駆け出しCEのblog

臨床工学技士として日々勉強しております。 このブログでは、自身の知識や学んだことを他のコメディカルとも共有したいと思い作成しています。

関東でMEとして働いています。
臨床工学や医療機器について学んだことを
MEの目線から書いていきます。
看護師さんや他のコメディカルでもわかるように
書きますのでみんなで知識を共有していきましょう。

【はじめに】

1952年に世界初の血液分析装置が発売され、1969年に皮膚上に電極を装着して血液ガス分析を行う方法が確立された。経皮的血液ガスモニタは、採血を行わずに血液ガス分圧を連続的にモニタリングができるため、NICUで急速に普及していった。

 

【測定原理】

経皮的血液ガスモニタでは、測定するセンサにヒーターがついており、皮膚を4244に加温する。そうすることで毛細血管の血流が増加し動脈化を促進する。さらに角質のガス透過性が亢進するため、毛細血管から角質層を拡散によってガスが通過しやすくなる。そのため、皮膚上の電極でも動脈血の血液ガス分圧を測定できるということである。

経皮的に測定される酸素分圧はPtO2、二酸化炭素分圧はPtCO2と表記される。

   PtO2

新生児の場合、角質が少ないため、加温した状態でのPtO2PaO2とほぼ等しくなる。しかし、成人では角質が多いため、PtO2PaO2よりも低い数値となる。

 

   PtCO2

PtCO2の測定は、角質層での拡散抵抗が低いため、皮膚を加温しなくても測定ができる。しかし、血液ガスが拡散し皮膚上で測定する過程において、代謝によりCO2が産生されることからPtCO2PaCO2よりも高い値を示す。

 

経皮血液ガスモニタは、動脈血を採血し血液ガス分析を行う方法に比べ、正確さには劣るが、相関性はあるため、経時的なモニタリングには有効であると私は考えています。

 

【参考文献】

石原 謙 臨床工学講座 生体計測装置学 医歯薬出版株式会社 2012120日 P172~173

【はじめに】

メシル酸ナファモスタットは、蛋白質分解酵素阻害薬であり、血液浄化においては抗凝固薬として使用されます。それ以外では、急性膵炎の治療薬としても使用されております。

今回は血液浄化において、抗凝固薬としてのメシル酸ナファモスタットについて書いていきます。

 

【特徴】

メシル酸ナファモスタットの特徴としては、半減期が短いという所です。ヘパリンの半減期が12時間、低分子ヘパリンの半減期が24時間であるのに対してメシル酸ナファモスタットの半減期は約8分であります。血液浄化療法における抗凝固薬の投与は、体外循環回路から行われます。メシル酸ナファモスタットの場合、上記でも述べたように半減期が短いため、患者さんの体内到達するころには、抗凝固の効果が低下しております。つまり、体外循環回路内のみで抗凝固効果が得られるということです。

 

【注意点】

メシル酸ナファモスタットは陽性荷電であるため、陰性荷電の膜では使用に適さない。低血流で血液浄化を行う場合は、回路内で血液の滞在時間が増えるため、途中で抗凝固効果が低下することがある。

【初めに】

IABPを行う場合は緊急時であり、一刻も早くバルーンを挿入しなければならない。そのため医師の指示が出る前に、適切なサイズのバルーンを準備しなければならない。そのためIABPのバルーンサイズは、何によって決定しているか把握しておく必要があります。

 

【バルーンサイズの選択】

IABPのバルーンサイズは、患者の身長によって決定しています。以下に示すのは、私の勤める病院で用いているIABPバルーンサイズ決定の指標です。

IABPのバルーンサイズ


   ※高度石灰化病変の場合、ワンサイズダウン

75歳以上の場合、ワンサイズダウン

 

バルーンサイズの選択は、メーカーにより若干異なってくるので、勤めている病院で使用されている物品の確認は必須です。

リスク因子のある患者さんに対しては、医師の指示に従ってバルーンサイズの変更も必要だと個人的には考えております。

 

【最後に】

病院のどこにIABPのバルーンやシースがあるのかは、日頃の業務で確認し、緊急時に備えておかなければなりません。バルーンサイズの選択が適切にできる知識をもっていても、物品の位置が分からなければ意味がありません。

【はじめに】

近年、医療機器の多様化や精度・技術の向上によって、患者さんが痛みを伴わない(低侵襲)医療機器が増えてきています。その代表格として、手術部門では手術支援ロボット(da Vinci)、検査部門では、カプセル内視鏡だと私は考えています。

本日は、カプセル内視鏡について書かせていただきます。

 

【原理】

カプセル内視鏡には、光源(LED)、撮影素子、アンテナなどがついています。患者さんがカプセル内視鏡を呑み込んだ後、光源で体内を照らし、撮影素子で体内を撮影し、アンテナでデータを送ります。

この時、患者さんは小型の受信機を身に着けて生活をします。この受信機に、体内のカプセル内視鏡からデータが送られてくるということです。

 

【検査方法】

主に使用されるのは、小腸の異変を調べるためです。患者さんは検査前に約8時間程度の絶食期間が必要となります。

カプセルを呑み込んだ後は、約2時間で体外に排泄されます。この時、排泄したカプセルは回収して、各市町村の決まりに従って患者さん自身で廃棄します。

 

【その他】

カプセルが排泄されない場合は、開腹手術が必要になる場合もあります。

HITとは】

ヘパリンは、血小板に対して刺激作用を持っております。そのため、血小板凝集を亢進させ、白色血栓の形成が促進される。その結果、血小板機能障害や体外循環回路内へ残血が増え、血小板が消費されてしまう。このように、ヘパリン投与によって血小板数が減少することをヘパリン起因性血小板血栓症(HIT)といいます。

 

HITの種類】

HITはⅠ型とⅡ型に分けることができ、一般的に問題とされているのはⅡ型であります。

I型の発症はヘパリン投与後数日で、血小板の減少率も15%程度であります。また合併症などもなく、ヘパリンの継続使用が可能であり、自然に回復していきます。

Ⅱ型の発症はヘパリン投与後1~2週間で、血小板減少率も40%程度であります。Ⅰ型と異なりヘパリン依存性の抗体が出現するため、ヘパリンの投与は中止となる。ヘパリンの投与を中止すると症状は改善する。

 

【対応】

ヘパリンに対する抗体(HIT抗体)が形成されるⅡ型のHITの場合は、ヘパリンに代わる抗凝固薬の使用が必要である。そのため、抗トロンビン薬であるアルガトロバンの使用が必要となります。しかしアルガトロバンは、ヘパリンに比べ体外循環回路内の残血が多くなってしまう。

【低分子ヘパリンとは】

低分子ヘパリンは未分画ヘパリン(通常のヘパリン)を分画することで得られる、分子量が4,0006,000(ヘパリンの分子量は30,00035,000)のヘパリン製剤のことを言います。

 

【低分子ヘパリンの作用】

低分子ヘパリンは、抗トロンビン作用と抗Xa作用により血液凝固を抑制しています。未分画ヘパリンと異なる点としては、主な作用が抗Xa作用であるというところです。

体外循環回路内での凝血はXaの作用、凝固時間の延長効果はトロンビンの作用に依存していることから、低分子ヘパリンは、出血傾向のある患者さんに使用されます。

低分子ヘパリンの半減期はヘパリンよりも長く24時間であるため、ヘパリンに比べ投与回数を減らすことが出来ます。

 

【問題点】

半減期がヘパリンよりも長いため、作用時間が長くなる。さらに、活性化凝固時間(ACT)の測定が正確に行えないため、凝固時間のモニタが不可能である。

※特殊凝固活性剤(Xa加入)を用いればACTの測定が可能

【はじめに】

臨床工学技士が携わる業務で、抗凝固薬はよく使用されています。代表的な業務としては、血液浄化業務と人工心肺・補助循環業務があります。抗凝固薬は医師が処方するのですが、臨床工学技士を含め、その業務に携わることのあるコメディカルもそれぞれの抗凝固薬について特性を理解する必要があります。

 

【ヘパリンの作用】

ヘパリンの作用は、Xaとトロンビンの作用を抑制することによって、凝固時間が延長している。特にトロンビンの作用を抑制する抗トロンビン作用が主な作用である。

トロンビンは、血液が凝固する過程で必要な酵素の一つであります。そのトロンビンに対して拮抗作用を持つのがアンチトロンビンであります。ヘパリンは、アンチトロンビンに結合することで、その作用を増加させます。そのため、血液の凝固が抑制されます。

ここで重要なのが、ヘパリン自体には抗凝固作用がなく、アンチトロンビンと結合することで、その作用を増加させるということです。

ヘパリンの半減期は、12時間であり、血液透析や人工心肺、補助循環などで使用される最も使用される抗凝固薬となります。

 

【問題点】

  抗凝固薬であるため、出血が生じた場合に血液が凝固しにくく、出血性ショックを引き起こしやすくなります。

  脂質分解作用、骨脱灰作用などの抗凝固以外の作用もある。

  ヘパリン起因性血小板減少症を引き起こす場合がある。

 

【余談】

ヘパリンは豚の腸粘膜由来の物質であります。

【深部静脈血栓症とは】

深部静脈に血栓が生じ、その血栓により静脈閉塞をきたすこと。主に、下肢の静脈で生じることが多い。

 

【原因】

主な原因として、血流停滞、血管内皮障害、血液凝固亢進があげられる。

手術中や寝たきり状態、血液透析中などの長時間同じ姿勢を維持することによって生じる。

深部静脈血栓症の要因

【治療】

血液抗凝固薬や血栓溶解療法(ウロキナーゼ)による場合や、カテーテルを使用し経皮的に除去する。場合によっては、外科的な手術により除去する場合もある。

 

※震災発生時には、避難所生活により「活動性の低下」、「水分の規制」、「震災による外傷」によって深部静脈血栓症が生じやすく、実際に死者も出ている。

 

【最後に】

私の職場では、深部静脈血栓予防として、長時間手術や長期臥床の患者さんに対しては、間欠的に空気で下肢を圧迫するDVT予防器を使用しています。そのため、回転率が高く点検しては貸し出すといった、自転車操業状態の日もあります。

 

【参考文献】

肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)


【はじめに】

血液透析において、溶質除去と並び重要である除水について書いていきます。透析患者は腎機能の低下により尿を生成することができません。尿を生成できなくなると、血中に不要な物質(尿毒素)がたまります。さらに、余分な水分を体外に出すことが出来なくなるため、体内の水分量が多くなります。そのため、心臓に負担がかかり心不全につながります。

 

【除水の原理】

透析液の供給は密閉系となっています。密閉系とは、外部からの流入が無いまたは流入が無いということです。

ダイアライザーの流れ

つまり、図に示すように500mL/minで供給した透析液は500mL/minで返ってくるということであります。

ここで、500mL/minでしか供給していない透析液が510mL/minで返ってくるとします。すると、


ダイアライザーの流れ(除水あり)

このように、足りない10mL/minを血液側から引き込みます。血液透析における除水は、このようなイメージです。透析液出口側より陰圧をくわえることで、血液側より水分を引き込み除水を行っております。

 

【注意点】

急激な除水を行うと、体内の水分が急に抜かれるため(ボリュームの低下)、患者さんの体がその変化についていけず、急激な血圧低下を引き起こします。そのため、除水を行う時は患者さんのリフィリンググレードを考慮して行う必要があります。

特に糖尿病の方は、血管の伸縮性が低下していることが多いため、血圧の変動が大きい場合があります。


【はじめに】
 IABPは、intra-aortic balloon pumpingの略であり、心機能が著しく低下して自己の心臓だけでは、循環動態を維持できない場合に使用される補助循環装置の一つである。

【バルーン留置部位】
 IABPは下行大動脈内にバルーンを留置する。詳しく説明すると、透視下において左鎖骨下動脈の2cm下行で、腎動脈などを塞がない位置とされている。私の所属している病院では、IABPのバルーンを挿入するときは、必ずX線透視下で行われることになっています。臨床工学技士独自のチェック表でも「X線透視下でのバルーン挿入を確認」という項目があります。

【効果】
ダイアストリック・オーグメンテーション
 心室の拡張期にバルーンを膨らますことで、拡張期圧が高まる。さらに、下行大動脈へ流れようとした血液が、バルーンが拡張することによって冠動脈へ流入しやすくなる。まとめると、バルーン拡張によって冠動脈血流量の上昇、拡張期圧の上昇がもたらされる。

シストリック・アンローディング
 心室の収縮期にバルーンを収縮させることで、今までバルーンが拡張していた分の容積が無くなり、下行大動脈に血液が流れやすくなる。この時、通常よりも低い圧力で血液を送り出すことが出来ることから、後負荷が軽減し、結果的に心仕事量が低下することで心筋の酸素消費量も低下する。まとめると、バルーンの収縮により後負荷の軽減、心仕事量の軽減、心筋の酸素消費量減少がもたらされる。

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