駆け出しCEのblog

臨床工学技士として日々勉強しております。 このブログでは、自身の知識や学んだことを他のコメディカルとも共有したいと思い作成しています。

関東でMEとして働いています。
臨床工学や医療機器について学んだことを
MEの目線から書いていきます。
看護師さんや他のコメディカルでもわかるように
書きますのでみんなで知識を共有していきましょう。


心房中隔欠損症とは


心房中隔欠損


心臓には右心房、左心房、右心室、左心室という4つの部屋があります。この4つの部屋は、弁や中隔により区分けがされております。

心房中隔欠損症とは、右心房と左心房を隔てている心房中隔に孔が開くことで、右心室と左心室がつながってしまう病態を言います。

先天性心疾患の中で最も多いのが心室中隔欠損症であり心房中隔欠損症は心室中隔欠損症に次ぐ2番目に多い先天性心疾患となっています。

 

心房中隔欠損症の種類

   単心房症

発生段階で心房中隔が形成できずに、右心房と左心房が一つの心房のように形成されている病態です。肺血流の増加に伴う心不全症状が現れる。

 

   二次孔型心房中隔欠損症

心房中隔に卵円窩を含む欠損孔がある状態。小児期では症状がみられないことが多く、年齢を重ねるとともに心不全などの症状がみられるようになります。

 

   静脈洞型心房中隔欠損症

卵円窩を含まない欠損孔が上大静脈付近および下大静脈付近にある状態のこと。上大静脈付近に欠損孔がある場合を上位欠損型、下大静脈付近に欠損孔がある場合を下大静脈型といいます。

 

心臓カテーテル検査

心房中隔欠損症が心エコーなどで認められた場合、心臓カテーテル検査にて手術適応かどうかの精査が行われます。

私自身が心臓カテーテル検査に携わる際には下記の項目に注目して検査中のモニタリングを行っています。

   右心房で7%以上のO2 step up

左心房より血液が流れ込むため、上下大静脈よりも右心房内にて酸素飽和度の上昇がみられる。

 

   肺動脈圧

欠損孔が大きい場合、右心房内に流れる血液量が多くなります。従って、右心室内に流れる血液量も増えることから肺動脈高血圧が生じることもあります。

 

   左心房造影時のシャント有無

左心房造影時に左右シャントの有無を確認します。

 

   肺体血流量比が2.0以上あるか

肺体血流量比が1.5~2.0以上ある場合、手術適応となります。

 

②と③はアイゼンメンジャー化の有無を把握するのに必要となります。

 

※肺体血流量比(Qp/Qs

 体循環血流量に対して肺循環血流量がどのくらいあるかを表している。

 正常時で1.0であり、肺循環血流量が増えるにしたがって肺体血流量比も大きくなります。


はじめに

PCPSとは、心肺機能の代替または補助を行う医療機器です。一般的には補助循環装置と呼ばれ、流量を補助する装置です。今回はPCPS(V-A ECMO)がメインでは無く、回路に使用されている血流計について書きます。

PCSPの血流計は、「超音波トランジットタイム型」が使われています。そもそも、なんでPCPS回路に血流計が必要なのかというと、遠心ポンプという前負荷と後負荷によって流量が変動してしまうポンプを使っているので、流量計が必須となっています。

 

トランジットタイム型血流計について

トランジットタイム型血流計とは、血流の順方向と逆方向に、パルス波(超音波)を通過させ、順方向と逆方向の通過時間(Transit time)の差で、血流量を測定するデバイスになっています。


トランジットタイム型血流計測定原理


血流と順方向の場合、通過時間は早くなり、逆方向の場合は遅くなります。

反射板ありも無しも原理的に変わりは無いが、反射板ありの方が、通過距離が長くなり、時間差が大きくなりと考えられます。

 

■この原理の例えに、「歩く歩道」で考えるとわかりやすいです。

歩く歩道とは空港などにある、ひらたいエスカレーターみたいなやつです。

その上を歩くと、〔歩行速度+歩く歩道の速度〕になり、移動速度がはやくなります。逆方向に歩くのを考えると〔歩行速度歩く歩道の速度〕となり、移動速度は遅くなります。


トランジットタイム型血流計測定原理②


この時、歩く歩道の上を決まった歩行速度で、両端から同時に歩き始めると、歩く歩道を渡りきる時間に差が出ます。この差は、歩く歩道の速度が速くなればなるほど広がります。この時間差で歩く歩道の速さを計算できます。


トランジットタイム型血流計の測定式


③トランジットタイム型血流計測定原理

トランジットタイム型血流計測定原理④


気泡検知

このトランジットタイム型血流計には、流速測定以外に気泡検知の機能もあります。音速は空気中で340m/s、水中で1500m/sと違いがあります。なので、気泡が伝搬経路にあれば、音速は1500340m/sに落ちるため、気泡を検知できます。一石二鳥の仕組みといえます。

 

さいごに

身近にある「音」の特性を使って、医療では、いろいろなことが出来ます。他にも、超音波画像診断装置、ドップラー血流計、超音波メス、IVUSなどなど、他にも多数あります。



はじめに

潰瘍性大腸炎や悪性関節リウマチは、病気の原因となる因子がはっきりと解明されていません。しかし、白血球が炎症原因の1つであることはわかっています。そのため、白血球を除去してあげることで炎症症状が軽減されます。今回は、血液浄化領域における白血球除去療法(以下、L-CAPとする)について書いていきたいと思います。

 

L-CAPの仕組み

L-CAPの回路図を以下に示します。

 

 

L-CAP回路図


 

L-CAPは静脈より血液を脱血し、専用の吸着材を使用したカラム内に通すことで白血球を吸着除去するといったものです。カラムの構造は以下の通りになります。

 

 

L-CAPカラム構造

 

吸着材にはポリエチレンテレフタレートが用いられ、顆粒球・単球および一部血小板を吸着します。顆粒球・単球はほぼ100%吸着し、血小板は50%前後吸着されます。血液の流れは図に示したように、吸着材の外側に血液が流入し赤血球や血漿成分は吸着材を通過し、返血されます。このようにして顆粒球・単球、一部の血小板を除去することができます。

 

適応疾患

L-CAPの適応疾患は、潰瘍性大腸炎と悪性関節リウマチの2つです。

    潰瘍性大腸炎

最初に保健適応となった疾患です。ステロイド抵抗性の潰瘍性大腸炎に対してL-CAPを用いた群とステロイドを増量した群とで行われた研究でL-CAPを用いた群が有意に改善が見られたという報告があります。

また、L-CAPの治療有効率は70%程度といわれています。

 

    悪性関節リウマチ

経口リウマチ薬を服用しても改善が見られなかった症例に対して、有意に改善が見られたという研究報告があります。


抗凝固薬

私の勤める施設では、抗凝固薬にメシル酸ナファモスタットを使用しています。潰瘍性大腸炎の場合、消化管出血があるため半減期の短いメシル酸ナファモスタットが有用となります。

メシル酸ナファモスタットは、生食または5%ブドウ糖にて希釈して使用します。


はじめに

人工呼吸器の波形には、ループ波形というものがあり、それは圧容量曲線とフローボリューム曲線であります。圧容量曲線は前に書いたので、見てない方は見てください。今回はフローボリューム曲線について書きます。

 

フローボリューム曲線について

フローボリューム曲線は縦軸を流量:フロー(L/sec),横軸を肺気量:ボリューム(L)の曲線です。


フローボリューム曲線正常波形


流量の正側が呼気で、負側が吸気です。時計周りに曲線が描かれます。

 

横軸の詳細

肺の空気は全部、外に出ることはありません。なので曲線の横幅は、最大吸気量と残気量で決まります。

 

換気障害のフローボリューム曲線

閉塞性換気障害の場合の波形


フローボリューム曲線閉塞性換気障害


閉塞性換気障害は気道抵抗が上がるので、流量が遅くなり、正常波形に比べて高さが無い波形になります。

時定数τRCから考えると、気道抵抗Rによりτが上昇、τの上昇は変化量低下が考えられます。

 

拘束性換気障害の場合の波形

フローボリューム曲線拘束性換気障害


拘束性換気障害は肺のコンプライアンス低下による肺活量減少なので、正常波形に比べて横幅が狭い。

時定数τRCから考えると、肺容量Cによりτが減少、τの減少は変化量上昇が考えられます。

 

波形から見える時定数と変化量について


フローボリューム曲線比較


特異的なフローボリューム曲線

フローボリューム曲線で閉塞性換気障害の種類までわかることがあるそうです。


気管狭窄(上気道の固定性閉塞)

フローボリューム曲線気道閉塞


上気道の閉塞は呼気吸気どちらも流量が低く平坦な波形になります。

 

声帯麻痺(胸郭外閉塞)

フローボリューム曲線声帯麻痺


声帯は吸気時に開いて抵抗を減らしています。なので声帯麻痺が起きると、吸気時のみ気道抵抗が上昇し、吸気流量のみが減少します。

 

さいごに

ほかにも疾患別のフローボリューム曲線は、検索すれば沢山でてきます。それらの波形の形を覚えるのではなく、曲線の仕組みを理解すれば、形だけで呼吸の状態を予測できるのではないでしょうか。






はじめに


前に閉塞性換気障害の記事を書いたので、重複する部分もあると思うんですけがよろしくお願いします。

 

拘束性換気障害の簡易モデルと定義


まず、換気障害の簡易モデルは、肺全体を「気道」と「肺胞」の大きく2つに分けて考えます。

ちなみに左の図が正常で、右が拘束性換気障害のモデル図です。

拘束性換気障害


拘束性換気障害は、、

肺胞部分の容量減少が見れます。

 

拘束性換気障害の定義は、

拘束性換気障害の定義


スパイロメータという医療機器での検査で、

一秒率は70%以上で正常、

%肺活量は80%以下で異常の場合、「拘束性換気障害」だと分かります。

 

※「%肺活量」と「一秒率」の説明は閉塞性換気障害の記事に書いてあるので、それを見てください。

 

拘束性換気障害は、%肺活量が80%以下しかない無い状態です。

なので、気道ではなく肺胞の異常が考えられ、なんらかしらの異常によって肺胞の容量が減少したと考えられます。

 

拘束性換気障害の疾患


1)肺のコンプライアンスの低下⇒肺線維症、間質性肺炎、肺水腫

2)肺容量の減少⇒肺腫瘍、肺水腫

3)胸部の拡張障害⇒肺結核後遺症

などなど、、、

 

時定数τの考え方


※簡単な説明は閉塞性換気障害の記事に書いてあります。

 

今回の拘束性換気障害は、気道抵抗Rは正常で、肺容量Cが減少する。となると、肺に満タンに入るまでの時間が早くなることが想像できると思います。それを容量Cの減少(C/2)による、時定数の減少(τ/2=RC/2)となります。

 

吸いやすく吐きにくい理由


肺のコンプライアンスの低下や肺容量の減少、胸部の拡張障害によって、吸いたい量が吸えないことから、吸いにくく。呼気の場合は、気道閉塞はないので、スムーズに吐ける。

 

さいごに


時定数で例えた話は、フローボリューム曲線の記事の事前準備でもあるので、今回だけでは、必要性があまり感じなかったと思います。なのでフローボリューム曲線の時に繋がるように、頑張って書きたいと思います。

 

参考文献

1. 病気が見えるvol 4 呼吸器

2. 臨床工学ライブラリーシリーズ② 生体物性/医用機械工学






はじめに


呼吸器を設定・使用するうえで、コメディカル自身も疾患系も覚えないといけないと、臨床現場に出て痛感します。その理由として、お医者さんは万能では無く、熟練度も差があり、業務が多忙であるため、大まかな設定をコメディカルに頼ることもあります。

その時に、どんなに人工呼吸器の構造原理や動作を理解してても、期待に応えることが出来ないです。

 

簡易モデルと定義


まず、換気障害の簡易モデルは、肺全体を「気道」と「肺胞」の大きく2つに分けて考えます。

ちなみに下の図が正常だとすると、

気道・肺胞の簡易モデル


閉塞性換気障害は、、

閉塞性換気障害簡易モデル


正常な肺より気道が細く表現されています(わかりやすく赤で表示してます)

 

閉塞性換気障害の定義は、本屋やインターネットで調べればすぐ出てきますが、一応書いときます。


換気障害の病態分類


スパイロメータという医療機器での検査で、

%肺活量は80%以上で正常、

一秒率は70%以下で異常の場合、「閉塞性換気障害」だと分かります。

 

%肺活量について、

肺活量は、肺で呼吸時に移動できる最大の空気量です。

測定者の①性別、②年齢、③身長で「予測肺活量」が出てきます。

予想肺活量算出式

%肺活量は、実測の肺活量と予測肺活量の割合のことです。

%肺活量算出式

一秒率について

限界まで息を吸った状態(肺活量)から、一秒間で吐ききった量(一秒量)の割合。

一秒率算出式


閉塞性換気障害は、一秒間で肺活量の70%以下しか呼出できないということであります。

なので、肺胞ではなく気道の異常がかんがえられ、なんらかしらの異常によって気道抵抗が上がり、呼気流速が遅くなってしまったと考えられます。

  

閉塞性換気障害の代表疾患


1.気管支喘息 (気管のリモデリングによる気道閉塞)

2. COPD:慢性閉塞性肺疾患 (肺胞の弾性力低下による気道虚脱もある)

3.気道異物 (異物が気流の抵抗になる)

 

時定数τの考え方


時定数τ(タウ)とは、簡単に言うと、「安定するまでの変化の時間」です。一般的には電気工学の分野のカットフィルタで使用されます。

なぜ、呼吸の事を書いているのに急に時定数を出したかというと、電気工学の考えが換気障害の考え方をシンプルさせるので、だしました。

 

電子工学では「時定数τ=RC」です。Rはレジスタンスの抵抗値、Cはコンデンサの静電容量を表しており、コンデンサに電子が満杯になるまでの時間を時定数で予測することができます。例えば、コンデンサの容量が大きかったら、、、それはもちろん満杯になるまで時間がかかります(×2C=2τ)。レジスタンスの抵抗値が大きかったら、、、コンデンサに入る電子の流入速度がレジスタンスによって遅くなるので、同じく時間がかかります(2×C=2τ)。逆にそれぞれが小さくなったらと考えたら想像できると思います。

 

その関係性が「気道=レジスタンス」・「肺胞=コンデンサ」に近似しています。

今回の閉塞性換気障害は気道抵抗に伴う時定数τの上昇(変化量減少)となります。

 

私自身、電気電子工学が大好きなので医療現場にある電気電子工学もいつか書きますのでその時に詳しく説明します!!

 

吸いやすく吐きにくい理由


閉塞性換気障害では吸気はできるが、呼気しづらいそうです。気道抵抗が上がると吸気呼気ともにしづらくなると想像してしまうと思います。その理由は胸腔内圧によっての気道抵抗の変化です。

吸気時は大気を取り込むために胸腔内圧は陰圧になります。そうなると気道が周りから引っ張られるので気道が広がり、気道抵抗は下がり、吸気はスムーズになります。

呼気時の大気に肺の空気を吐き出すために胸腔内圧は陽圧になります。そうなると気道が周りから押されるので気道が狭まり、気道抵抗は上がり、呼気がしづらくなります。

気道抵抗説明用


さいごに

あと拘束性換気障害と呼吸不全(拡散障害、換気血流不均衡、シャント、肺胞低換気)も書く予定になっています。呼吸器疾患はこれらの組み合わせが症状になっているので、暗記する量が減ると思います。

 

参考文献

1. 病気が見えるvol 4 呼吸器

2. 臨床工学ライブラリーシリーズ② 生体物性/医用機械工学





小見出しの題

致死性・頻脈性不整脈に対して除細動器やAEDよる電気ショックを行う処置は、医療従事者のみならず一般の方々にも知られています。

しかし、そのような不整脈が頻発する患者さんに対して、毎回のように除細動器やAEDによる電気ショックを与えるのは、不可能でありリスクを伴います。そのために除細動器を体内に植え込み、不整脈の発生時に自動で電気ショックを与えるICDというデバイスがあります。

今回はICD1つであるS-ICDについて書いていきたいと思います。

 

S-ICDとは

S-ICDとは日本語で皮下植え込み型除細動器といいます。通常のICDは左鎖骨下の胸部にポケットを作成し、リードを左鎖骨下静脈内を通し右心房に留置しますが、S-ICDは左腋窩直下に本体を埋め込み、剣状突起左縁および胸骨左縁と肋骨の間にリードを留置します。

 

S-ICDのメリット

血管や心臓をリードが通過しないため、三尖弁の機能不全や心内膜炎などの合併症が生じません。また、植え込み時にX線を使用しないため被ばく量の軽減にもつながります。また、リード断線のリスクも通常のICDに比べ低くなります。

 

S-ICDのデメリット

S-ICDは通常のICDに比べ本体が大きくなるため、本体埋め込み時の創傷部が大きくなり、切開痕も3か所と多くなります。また、ペーシング機能がないため対象となる不整脈が限られてきます。

 

適応疾患

    ブルガダ症候群

    突発性心室細動

    QT延長症候群  など

上記のような、徐脈ペーシングの必要のない致死性不整脈がS-ICDの適応となります。

 

MEのかかわり

S-ICDの植え込み後6か月から1年間隔でS-ICDの動作チェックを行います。


mizu


はじめに


透析患者の水分管理は、血液透析を行う上で最も重要な項目の1つです。血液透析で除水を行う際、ドライウェイトに近い体重を目指しますが、自身での水分管理ができていない患者さんは、1回の透析で5kg以上も体重が減少します。急激な除水により血圧低下などをきたせば、治療中止や目標体重まで除水を行えなくなります。

今回は、医療従事者の立場で患者さんの水分管理についてどのように介入すればいいのかを考えましたので簡単にまとめていきます。

 

水分制限について

透析患者に対して、水分を制限するのは心不全の防止や負担の少ない血液透析を行うために必要であります。しかし、のどの渇きを我慢するのはなかなか難しいことです。また、何十年と水分を無理に制限することは患者さん自身のQOLを大いに低下させるものです。

このことから、いかに我慢せずに水分量を減らしてもらうかが、慢性透析では必要となります。

当院で行っている水分制限に関する指導は以下の項目です。

 

   薄味の料理を食べてもらう。

濃い味付けの料理となると、必然的に塩分量が多くなります。塩分が多くなると血中のナトリウム濃度が高くなり水分が欲しくなります。食事時に摂取する水分量をなるべく少なくするためには、薄味の料理にしなければなりません。

 

   湯呑のサイズを小さくし、熱めにする。

湯呑のサイズを小さくすることで1回に摂取する水分量を減らします。さらに熱くすることで、ゆっくり飲むようになるため少量でも満足することができます。

 

   麺類や鍋物を避け揚げ物や炒め物をとる。

ラーメン、うどん、そばや鍋などは食事自体の水分量が多くなります。そのため、なるべく水分量の少ない焼く、炒める、揚げるといった調理法を用いた料理が好ましいです。

 

   アルコールの量を減らす。

アルコールを摂取することで自制が効かなくなり、大量に水分を摂取することにつながります。そのため、アルコールは少量にしなければなりません。個人的には禁酒してほしいですが、、、

 

   氷にて水分補給を行う。

特に夏場になると、大量の水分が欲しくなります。このような場合では、氷をかまずに舐めてもらうことが効果的です。

 

指導方法

透析患者の中には、長年の透析や水分・食事制限に対してストレスを感じている方もいます。このような場合に「頑張りましょう」と声をかけるのは逆効果となる場合があります。そのため、患者さんの主張を聞き入れながらうまく誘導しながらこちらの意見を伝えることが必要になります。

 

さいごに

病院によっては、専門の栄養士や調理師が指導にあたる場合もあります。しかし、治療に関わる私たちが、生活面での水分・食事制限に対して何も知らないというわけにはいきません。


はじめに


呼吸器を患者さんに装着して、患者さんの呼吸の状態を把握するために、グラフィック波形があります。波形の形や大きさで患者さんの呼吸の状態を予想出来たり、適切な呼吸器の設定かどうかもわかります。今回はループ波形の圧量曲線について書きます。

 

圧量曲線


圧量曲線は、縦軸が容量[mL]で、横軸が圧力[mmH2O]のグラフで出来ています。陽圧換気の場合は、反時計周りに吸気⇒呼気の順番で波形は作られます。正常な波形は「葉っぱ」に似ています。

圧曲線について


圧容量曲線から解ること、

   コンプライアンス

   呼吸仕事量:気道抵抗

   適正PEEP()

   肺胞過伸展

これら4つについて解説します。

 

①コンプライアンス


コンプライアンスとは、簡単に言うと肺の柔らかさを表しています。単位は[L/mmH2O]なので、このグラフ自体が、肺の柔らかさを表すグラフといっても過言ではございません。

 

その柔らかさを見定め方は、グラフの始点と、呼気と吸気の切り替わりのところを、繋いだ接線の「傾き」で肺の柔らかさが分かります。

 

正常コンプライアンス

正常コンプライアンス


高いコンプライアンス(柔らかめ)

正常コンプライアンス


圧がそんなにかかっていないけど、換気量が入っているのが分かると思います。

なのでこの波形の肺は、柔らかい=高いコンプライアンス といえます。

 

低いコンプライアンス(かため)

低コンプライアンス


圧が高くかかっているけど、換気量が入っていないのが分かると思います。

なのでこの波形の肺は、かたい=低いコンプライアンス といえます。

 

ザックリいうと

傾きの、「倒れ気味」と「立ち気味」のどっちかで、直感的にわかるということです。


②呼吸仕事量:気道抵抗


波形の「面積」でもわかることがあります。

それは、

呼吸仕事量①



オレンジ色で塗られた面積で呼吸仕事量が分かるということです。

具体的に言うと「この面積と呼吸筋の消費する酸素量が比例関係である」ということです。

 

まず、この塗られた面積を分割し説明します。

呼吸仕事量②


この塗られた面積は、「弾性抵抗に対する仕事」を表しています。

そうなるとコンプライアンスが低い方が、呼吸仕事が多いことが分かります。

 

残りの面積は、「粘性仕事量に対する仕事」を表しています。

粘性仕事量の大部分が気道抵抗を表しています。

 

呼吸仕事量③



吸気(下)のカーブが、曲がっているほうが、気道抵抗が多いことになります。

 

気道抵抗が大きい場合、


呼吸仕事量④


という波形になります。

③適正PEEP(仮)

適正PEEPの正確な指標ではなく、PEEPの設定を参考程度に見ている施設もあるということを踏まえて読んでください。

 

適正PEEP


このような波形は特別珍しい波形ではありません。

 

呼吸器疾患がある場合、正常な肺胞と虚脱した肺胞が混ざっている状態にあります。

すると回路内圧の上昇で、虚脱した肺胞が拡張し動員され、ある圧で急激に換気量が増加する。その気道内圧をinflectin pointといい、日本語で「変曲点」といいます。

 

なのでinflectin point PEEPにすると虚脱した肺胞を拡張させたままにできます。

 

④肺胞過伸展

肺胞過伸展


この「鳥のくちばし」みたいな形は肺胞過伸展を表しており、一回換気量が適正より多いことを表しています。

 

回路内圧は上がっているのに、換気量が入らないので鋭い波形になっています。

 

この場合は一回換気量を下げると波形はもとに戻ります。



はじめに

生体機能代行装置の人工心肺や人工透析では、血液を体外に出して、酸素加や電解質の補正などを行います。同じ体外循環でも、血液流動は異なってきます。

今回は集軸効果(シグマ効果)について書きたいと思います。

 

集軸効果について

「集軸効果」とは別名「シグマ効果」と呼ばれています。この効果が発見された経緯について書きます。血液が血管内を流れるとき管の半径が、0.015cm以下なると、ハーゲン・ポワズイユの式を用いて求めると、みかけの粘性率は半径の減少とともに減ることが見られそうです。粘性率が減少した理由として、血球が血管の中心部に集まり、血管壁には血漿成分のみが接触するため、粘性率が低下したと言われています。

なぜ赤血球が中心部に集まるかというと、

層流時の速度分布


層流の場合、血流の粘性によって流れを止めようとするずり応力が流体中に働き、壁近くは流速が低く、管軸部
(管の中心部)で最大流速になるため、放物線状の速度分布になる。

層流時の血球分布図











そうなると、血球に揚力が働き、血球が血管の中心方向に移動する。それを集軸効果といいます。

 

人工腎臓と人工心肺について

人工腎臓(ダイアライザーなど)の膜構造について、一般的には中空糸型の内部灌流型となっています。この中空糸の中でも集軸効果が起きています。そうすると、透析は血液の血漿成分を対象としているため、膜近くには血漿成分しかなく、通過時の抵抗率(粘性率)も抑えられることになります。

逆に血球成分を対象にしている人工肺は、一般的な膜構造が、中空糸の外部灌流型であります。その理由もシグマ効果が起きると、血球と膜の距離が遠くなると考えられます。

 

さいごに

血液の挙動や特性は、物理的、工学的に解明されています。血液なら「流体力学」だけかなと思う人もいると思う方もいると思います。血液は固体物質である血球成分と流体物質の血漿成分から構成されるため、「レオロジー」という、弾性理論(固体物質)と流体力学(流体物質)の境界領域の学問も必要であります。

 

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