないということであるため、基本的には他の治療を行うことになります。つまり、DNARだから治療を行わないというのは基本的に間違いということです。

 

【コメディカルとして】

臨床工学技士の場合、DNARだから血液浄化は行わないという曲面に出くわすかもしれません。このような場合は、カルテや同意書を確認し、患者さんが血液浄化を行わないということに同意していることを確認するべきであると私は考えます。

病院によりDNARへの方針が多少異なる場合もあります。事前にDNARに対する病院の方針を確認しておく必要があります。

【さいごに】

途中、CPRの説明が入りましたがDNARを説明するうえで必要な知識ですのでおさらいの意味でまとめました。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

【持続注入方式】

吸気側回路に流れる定常流に対してNOを加えて、患者さんへ供給する方法であります。そのため、NOを加えるために流量計が必要となります。

供給されたNOがガス配管より供給される酸素や空気と混合されるため、呼吸器のブレンダと患者口元ではFiO2の値が異なってきます。そのため、患者口元より供給ガスをサンプルし、マルチガスモニタにてFiO2NO濃度を測定する必要があります。

私の勤める施設で使用されているアイノフローシステムでは、患者口元よりサンプルされたガスのNO濃度を測定し、その情報をフィードバックすることで、供給部のNO流量を調節するシステムとなっています。

持続注入方式のメリットとしては、NOと酸素の接触時間が短いということであります。NOと酸素が接触することで副産物であるNO2が産生されます。NO2により気道や肺の損傷が生じる可能性があるため、NO2濃度の経時的なモニタリングも必要になります。

持続注入方式は定常流方式の人工呼吸器での使用になるため、新生児に使用されております。

 

【プレミキシング方式】

プレミキシング方式は、ガスブレンダにてNOを空気や窒素と混合し、人工呼吸器本体へ供給する方式です。プレミキシング方式については、私の勤める病院では使用していないため、システムの構成についてはよくわかりません。基本的な知識としては、定常流方式の呼吸器ではなくても使用できるため、成人に対しての使用が多くなります。

プレミキシングの場合、酸素とNOの接触時間が長くなるため、副産物であるNO2の産生に注意が必要となります。

酸素とNOを人工呼吸器内で混合するため、FiO2を変更すると患者さんへ供給されるNO濃度も変化してしまいます。

 

【モニタリング】

NO療法を行う場合、NO濃度のモニタリングが必要となります。そのため、マルチガスモニタによる実測を行わなければなりません。他にも、副作用としてメトヘモグロビン血症が生じる可能性があるため、メトヘモグロビンをモニタリングする必要があります。

【臨床工学技士の対応】

NO療法は特殊な治療法の1つであるため、使用するデバイスを病棟のスタッフだけで管理するのは難しいと私は考えます。そのため、1日に数回は臨床工学技士が病棟にて動作のチェックやモニタリングの確認をする必要があります。

人工呼吸器とNOの供給デバイス、モニタリング機器のどれか一つでも不具合があると、治療が上手く行われません。そのため自身でNO濃度を算出し、正常な供給、モニタリングが出来ているのか確認することも良いと思います。

NOで使用されるボンベの圧力表示には慣れ親しんだPaではなくpsiが使用されているものもあります。そのため、使用時間の計算なども厄介になります。

【はじめに】

前負荷や後負荷といった言葉は心機能検査を行う場合、とても重要となります。また、何が前負荷を表し、後負荷を表しているのかをしっかりと理解することで、心臓カテーテル検査をより理解できます。

 

【前負荷】

前負荷とは、心室が収縮を開始する前にかかっている負担のことを指します。つまり、心房に流入する血液量と心筋の収縮力により前負荷が決定されるということです。

心房に流入する血流量と心筋収縮力を反映する指標として圧力があります。そのため、前負荷の評価として圧力波形を測定することが一般的であります。

左右心室に対する前負荷の指標を下記に示します。

 

・右心室

右心房圧、右心室拡張末期圧、拡張末期右心室容積、中心静脈圧

 

・左心室

左心房圧、左心室拡張末期圧、拡張末期左心室容積、肺動脈楔入圧

 

前負荷と合わせてスターリングの法則も理解しておく必要があります。スターリングの法則も理解しておく必要があります。

スターリングの法則を簡単に説明すると、心室が1回の収縮で拍出する血液量(1回拍出量)は、心室拡張末期容積により変化するということであります。

スターリングの法則

上の図からもわかるように、前負荷は一定以上必要ですが、多すぎてもいけないということです。

前負荷がすくなくなると、心拍出量の低下につながります。そのため、前負荷が少なくなると、輸血などを行い、静脈還流量を増やしたりするなどの対応が求められてきます。また前負荷が高すぎると、心筋に負担がかかりすぎるため、利尿剤などにより体液量を下げてあげるといった対応がとられます。

 

【後負荷】

後負荷とは心室が血液を拍出するときに、心室の負担となるものを指します。血液は、心室の圧力と末梢部の圧較差により駆出されます。つまり、心室より末梢の血管の圧が高くなれば、後負荷が大きくなるということです。

左右心室に対する後負荷の指標を指します。

 

・右心室

拡張期肺動脈圧

 

・左心室

拡張期大動脈圧

 

後負荷の増加要因となるのは、末梢血管抵抗です。末梢血管抵抗は、動脈硬化や末梢血管の収縮により増加します。


【はじめに】

急性呼吸窮迫症候群(以下ARDSとする)は、何らかの原疾患により引き起こされる呼吸不全です。
二次的感染や原疾患による多臓器不全などを含めると死亡率が
40%程度あります。
そのため呼吸不全の治療を行いながら、原疾患の治療も行わなければならないため
非常に困難な疾患となります。

 

ARDSの定義】

ARDS2012年のBerlin定義により診断基準が示されています。

  1週間以内に発症

  胸部X線所見にて両肺に異常な影が見られる

  低酸素血症

  心不全が原因でない肺水腫

 

【人工呼吸器の設定】

通常の場合、人工呼吸器の一回換気量は体重1kgあたり10mL程度とされています。
しかし
ARDSの場合では、肺コンプライアンスが低下しているため、
10kg/mLもの換気量だと肺損傷の原因となります。このことは臨床研究でも証明されており、
ARDSの場合では通常の一回換気量だと予後が悪いとされています。
そのため、一回換気量は
6mL/kgとしてそのかわりPEEP10cmH2O程度加えることで、
肺損傷を防ぎながら肺胞虚脱を防ぐといった対応がとられています。

PEEPに関して15cmH2O程度にしている報告もあり、ARDSの状態(軽度なのか重度なのか)
により適切な値を選択する必要があります。

 

【要因】

ARDSの要因としては、敗血症や誤嚥性肺炎、多発性外傷などがあげられ、
薬剤により引き起こされる場合もあります。
そのため、高齢者の肺炎や感染症などには要注意です。

ARDSの場合、低酸素症に対する人工呼吸器の使用に加えて、
CRRTも行う場合などもあり、1人の患者さんに対して複数台の高度管理医療機器が使用されます。
そのため、臨床工学技士の役割は重要となります。呼吸管理を行いながら代謝の管理までを
行うことから、幅広い知識が必要となります。

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