駆け出しCEのblog

臨床工学技士として日々勉強しております。 このブログでは、自身の知識や学んだことを他のコメディカルとも共有したいと思い作成しています。

関東でMEとして働いています。
臨床工学や医療機器について学んだことを
MEの目線から書いていきます。
看護師さんや他のコメディカルでもわかるように
書きますのでみんなで知識を共有していきましょう。



【はじめに】

以前にも人工鼻について書きましたが本日は、人工鼻の利点と欠点を書いていきます。また、点検時の着目点などについても書いていきます。

 

【利点】

人工鼻を使用することで、加温加湿器が不要になります。加温加湿器が無いことで加温加湿器の設定ミスや水の入れ忘れなども防止することが出来ます。そのため、人工呼吸器の管理が容易となります。

私の勤める病院では、病棟で使用されている人工呼吸器のラウンド点検を毎日行っていますが、加温加湿器仕様の場合だと加温加湿器と呼吸回路の接続や設定温度、加温加湿器の設定モードなども確認しないといけないため、人工鼻を使用している場合に比べ、点検に時間がかかります。このことから、人工鼻使用の場合は、回路がシンプルかつ点検が容易になると私は考えます。

人工鼻には、バクテリアフィルタ機能があるため、感染症のある患者さんでも人工呼吸器側回路の汚染を防止することができます。

 

【欠点】

人工鼻を使用している場合は、Yピースと挿管チューブ間の死腔量が増加します。さらに、加温加湿器仕様の回路に比べ回路抵抗が増加することも考慮しなくてはなりません。喀痰などの分泌物の多い患者さんの場合では、人工鼻に分泌物が付着することで、回路抵抗がさらに上昇し、Auto-PEEPの要因となります。

加温加湿器やネブライザーとの併用が禁忌であるため、使用したい場合には回路交換が必要になります。

その他にも低体温の患者さんには適さないことや、定期的な交換が必要などといったことも欠点にあげられます。私の勤める病院では、人工鼻を1日おきに交換することになっており、人工鼻に日付を書いて交換忘れなどを防ぐ取り組みをしています。

 

【点検時】

人工鼻仕様の人工呼吸器を点検する時には以下の項目に注意しています。

  人工鼻の使用期限は守られているか。

  人工鼻と呼吸回路はしっかりと接続されているか。

  加温加湿器、ネブライザーと併用されていないか。

  人工鼻に結露はあるか。

  人工鼻に分泌物の付着はないか。

  回路内圧の上昇はないか。

 

【さいごに】

人工鼻の交換時期は人工呼吸器関連肺炎(VAP)を考えると48時間おきが良いと思われますが、私の勤める病院ではフィルターとしての性能を考慮して24時間おきとしています。

人工鼻の交換時期や点検項目などは、病院ごとで異なってくると思います。

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【はじめに】

病院で心臓カテーテル業務に属している方はよく聞く言葉だと思います。多くの病院では、カテラボによる自動計算により求められていますが、どのようなパラメータによって算出されているのか把握しておく必要があります。

弁口面積とは、血液が心臓の弁を通過する際の弁の開口面積のことです。健常人では3.0~4.0cm2程度であり、弁口面積の大きさにより弁膜症の有無を判断します。

 

【弁口面積の算出】

弁口面積は、弁を通過する血流量と弁前後の拡張期圧較差により算出することが出来ます。

弁口面積の算出式

【基準値】

弁口面積の基準値


数値は変わりませんので、片方だけ覚えれば大丈夫です()

【最後に】

カテラボでの測定による弁口面積の算出は、カテラボ操作者がサンプリングする圧波形により行われます。適切な圧波形を見極めないと、治療方針が大きく変わってしまうこともあります。


【はじめに】

吸気は横隔膜が下がることにより、胸郭が引き付けられ陰圧が生じることで生じます。呼気は、肺や胸郭の弾性によりもとに戻ることで生じます。つまり肺や胸郭には弾性があり、その弾性により呼吸が行われております。

人工呼吸器を使用する時にも、コンプライアンスは非常に重要であり、コンプライアンスの程度により人工呼吸器のモードや設定を決めたりします。

 

【コンプライアンスとは】

コンプライアンスとは、1cmH2Oの圧を加えたときにどのくらい容量(mL)が変化したかというものであり、

コンプライアンス=ΔV/ΔP

で求めることができます。単位はmL/cmH2Oでありコンプライアンスが4mL/cmH2Oだとすると、1cmH2Oの圧を加えたときに容量が4mL変化したということです。

 

【静的コンプライアンス】

人工呼吸器を使用しているときに、呼吸回路を遮断し、送気を停止して気流がゼロになった時のコンプライアンス。

 

【動的コンプライアンス】

吸気から呼気に移り変わるときの圧力で、変化した容量(変化量:ΔV)を割って求めるもの。

 

【最後に】

肺コンプライアンスは、高いほど膨らみやすいということになります。病態によっては、コンプライアンスが低下したり上昇したりします。コンプライアンスの評価はグラフィックモニタでできるため、人工呼吸器に表示される波形はとても重要になります。また、換気モードにより波形も変化するのでコンプライアンスの概念と換気モードの原理を理解しておく必要があります。

【はじめに】

血液透析で使用される人工腎臓(以下ダイアライザーとする)は、中空糸型が大半を占めています。また、中空糸型以外のダイアライザーを見たことの無い人も多いと思います。中空糸型のダイアライザーは、プライミングボリュームを少なくできるのに対して、有効膜面積が大きいため非常に効率の良い人工腎臓となっています。

そして血液透析の場合、中空糸の中を血液が流れ、中空糸の外側に透析液が流れるというのが一般的であります。ではなぜ、この方式なのか説明していきます。

 

【中空糸内での血液の流れ】

中空糸は内径が200µmと細く本数が約1万本あるため、血液が中空糸に流入する前と流入した後の圧力差が大きくなります。イメージとしては、広い一本道の国道を大量の車が走っているとき、前方に1万本の分岐が現れるといった感じです()

中空糸の流入後と流入前の圧力差が大きくなる、つまり圧損失が高くなると、血液(流体)は、層流といった流れ方になります。層流とは、中心部に行くほど流れが速く、両側では流れが遅くなる流れ方です。イメージとしては、川岸では流れが遅く、川の中心部では流れが速いといったものです。

中心部で流れが速くなると血球成分は中心部へ集まりやすくなり、血漿成分は、両側を流れます。

 

【物質の動き】

血液透析は、拡散により不要物質の除去を行います。物質の除去は、血漿成分から行うため、透析膜の近くには血漿成分が多い方ほど効率が良くなります。

つまり、中空糸の中心部に血球成分が集まり、その両側に血漿成分が流れてほしいということです。

このことから、中空糸の中を血液が流れ、外側に透析液が流れる方式は、透析効率の点から考えると非常に効率が良いものになります。

 

【最後に】

分かりにくい説明になって申し訳ございません。いろいろなご意見をよろしくお願いいたします。

【はじめに】

人工呼吸器の使用中にガス配管から送気される酸素や空気は、加湿されていません。そのまま患者さんへ供給すると気道粘膜の乾燥を引き起こし、感染症などの原因となります。そのため、人工呼吸器使用中には人工鼻もしくは加温加湿器を使用して供給ガスを加湿しなければなりません。

 

【加湿原理】

人工鼻はフィルターのようになっており、Yピースと挿管チューブの間に装着します。

加湿原理としては、患者さん自身の呼気ガスに含まれる水蒸気を人工鼻のフィルターでからめとり、人工呼吸器の送気ガスと共にフィルターにからめとられたガスが患者さんへ供給されるとなっています。つまり、自分自身の呼気ガスに含まれる水蒸気により人工呼吸器からの供給ガスを加湿するということです。

 

【注意点】

   加温加湿器との併用禁忌

人工鼻は加湿原理上、加温加湿器と併用することでフィルターの目詰まりを引き起こし、呼吸抵抗の要因となります。そのため、人工鼻と加温加湿器の併用は禁忌となっています。

 

   ネブライザーとの併用禁忌

ネブライザーとの併用も、加温加湿器と同様で禁忌事項となっています。

 

   低体温の患者さんでは使用不可

患者さんが低体温の場合、呼気ガスに含まれる水蒸気量が少ないため、患者さん自身の呼気ガスを加湿に使用する人工鼻では、加湿効果が得られない。

 

   気道内分泌物の多い患者さんでは使用不可

気道内の分泌物が人工鼻に付着すると、呼吸抵抗が上昇するため、使用は不可となっています。

【はじめに】

保育器は主に新生児集中治療室(NICU)で使用されており、NICUにおいて重要な機器の1つであります。

私の勤める病院では、保育器の清拭、点検のすべてを臨床工学技士が行っており、他の機器に比べ時間をかけ点検をしています。

 

【目的】

   保温

最低限のエネルギーで体温維持が行えるように、常に至適な温度を保たなければならない。

   保湿

蒸散や不感蒸泄などにより体温が奪われるため、保育器内では常に一定の湿度を保ちます。

   感染防止

免疫力の低下した新生児が通常の外気にさらされると、空気中の細菌などによる感染症が生じる可能性があります。そのため保育器では、フィルターにより空気中の細菌やゴミをカットします。

   酸素供給

未熟児の場合だと呼吸器系が未発達なことがあるため、空気中の酸素濃度(21%)よりも高い酸素濃度に設定します。

 

【保育器の種類】

   閉鎖型保育器

加温した空気を保育器内で循環させます。閉鎖空間であるため、温度・湿度、酸素濃度のコントロールが容易であります。

   開放型保育器

機器本体上部に取り付けられたヒーターにより加温するシステムです。速やかな加温が可能であることや常に開放状態であるため、外科的な処置が容易に行えます。

   搬送型保育器

病棟移動など、児の移動時に使用され、移動中はバッテリー駆動になる。

 

【参考文献】

一般社団法人 日本医療機器産業連合会 HP

【はじめに】

光干渉断層撮影(以下OCTとする)は、もともと眼科領域で網膜の状態評価で使用されていたが近年、冠動脈内の評価にも用いられている。イメージングワイヤーを冠動脈内に挿入し、波長が約1300nmの近赤外線を照射することで冠動脈の断面像を描出することができる。

測定時には、血管内の血液を除去する必要があり、バルーンを拡張させ冠動脈を閉塞し乳酸リンゲル液を注入するTD-OCTと冠動脈内に造影剤をフラッシュし高速スキャンを行うFD-OCTがある。私の施設では、FD-OCTが使用されています。

 

【特徴】

OCTの画像分解能は1020μmでありIVUSに比べ約10倍である。しかし、画像深達度は2mm以下とIVUSに比べ劣ります。

OCTは、冠動脈内表面の微細な描出に優れており、薬剤溶出性ステント治療後の評価(新生内膜被覆状態)などに有用であります。

内膜は高輝度領域として描出され、中膜は低輝度領域、外膜は高輝度領域として描出されます。

見え方としては、イメージングワイヤーが中央にあり、内膜、中膜、外膜と描出されます。

画像の見方は、IVUSとほとんど同じですが、測定原理の違いでそれぞれ一長一短があります。

 

【使用のタイミング】

使用のタイミングはIVUSと同じで、バルーン拡張前、バルーン拡張後(ステント留置前)、ステント留置後であります。

 

【最後に】

IVUSOCTはそれぞれの特徴があり、医師によって好みも分かれます。そのため、治療前に医師確認することが必要となります。

【はじめに】

冠血流予備量比(以下FFRとする)は、冠動脈内に圧力センサーのついたガイドワイヤーを挿入し、狭窄部位前後の圧測定を行い、冠動脈狭窄による重症度を評価するものである。

圧センサー付きガイドワイヤーは一般的にプレッシャーワイヤー(pressure wire)と呼ばれており、大動脈圧(Pa)と狭窄病変遠位部の冠内圧(Pb)を同時測定することができ、FFRは下記の式により算出される。

FFR算出式

FFR測定の際には、最大冠血流にする必要がある。そのためには、冠動脈の拡張を最大にしなければならない。一般的に使用されているのはATPであり、FFR測定の際にはATPを投与し最大冠血流を模擬しなければならない。

 

【評価】

一般的な評価を下記に示します。それぞれの病院で評価基準は異なってきますが大きな差はないと思います。

FFR数値分類

【最後に】

FFR測定後のプレッシャーワイヤーを病変部位から引き抜いた際、FFR1.0にならない場合は、再測定が必要になります。要因としては、温度ドリフトや病変部位にセンサーが接触したことなどが考えられます。

病変部位にプレッシャーワイヤーを挿入する前と後に必ずFFR1.0になることを確認する必要があります。



【はじめに】

血管内超音波(以下IVUSとする)は、血管内に超音波カテーテルを挿入し、血管内壁全周に超音波を照射することで、血管断面を観察するものであります。

一般的には、PCI施行時にバルーン・ステントサイズの選定や、治療後の評価などに使用されています。

 

【特徴】

PCI用のガイドワイヤーを併用し超音波カテーテルの挿入が可能であり、血管径やプラーク全体を描出することが出来る。そのため、プラーク量の把握やバルーン・ステントサイズの選定に有用であります。

OCTと比べ、画像深達度は5mmと優れているが、冠動脈内表面の描出は劣る。

冠動脈は、内膜、中膜、外膜の三層構造となっている。内膜は高エコー輝度領域として白く描出され、中膜は低エコー輝度領域として黒いリング状に描出、外膜は高エコー輝度領域として白く表示される。

見え方としては、中心に超音波カテーテルが表示され、その周りがガイドワイヤーのアーチファクトにより白く描出される。そして、血管の内腔があり内膜、中膜、外膜であります。

※ステントは白く描出されます。

 

【使用のタイミング】

IVUSを使用するタイミングとしては、バルーン拡張前、バルーン拡張後(ステント留置前)、ステント留置後であります。

まず、バルーンによる病変部の拡張を行う前に、病変部のある血管の内径や、病変部の長さをIVUSにより把握します。これにより、バルーンの長さや容量を決定します。次に病変部の拡張後の血管径や、内膜の状態を観察し、ステントのサイズを決定します。最後にステント留置後の血管内膜とステントの圧着具合を観察するためにIVUSを使用します。

【はじめに】

アルガトロバンは合成抗トロンビン薬であり、半減期が3040分の抗凝固薬です。血液浄化療法や人工心肺・補助循環では、ヘパリンに比べ使用される場面が少ない薬剤ですが、非常に重要な薬剤の1つです。

 

【特徴】

アルガトロバンを使用するのは以下の場合があげられます。

    先天性ATⅢ欠損症

    急性のATⅢ減少

    ヘパリン起因性血小板減少症

ヘパリンは、ATⅢと結合することでATⅢの効果を増加させる作用を持ちますが、アルガトロバンは単体でATⅢと同じ効果を持ちます。簡単に言うとヘパリンは、単体で抗凝固作用は持っていないが、アルガトロバンは単体で抗凝固作用を持っている薬剤になります。そのため、上記で述べたような症例に対しても使用できるということです。

多くの場合、抗凝固薬の第一選択としてはヘパリンが選ばれますが、原理的にヘパリンの効果が得られない場合、ヘパリンに対してアレルギー反応を示す場合は、アルガトロバンの使用が考えられます。

 

【注意点】

急性期の脳血栓症患者では、出血性脳梗塞のリスクがあることや、ヘパリンに比べ体外循環回路内での残血が多いという報告もある。

出血性病変を持つ患者さんに対しては、使用禁忌となっている。

 

【参考文献】

海老根 東雄 手にとるようにわかる 若手CEと学生のための臨床工学ハンドブック() 株式会社 ベクトル・コア 2009331日 P152153

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