駆け出しCEのblog

臨床工学技士として日々勉強しております。 このブログでは、自身の知識や学んだことを他のコメディカルとも共有したいと思い作成しています。

関東でMEとして働いています。
臨床工学や医療機器について学んだことを
MEの目線から書いていきます。
看護師さんや他のコメディカルでもわかるように
書きますのでみんなで知識を共有していきましょう。

【はじめに】

心臓は、1分間に60~100回の収縮・拡張を繰り返し行っています。心筋は腕や足の筋肉のように意識して動かしたり止めたりすることはできません。それは、心筋自体に自動能があるためです。

心房より発生した刺激を心室まで伝えるのが刺激伝導系の役割となっており、刺激の発生および伝導に障害が生じると心拍数の低下につながります。心拍数が低下することで心拍出量も低下し各臓器への血液供給が低下します。

ペースメーカは主に上記の述べたような徐脈性不整脈に対して使用されます。徐脈性不整脈といってもさまざまな病態があるため、その病態に合わせたペースメーカの設定つまりモードを選択する必要があります。

 

【刺激伝導系】

心房や心室にも自動能はありますがそれらは不安定かつ弱いため、心臓の収縮は主に洞結節により規定されています。洞結節は上大静脈と右房が接するところにあります。洞結節から発生した刺激は右房内の結節間路を通り、右房側の心室中隔に存在する房室結節に伝わります。その後、右房から左右心室の中隔にかけてあるヒス束に刺激が伝わり、左脚・右脚そしてプルキンエ線維に刺激が伝わります。

 

【徐脈性不整脈】

徐脈性不整脈はその名の通り、刺激伝導系において刺激の発生および伝導に障害をきたし心拍数が健常時に比べ低下するものをいいます。一般的な徐脈の定義としては、心拍数が60/分とされています。

今回はペースメーカ適応の徐脈性不整脈としては、洞不全症候群や完全房室ブロックなどがあります。

 

【ペースメーカのモード】

ペースメーカのモードは、ICHD(Inter-Society Commission for Heart Disease Resource)コードで表されます。

ICHDコードは3文字もしくは4文字で表されます。

1文字目はペーシング部位を表し心房の場合はA、心室の場合はVで表します。

2文字目はセンシング部位を表し心房の場合はA、心室の場合V、心房・心室両方の場合はDで表します。

3文字目は刺激制御の方法を表し、抑制の場合はI、同期の場合はT、抑制および同期両方の場合はD、制御方式を用いない場合はOで表します。

4文字目は心拍応答機能を有する場合にRで表します。

 

【さいごに】

私の勤める病院ではペースメーカの点検はもちろん、植え込みオペ時にも臨床工学技士が関わります。ペースメーカの関係する業務にはほぼ全てに関わっており、ペーシングの出力値などについても先生と相談することもあります。

今回はペースメーカについて簡単に書きました。今後、詳しくまとめたのを書いていく予定です。

【はじめに】

人工呼吸器には様々なモードがあり、患者さんの容態に合わせて最適なモードを選択する必要があります。人工呼吸器の換気様式を大きく2つに分けるとすると量規定と圧規定に分けることができます。

人工呼吸器の使用中点検などで、人工呼吸器の換気様式や設定条件を観察してみると、その患者さんの大まかな容態が予測できます。

今回は、人工呼吸器の圧規定と量規定について簡単に書いていきたいと思います。

 

【量規定(Volume Contorol:VC)

量規定は一回換気量と吸気流速を規定して患者さんへ送気を行う換気様式です。一回換気量が規定されているため、毎回同じ量のガスを供給することができます。

量規定のメリットとしては、患者さんの病態が変化した場合に低換気や過換気になることがないため、換気量の管理がしやすいという点があります。換気量がある程度保証されているということは、血液ガス(特にPaCO2)のコントロールがしやすいとも言えます。

量規定のデメリットとしては、気道内圧が規定されないため肺コンプライアンスの低い場合には、肺損傷が生じやすいということがあげられます。また、気管チューブなどからリークが生じた場合には、低換気になります。

量規定に関しては肺コンプライアンスが低くなく、病態の安定した患者さんに対して使用する方が良いと考えます。

 

【圧規定(Pressure Control:PC)

圧規定は気道内圧と吸気時間を規定して患者さんへ送気を行う換気様式です。気道内圧が規定されているため一回換気量は変動しますが、気道内圧の急激な変化がありません。

圧規定のメリットとしては、気道内圧が安定していることにあります。そのため、肺コンプライアンスの低い病態に対して使用されます。その他にも、多少のリークが生じた場合でも設定した気道内圧になるようにガスが供給されるということもメリットの1つといえます。

圧規定のデメリットとしては、肺コンプライアンスなどの変動により一回換気量が変化してくるということです。そのため、患者さんの状態によっては低換気となる場合もあります。

圧規定は肺損傷のリスクを抑えられるという点より、肺コンプライアンスの低い患者さんに有用だといえます。しかし、一回換気量が一定でないため患者さんの様子を注視しなければなりません。

 

【まとめ】

   量規定は一回換気量と吸気流速を規定して送気を行う。

   量規定は換気量が保証される。

   量規定は肺コンプライアンスの低い患者さんだと気道内圧が高くなる。

   圧規定は気道内圧と吸気時間を規定して換気を行う。

   圧規定は気道内圧が安定する。

   圧規定は肺コンプライアンスの低い患者でも気道内圧が高くならない。

【はじめに】

PEEPPositive End Expiratory Pressureの略称であり、日本語では呼気終末陽圧といいます。

PEEPというのはその名の通り、呼気の最後に一定の陽圧を加えるもので、人工呼吸器の設定項目の1つです。通常の場合では(PEEPがゼロ)、人工呼吸器からガスが送られる(吸気)と気道内圧が上昇し、人工呼吸器の送気が止まると(呼気)気道内圧は低下し、ゼロとなります。しかしPEEPを加えていると、呼気時の気道内圧がある一定の圧以下にならず、そのまま吸気へ移ります。つまり、患者さんの肺には常に陽圧がかかった状態にあるということです。

PEEPについては、臨床工学技士はもちろんのこと集中治療関係の業務に従事する看護師の方にもお馴染みの項目といっていいでしょう。

 

PEEPの目的】

PEEPの最大の目的としては、酸素化の改善であります。肺に取り込まれたガスは肺胞にて血液中に供給されます。人工呼吸器を使用するような患者さんは肺コンプライアンスが低くなっており、肺胞が膨らみにくい状態にあると言えます。

風船を膨らますときを考えると、風船が膨らみ始めるまでが一番きつく、膨らみ始めるとそんなに力を入れてガスを吹き込まなくても膨らんでいきます。肺胞も同様で、膨らみ始めるまでに高い圧力を必要とします。しかし、最初からある程度膨らましておけば、その後は高い圧力を必要としません。

PEEPを加えることで、肺胞が閉じる(虚脱)ことを防げるため、有効膜面積(ガス交換が行える肺胞の面積)が上昇し、その結果酸素化が改善されます。

実際に急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に対する研究で、PEEPを加え一回換気量を減らすことで、予後が改善されたという報告があります。この研究からもPEEPによる酸素化の改善効果と、最高気道内圧を抑えることによる肺損傷の是正が重要であると言えます。

 

PEEPの生理的な影響】

PEEPを加えることにより肺は常に膨らんだ状態になります。それに伴い、胸郭内の圧力も上昇します。そのため、上下大静脈に戻ろうとする血液が胸郭内の圧力に押され、静脈還流量が低下します。静脈還流量が低下することで、一回拍出量、心拍出量の低下、尿量の低下へとつながります。

上記のことから、PEEPを加える場合には患者さんの心機能の程度も考慮しなければなりません。対策としては、弾性ストッキングやフットポンプなどを使用し末梢で滞留している血液を循環させるといったものがあります。

 

【さいごに】

人工呼吸器の設定を考える時には、肺機能だけでなく心機能や代謝も考慮しなければなりません。意外と思われる方もいると思いますが、臨床工学技士の業務では、機械以外にも幅広い知識が必要です。

【はじめに】

集中治療室では患者さん1人につき1台の生体情報モニタがつき、患者さんの生体情報を経時的にモニタリングしております。経時的なモニタリングを行うことで、患者さんの情報をリアルタイムで把握することができるのが最大のメリットといえます。

一般的に生体情報モニタでモニタリングされる項目を下記に示します。

  動脈圧(観血的)

  中心静脈圧

  肺動脈圧

  非観血的血圧(NIBP)

  心電図

  体温  など

上記に示した項目以外にもモニタリングできる項目はあります。

ビジレオモニタは、生体情報モニタとは別で患者さんの生体情報をモニタリングするために用いられています。モニタリングを行う項目は一般的な生体情報モニタとは異なります。

下記にビジレオモニタでモニタリングができる項目をまとめてみます。

   心拍出量(Cardiac Output:CO)

   心係数(Cardiac Index:CI)

   一回拍出量(Stroke Volume:SV)

   一回拍出量係数(Stroke Volume Index:SVI)

   一回拍出量変化(Stroke Volume Variation:SVV)

   体血管抵抗(Systemic Vascular Resistance:SVR)

   体血管抵抗係数(Systemic Vascular Resistance Index:SVRI)

   中心静脈酸素飽和度(Central Venous Oxygen Saturation:ScvO2)

   混合静脈血酸素飽和度(Mixed Venous Oxygen Saturation:SvO2)

 

【ビジレオモニタのセッティング】

   電源コードを接続し、本体の電源を入れる。

   セルフテストが行われ、通過を確認する。

   セルフテスト通過後に、性別、年齢、身長、体重を入力する。

   フロートラックケーブルを接続して、フロートラックセンサと接続する。

   中心静脈圧を外部入力する。

   ゼロ点校正をとる。

※セルフテスト通過後に身長や体重などの患者情報を入力するが画面になるがBSAは、機器の自動計算により入力される。

 

【ビジレオモニタの特徴】

   一般的な生体情報モニタでは、モニタリングできない項目のモニタリングが可能である。

   心拍出量、心係数、一回拍出量、一回拍出量係数、一回拍出量変化はフロートラックセンサを用いてモニタリングできる。

   体血管抵抗、体血管抵抗係数はフロートラックセンサに加え、中心静脈圧を外部入力することでモニタリングができる。

   中心静脈酸素飽和度、混合静脈血酸素飽和度はオキシメトリーカテーテルを使用することでモニタリングができる。

 

【さいごに】

ビジレオモニタを使用する場合、フロートラックセンサを使用していることが絶対条件であると考えます。また中心静脈圧については外部入力になるため、入力が無ければ体血管抵抗と体血管抵抗係数は表示されません。

一般的な生体情報モニタでは、患者さんの体位を変更した場合などにゼロ点校正をとることはほとんどの施設で行われているでしょう。しかし、ビジレオモニタを使用している場合、ビジレオモニタでもゼロ点校正が必要となります。私の勤める病院ではビジレオモニタのゼロ点校正が忘れがちになっています。

 

【はじめに】

I-HDFIntermittent Infusion Hemodiafiltrationの略称であり、日本語では間歇補充型血液透析濾過といいます。

I-HDFの特徴としては、膜を介して補液つまり逆濾過にて補液を行うということです。通常の補液では、オフラインHDFのような補液バックからの補液やオンラインHDFのようなAチャンバもしくはVチャンバでの透析液による補液があります。

I-HDFの場合、透析液側から血液側への逆濾過にて補液を行うため、補液となるのは当然ですが透析液となります。

 

I-HDFの利点】

    末梢循環の改善

間歇的に補液を行うため、通常の透析(HD)に比べ末梢循環の改善が見られます。末梢循環の改善要因としては、補充液による循環血液量の一時的な改善やプラズマリフィリングの促進などがあげられます。

 

    血圧の維持

血液透析中には、除水による血圧低下がよく見られます。中にはショック状態に陥る場合もあり、その対処として補液を行う場合があります。I-HDFの場合では、循環血液量の減少率がHDに比べ少ないため、血圧の維持が期待されます。

 

    ファウリングの改善

ファウリングとは、血液中のタンパクなどが膜に付着することを指します。ファウリングが生じると、その部分では物質の移動が出来なくなるため、有効膜面積(治療が行えている膜面積)が低下します。I-HDFの場合は、透析側から血液側に圧力が加わるため、血液側にて膜に付着するタンパク等が膜から剥がれます。そのため、有効膜面積の維持に効果的といえます。

 

I-HDFの欠点】

    オンラインHDFのような大量の濾過が行えない

間歇的な補液・濾過になるため、オンラインHDFのような大量の濾過はおこなえない。しかし、高齢者などで大量の濾過を行うにはリスクの高いが低分子蛋白の除去を行いたい患者さんに対してはI-HDFが有効であるといえます。

 

    低分子蛋白の吸着除去効果が低い

逆濾過によるファウリングの改善がある一方で、本来なら膜に吸着されている低分子蛋白が膜から剥がれ、血液側に戻ることもある。

しかし、通常のHDに比べ低分子蛋白の除去は良い。

 

【対象患者】

I-HDFはその特徴から、末梢動脈疾患を有する患者さんや循環動態が不安定な患者さんへの使用に適しているといわれています。

また、アルブミンなどのタンパク成分の漏出が抑えられるとも言われており、低栄養状態の患者さんにも有効だと考えられています。

 

【主な設定項目】

    補液開始時間

    補液間隔

    補液速度

    補液量

    補液後除水開始時間

 

【さいごに】

I-HDFの性能としては、HDとオンラインHDFの中間といえます。

膜を介して補液を行うため、オンラインHDFに比べエンドトキシンなどの有害物質混入の危険性はオンラインHDFに比べ低いと個人的には考えています。また、保険点数的にもオンラインHDFと同様な扱いであります。

【はじめに】

局所組織酸素飽和度(rSO2)の測定は、人工心肺などを用いた体外循環による手術を行う場合や、ECMOを行っている場合などに測定されます。

rSO2の一般的な測定部位は前頭葉の組織酸素飽和度であり、測定用のセンサを前額部(おでこ)に貼ることで測定ができます。その他にも四肢の循環不全が疑われる場合などでもrSO2の測定は行われます。

rSO2の測定が行える機器としては、エドワーズライフサイエンス株式会社製のINVOS、浜松ホトニクス株式会社製のNIROなどがあります。私の勤める病院では、前者であるINVOSを使用しています。

 

rSO2の測定原理】

生命活動に必要な酸素はヘモグロビンによって運搬されています。ヘモグロビンは血液中に存在し、肺から酸素を受け取り全身の組織へ酸素を受け渡します。そのため、血液中には酸素と結合したヘモグロビン(酸化ヘモグロビン)と酸素と結合していないヘモグロビン(還元ヘモグロビン)が存在します。

酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンでは、吸収しやすい光の種類が異なるため、rSO2の測定では波長の異なる2種類の光を照射して吸収の度合いを測定することで酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの割合が分かります。そして、以下の式にてrSO2を算出します。

 

rSO2=酸化ヘモグロビン/(酸化ヘモグロビン+還元ヘモグロビン)

 

※実際に照射する光の種類は近赤外線であります。近赤外線を用いて上記のような測定を行うため、近赤外線分光法(NIRS)と呼ばれます。

 

rSO2の評価】

rSO2は、測定対象者や測定部位によって数値が異なっています。私は、rSO2について一般的に測定されるSpO2のような絶対的な評価としての利用は難しいと考えます。しかし、モニタリングを行っていく中で局所組織の酸素化の改善や悪化について評価していくには適していると考えます。つまり、rSO270%と表示された場合に70%だから局所組織の酸素化が良いとか悪いという判断ではなく、一時間前は60%だったのが今は70%なので酸素化が改善されたという判断です。

 

さいごに

rSO2を前額部(おでこ)で測定する場合には前額部の左側と右側両方の測定を行います。一番多いミスで、センサを逆向きに貼ってしまい機器に表示されるrSO2が左右逆向きに表示されていることがあります。センサを貼り付ける時は、左右が反転してないか確かめる必要があります。

前額部に皮脂や汚れがある場合は、正確な測定ができないためセンサを貼り付ける前にアルコール綿などで皮脂や汚れをしっかりと拭き取る必要があります。

【はじめに】

先日、血液浄化時に測定する動脈圧について書きました。動脈圧は、脱血側回路内の情報を得るためのパラメータですが、施設によっては測定をしていないところもあります。また、施設によってはAチャンバの無い回路を使用している施設もあり、動脈圧の測定は必須というわけではありません。

静脈圧は、主にダイアライザから送血針までの回路内の状態を反映しています。理論上、脱血状態も反映されますが脱血状態の変化が静脈圧まで反映されるまで時間がかかるためここでは、静脈側回路(返血側)の状態変化による静脈圧の変化について書いていきたいと思います。

 

【静脈圧】

静脈圧は、送血側の回路にて測定をします。そのため主に送血状態のモニタリングとして有効です。

静脈圧の測定は、Vチャンバにて動脈圧と同じようにルートが出ており、そのルートを血液浄化装置の静脈圧測定ポートに接続することで行います。

静脈圧が低下する要因について下記にまとめます。

   ダイアライザ内での凝血がある。

   ダイアライザからVチャンバまでの回路内で凝血がある。

   ダイアライザからVチャンバまでの回路が屈曲している。

   ダイアライザからVチャンバまでの回路で血液リークがある。

   静脈圧測定ラインと圧力測定ポートの接続が緩い。

静脈圧が上昇する要因について下記にまとめます。

    Vチャンバ内にて凝血がある。

    Vチャンバから送血針までの回路内で凝血がある。

    Vチャンバから送血針までの回路で屈曲がある。

    送血針の位置不良。

    圧測定ライン内に血液が流入している。

 

【さいごに】

静脈圧を測定することで、送血側回路の状態を把握することができます。動脈圧を測定しない場合では、静脈圧から脱血状態も判断しなければなりません。また静脈圧だけでなく、実際に回路を触ったりすることもいいと思います。

最後まで読んでくれてありがとうございます。ご意見・ご感想がありましたらコメントやメッセージをよろしくお願いいたします。

 

【はじめに】

血液浄化を行う時に必ず回路内の圧力測定を行っています。血液透析(HD)や血液濾過(HF)で測定する圧力パラメータは少し異なってきますが、どの血液浄化療法でも圧力測定が必須であり、重要となってきます。

今回は、血液浄化療法における圧力測定の中でスタンダードである動脈圧について書いていきたいと思います。

 

【動脈圧】

動脈圧は、脱血側の回路にて測定をします。そのため主に脱血状態のモニタリングとして有効です。

動脈圧の測定部位としては、Aチャンバになります。Aチャンバ上部よりルートが出ており、そのルートを圧力測定ポートに接続することで圧力測定を行います。圧力測定ポートにつながるルート(圧力測定ライン)内は空気であり、プライミング液や血液で満たしません。Aチャンバ内の血液量の増減により圧力測定ラインの空気の圧縮率が変化します。その変化を圧力測定ポート内のセンサで測定しモニタリングを行っております。

動脈圧が低下する要因につて下記にまとめます。

  穿刺針(脱血部)の位置が悪い。

  穿刺針(脱血部)からAチャンバ間の回路の屈曲、回路内凝血、血液リークがある。

  圧力測定ポートと圧力測定ラインの接続不良がある。

動脈圧が上昇する要因について下記にまとめます。

   Aチャンバ内での凝血がある。

   Aチャンバからダイアライザまでのルート内に凝血がある。

   Aチャンバからダイアライザまでのルートが屈曲している。

   ダイアライザ内での凝血がある。

   ダイアライザから送血針までのルート内に凝血がある。

   ダイアライザから送血針までのルートが屈曲している。

 

※ダイアライザから返血針までの異常に対して動脈圧が変化することは、理論上成り立ちますが、動脈圧が変化する前に他のパラメータの変化で気づく事が大半です。

そのため動脈圧の異常を発見したときは、脱血針からダイアライザまでのルートで異常が無いかを調べた方がいいと私は思います。

 

【さいごに】

動脈圧については、測定をしていない場合もあります。その時は回路を触り、圧変化の有無を見ることもできます。また、穿刺針から血液ポンプまでの回路内にピローを設けて、動脈圧の測定を行わなくても脱血状態をより分かり易く目視できるように構成されている回路もあります。

分かりづらいところやご意見がありましたら、コメントやメッセージで教えてください。最後まで読んでくれてありがとうございました。次回は静脈圧について本日と同じような形式で書いていきたいと思います。

【はじめに】

血液透析になくてはならないのが透析液です。その透析液は水道水から作製されており、透析液作製装置の管理は主に臨床工学技士が行っております。

オンラインHDFhigh fluxダイアライザの普及により透析液の清浄化が必須となっています。

水質の基準としてエンドトキシン濃度と生菌数の測定が行われており、両項目共に基準値が設けられております。

今回は、水処理システムについて書いていきたいと思います。

 

【軟水化装置】

軟水化装置はその名の通り、軟水を生成する装置であります。水道水の中には硬水成分が含まれているため、軟水化装置で硬水成分である2価以上の陽イオン(例えば、カルシウムイオンやマグネシウムイオン)とナトリウムイオンを交換します。

軟水化装置にはイオン交換樹脂が使用されており、2価以上の陽イオンを吸着し、ナトリウムイオンを放出しています。ここでポイントなのが、硬水成分は吸着されただけであり、除去されていないという点です。イオン交換樹脂で吸着しているだけであり、吸着能が飽和した場合は軟水化が行われないということになります。

吸着能を常に保つため、イオン交換樹脂に吸着された硬水成分とナトリウムイオンに置換しなければなりません。イオン交換樹脂の再生は定期的に高濃度の塩化ナトリウムを用いて行います。そのため水処理システムには塩タンクがあります。

軟水化装置の管理としては、処理後の水に含まれるイオン濃度の測定と塩タンクへの塩の補充が含まれます。

 

【活性炭濾過装置】

活性炭濾過装置は活性炭による吸着現象を利用して、水道水に含まれる塩素の除去を行います。

活性炭による吸着能も限りがあるため、定期的に洗浄を行う必要があります。

活性炭濾過装置により塩素が取り除かれると、細菌が繁殖しやすくなります。そのため活性炭濾過装置以降のルートでは、細菌の繁殖に注意しなければなりません。

 

RO装置】

RO装置は逆浸透を利用して、水道水に含まれるイオンやバクテリアなどを膜分離して除去するものであります。RO装置以降では理論上無菌状態かつ真水となっています。

RO膜の性能が低下すると透析液の汚染が濃度異常につながるため定期的な洗浄や交換が必要です。

RO膜を通過した水道水(真水かつ無菌の状態)は、透析用A液、B液と混合されてからコンソールへ供給されます。

 

【参考文献】

竹澤 真吾ほか 臨床工学講座 生体機能代行装置学 血液浄化療法装置 医歯薬出版株式会社 2011110日 P109112

【はじめに】

前回のブログでは、ダイアライザの膜材質についてセルローストリアセテート(cellulose triacetate:CTA)膜とポリスルフォン(polysulfone:PS)膜について書きました。

今回のブログではCTA膜とPS膜以外の膜材質について書いていきたいと思います。

 

EVAL膜】

EVALethylenevinyl alcohol co-polymerの略称であり日本語では、エチレン・ビニルアルコール共重合体といいます。一般的にはEVAL(エバール)膜と呼ばれています。

EVAL膜は、PS膜と同じく合成高分子膜に分類されますがエチレン・ビニルアルコール共重合体は親水性であるためポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone:PVP)などの親水化剤を必要としません。

EVAL膜の特徴としては、生体適合性や抗凝固性があげられます。詳しい理由はわかっていませんが、膜表面の凹凸がPS膜に比べて少ないことなどが理由の1つとして考えられています。さらに、膜に吸着するタンパク量も少ないことから、透析後のアルブミン損失が少ないといった特徴もあります。

 

PMMA膜】

PMMApolymethylmethacrylateの略称であり日本語では、ポリメチルメタクリレートといいます。一般的にはPMMA(ピーエムエー)膜と呼ばれています。

PMMA膜の特徴としては、β2ミクログロブリンの吸着性が高いということです。PS膜に比べ8倍程度の吸着性があるといわれています。

β2ミクログロブリンの除去については、PS膜は透過でありますがPMMA膜は吸着による除去効果が高いということです。

 

PEPA膜】

PEPApolyester-polymer alloyの略称であり日本語では、ポリエーテルポリマーアロイといいます。一般的にはPEPA(ペパ)膜と呼ばれています。

PEPA膜は、PS膜と同様に疎水性の膜であるため、親水化剤であるPVPを添加して透析膜として使用されています。

PEPA膜の特徴としては、エンドトキシンの血液側への流入が少ないことにあります。透析液と接触している部分において、エンドトキシンを吸着しているとの報告があります。

PAN膜】

PAN膜はpolyacrylonitrileの略称であり日本語では、ポリアクリロニトリルといいます。一般的にはPAN(パン)膜と呼ばれています。

PAN膜は陰性荷電膜として有名である。他にも陰性荷電膜はありますが、PAN膜の陰性は強く、他の膜に比べ陽性荷電物質を吸着してしまいます。

PAN膜の代表的なものとしてガンブロ株式会社製のAN69があります。AN69の特徴として有名なのが陰性荷電症候群です。

陰性荷電症候群とはAN69ACE阻害薬を併用することでブラジキニン産生を引き起こす現象です。ブラジキニンは血圧低下の要因となり、透析が困難になります。

 

PES膜】

PES膜はpolyetersulfoneの略称であり日本語では、ポリエーテルスルフォンといいます。一般的にはPES(ペス)膜と呼ばれています。

PES膜はPS膜と同じような特徴を有しています。しかし、透水性はPS膜に比べ高いものとなっています。

 

【参考文献】

酒井 清孝ほか わかりやすい透析工学 株式会社 南江堂 2012525日 P37-4662-77

 

【さいごに】

最後まで読んでくれてありがとうございます。

ご意見・ご感想がありましたらコメントやメッセージをお願い致します。

 

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