駆け出しCEのblog

臨床工学技士として日々勉強しております。 このブログでは、自身の知識や学んだことを他のコメディカルとも共有したいと思い作成しています。

関東でMEとして働いています。
臨床工学や医療機器について学んだことを
MEの目線から書いていきます。
看護師さんや他のコメディカルでもわかるように
書きますのでみんなで知識を共有していきましょう。

【はじめに】

圧力トランスデューサとは、観血的血圧測定に使われるものです。観血的とは、血を観ると書くので、侵襲的(痛みがある)な方法で血圧を測定する方法です。逆に非侵襲的血圧測定は、マンシェットで測る測定方法の事です。観血的血圧測定のメリットとして、継続的に精度の高い血圧測定ができることです。

 

【圧力トランスデューサとは】

圧力トランスデューサとは、「圧力を測定するもの」という認識は一般的であり間違ってはいませんが、少しずれているとわたしは考えます。トランスデューサとは、変換器という意味なので、「圧力変換器」が明確な回答であります。では、圧力トランスデューサは何を何に変換しているのでしょうか。その答えはずばり、「圧力を電圧に変換する」です。

変換の意味のとらえ方は人それぞれですが、今回の場合のように、圧力とは普通は目に見えないが存在する力を、電圧という形で目に見える波形的や数値に、物理単位自体が変換されます。

 

今回はその圧力トランスデューサの仕組みを書きたいと思います。

 

【圧力トランスデューサの構造・原理】

圧力トランスデューサはストレインゲージでブリッチ回路を作っている仕組みになっています。

圧トラ

ストレインゲージとは、圧力を受けると抵抗値が変わる素子であります。

 

それをブリッチ回路という電気回路に組み込むと、

ブリッジ


圧力(mmHg)と電圧()が同等の変化をするので、血圧が持続的にモニタリングすることができます。

 

【さいごに】

ストレインゲージとかブリッチ回とか、臨床工学技士の国家試験で必要な知識として知っている人は多いと思います。しかし、それらの組み合わせで医療技術は出来ており、知識と知識をつなぎ合わせていくことで、実際の現場でも見るものの情報量が増えてくると思います。

工学的な観点から治療に関わることができるのは、臨床工学技士の大きな武器であるため、私自身、今回のような学生時代に学んだ知識を今でも大事にしています。




【閉塞性動脈硬化症について】

閉塞性動脈硬化症は腹部大動脈の末梢よりも下の動脈、つまり下肢の動脈に発生する動脈硬化による閉塞のことを言います。

施設によっては、末梢動脈疾患(PAD)とより広い概念を持つ名称で呼んでいるところもあると思います。

PADASOの関係を表した図を下記に示します。

 

1

このようにASOPADの一部であります。

病因因子としては、喫煙があげられ50代以下の男性に多いとされています。

 

【症状】

   疼痛

下肢動脈の閉塞による血行障害にて下肢の疼痛症状が現れます。

 

   壊死

下肢動脈の閉塞による虚血で下肢に対して十分な栄養が供給されずに生じる。

 

   間欠性跛行

歩行中、下肢に痺れや痛みを感じ、しばらく休むと痺れや痛みは収まり、またしばらく歩くと同様の症状が生じる。この一連の症状を間欠性跛行といいます。

 

Fontaine分類

閉塞性動脈硬化症はその症状から重症度を診断することができる。症状別に重症度を分類したものに、「Fontaine分類」というものがあります。

 

1

【治療】

   運動療法

トレッドミルやトラック歩行にて側副血行路を発達させる。側副血行路が発達することにより、下肢虚血が改善されます。下肢虚血が改善されることで、間欠性跛行の改善や血栓形成などを防ぐことにつながります。

 

   薬物療法

末梢血管拡張薬や抗血小板薬、血液抗凝固薬を用いる。抗血小板薬や血液抗凝固薬により血流の低下した下肢で血栓が形成されるのを防ぎます。

 

   経皮的血管形成術(PTA

病変部位にカテーテルを通し、バルーンやステントを用いて狭窄部位を拡張してしまう治療法です。

 

   外科的治療

人工血管や自己血管を用いてバイパスを行う方法のこと。

 

【臨床工学技士のかかわり】

臨床工学技士が閉塞性動脈硬化症の患者さんと関わる機会として最も多いのが、経皮的血管形成術(PTA)を行う時です。施設によって様々あると思いますが、私の勤める病院では、術中のモニタリングやIVUSの操作を行っています。

 

【参考文献】

1)    病気が見える循環器

2)    末梢閉塞性動脈疾患の治療ガイドライン


 

 





心室中隔欠損症とは】

心臓は右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋から構成されており、各部屋は、弁と中隔により隔てられています。心室中隔欠損症は、右心房と左心房を隔てている中隔に孔が開いている状態を指し、日本で最も多くみられる先天性心疾患となっています。

 

【心室中隔欠損症の種類】

心室中隔欠損症は、欠損孔の位置によって下記のように分類することができます。

 

1


欠損孔の位置や欠損孔の大きさにより、シャント量や合併症が変化してきます。特に、アイゼンメンジャー化してしまうと予後が悪くなります。

 

【心臓カテーテル検査時の注目点】

   右心房→右心室でのO2 step up5%以上の増加

   左心室造影にて左→右シャントの確認

   肺動脈圧の確認

 

【アイゼンメンジャー症候群】

アイゼンメンジャー症候群とは、基礎疾患としてASDVSDのような左→右シャントを有する心疾患があります。病態がアイゼンメンジャー化してしまうと原疾患に対する手術は禁忌となります。

アイゼンメンジャー症候群に至るまでの一連の流れについて下記に示します。

   ASDVSDなどで左→右シャントを有する。

   左心系から右心系へと血液が流れ込み、肺血流が増加する。

   肺動脈へ流れる血流量が多くなるため、肺動脈の内膜に対するストレスが大きくなる。

   肺動脈の内膜が線維化し肥厚することで肺血管抵抗が増加する。

   肺血管抵抗が増加することで、肺高血圧症や肺血流低下が生じる。

   右心系の圧が左心系を上回る。

   左→右シャントから右→左シャントとなる。

 

 

【参考文献】

1) 小児慢性特定疾患情報センターHP

 

2) 病気が見える循環器

 




【心房中隔欠損症とは】

心房中隔欠損


心臓には右心房、左心房、右心室、左心室という4つの部屋があります。この4つの部屋は、弁や中隔により区分けがされております。

心房中隔欠損症とは、右心房と左心房を隔てている心房中隔に孔が開くことで、右心室と左心室がつながってしまう病態を言います。

先天性心疾患の中で最も多いのが心室中隔欠損症であり心房中隔欠損症は心室中隔欠損症に次ぐ2番目に多い先天性心疾患となっています。

 

【心房中隔欠損症の種類】

   単心房症

発生段階で心房中隔が形成できずに、右心房と左心房が一つの心房のように形成されている病態です。肺血流の増加に伴う心不全症状が現れる。

 

   二次孔型心房中隔欠損症

心房中隔に卵円窩を含む欠損孔がある状態。小児期では症状がみられないことが多く、年齢を重ねるとともに心不全などの症状がみられるようになります。

 

   静脈洞型心房中隔欠損症

卵円窩を含まない欠損孔が上大静脈付近および下大静脈付近にある状態のこと。上大静脈付近に欠損孔がある場合を上位欠損型、下大静脈付近に欠損孔がある場合を下大静脈型といいます。

 

【心臓カテーテル検査】

心房中隔欠損症が心エコーなどで認められた場合、心臓カテーテル検査にて手術適応かどうかの精査が行われます。

私自身が心臓カテーテル検査に携わる際には下記の項目に注目して検査中のモニタリングを行っています。

   右心房で7%以上のO2 step up

左心房より血液が流れ込むため、上下大静脈よりも右心房内にて酸素飽和度の上昇がみられる。

 

   肺動脈圧

欠損孔が大きい場合、右心房内に流れる血液量が多くなります。従って、右心室内に流れる血液量も増えることから肺動脈高血圧が生じることもあります。

 

   左心房造影時のシャント有無

左心房造影時に左右シャントの有無を確認します。

 

   肺体血流量比が2.0以上あるか

肺体血流量比が1.5~2.0以上ある場合、手術適応となります。

 

②と③はアイゼンメンジャー化の有無を把握するのに必要となります。

 

※肺体血流量比(Qp/Qs

 体循環血流量に対して肺循環血流量がどのくらいあるかを表している。

 正常時で1.0であり、肺循環血流量が増えるにしたがって肺体血流量比も大きくなります。


【はじめに】

PCPSとは、心肺機能の代替または補助を行う医療機器です。一般的には補助循環装置と呼ばれ、流量を補助する装置です。今回はPCPS(V-A ECMO)がメインでは無く、回路に使用されている血流計について書きます。

PCSPの血流計は、「超音波トランジットタイム型」が使われています。そもそも、なんでPCPS回路に血流計が必要なのかというと、遠心ポンプという前負荷と後負荷によって流量が変動してしまうポンプを使っているので、流量計が必須となっています。

 

【トランジットタイム型血流計について】

トランジットタイム型血流計とは、血流の順方向と逆方向に、パルス波(超音波)を通過させ、順方向と逆方向の通過時間(Transit time)の差で、血流量を測定するデバイスになっています。


トランジットタイム型血流計測定原理

血流と順方向の場合、通過時間は早くなり、逆方向の場合は遅くなります。

反射板ありも無しも原理的に変わりは無いが、反射板ありの方が、通過距離が長くなり、時間差が大きくなりと考えられます。

 

■この原理の例えに、「歩く歩道」で考えるとわかりやすいです。

歩く歩道とは空港などにある、ひらたいエスカレーターみたいなやつです。

その上を歩くと、〔歩行速度+歩く歩道の速度〕になり、移動速度がはやくなります。逆方向に歩くのを考えると〔歩行速度歩く歩道の速度〕となり、移動速度は遅くなります。


トランジットタイム型血流計測定原理②


この時、歩く歩道の上を決まった歩行速度で、両端から同時に歩き始めると、歩く歩道を渡りきる時間に差が出ます。この差は、歩く歩道の速度が速くなればなるほど広がります。この時間差で歩く歩道の速さを計算できます。


【トランジットタイム型血流計の測定式】


③トランジットタイム型血流計測定原理

トランジットタイム型血流計測定原理④


【気泡検知】

このトランジットタイム型血流計には、流速測定以外に気泡検知の機能もあります。音速は空気中で340m/s、水中で1500m/sと違いがあります。なので、気泡が伝搬経路にあれば、音速は1500340m/sに落ちるため、気泡を検知できます。一石二鳥の仕組みといえます。

 

【さいごに】

身近にある「音」の特性を使って、医療では、いろいろなことが出来ます。他にも、超音波画像診断装置、ドップラー血流計、超音波メス、IVUSなどなど、他にも多数あります。


【はじめに】

潰瘍性大腸炎や悪性関節リウマチは、病気の原因となる因子がはっきりと解明されていません。しかし、白血球が炎症原因の1つであることはわかっています。そのため、白血球を除去してあげることで炎症症状が軽減されます。今回は、血液浄化領域における白血球除去療法(以下、L-CAPとする)について書いていきたいと思います。

 

LCA-Pの仕組み】

L-CAPの回路図を以下に示します。

 

 

L-CAP回路図


 

L-CAPは静脈より血液を脱血し、専用の吸着材を使用したカラム内に通すことで白血球を吸着除去するといったものです。カラムの構造は以下の通りになります。

 

 

L-CAPカラム構造

 

吸着材にはポリエチレンテレフタレートが用いられ、顆粒球・単球および一部血小板を吸着します。顆粒球・単球はほぼ100%吸着し、血小板は50%前後吸着されます。血液の流れは図に示したように、吸着材の外側に血液が流入し赤血球や血漿成分は吸着材を通過し、返血されます。このようにして顆粒球・単球、一部の血小板を除去することができます。

 

【適応疾患】

L-CAPの適応疾患は、潰瘍性大腸炎と悪性関節リウマチの2つです。

    潰瘍性大腸炎

最初に保健適応となった疾患です。ステロイド抵抗性の潰瘍性大腸炎に対してL-CAPを用いた群とステロイドを増量した群とで行われた研究でL-CAPを用いた群が有意に改善が見られたという報告があります。

また、L-CAPの治療有効率は70%程度といわれています。

 

    悪性関節リウマチ

経口リウマチ薬を服用しても改善が見られなかった症例に対して、有意に改善が見られたという研究報告があります。

【抗凝固薬】

私の勤める施設では、抗凝固薬にメシル酸ナファモスタットを使用しています。潰瘍性大腸炎の場合、消化管出血があるため半減期の短いメシル酸ナファモスタットが有用となります。

メシル酸ナファモスタットは、生食または5%ブドウ糖にて希釈して使用します。


【はじめに】

人工呼吸器の波形には、ループ波形というものがあり、それは圧容量曲線とフローボリューム曲線であります。圧容量曲線は前に書いたので、見てない方は見てください。今回はフローボリューム曲線について書きます。

 

【フローボリューム曲線について】

フローボリューム曲線は縦軸を流量:フロー(L/sec),横軸を肺気量:ボリューム(L)の曲線です。


フローボリューム曲線正常波形


流量の正側が呼気で、負側が吸気です。時計周りに曲線が描かれます。

 

横軸の詳細

肺の空気は全部、外に出ることはありません。なので曲線の横幅は、最大吸気量と残気量で決まります。

 

【換気障害のフローボリューム曲線】

閉塞性換気障害の場合の波形


フローボリューム曲線閉塞性換気障害

閉塞性換気障害は気道抵抗が上がるので、流量が遅くなり、正常波形に比べて高さが無い波形になります。

時定数τRCから考えると、気道抵抗Rによりτが上昇、τの上昇は変化量低下が考えられます。

 

拘束性換気障害の場合の波形

フローボリューム曲線拘束性換気障害


拘束性換気障害は肺のコンプライアンス低下による肺活量減少なので、正常波形に比べて横幅が狭い。

時定数τRCから考えると、肺容量Cによりτが減少、τの減少は変化量上昇が考えられます。

 

波形から見える時定数と変化量について


フローボリューム曲線比較

【特異的なフローボリューム曲線】

フローボリューム曲線で閉塞性換気障害の種類までわかることがあるそうです。

自分は見たことはないんですが・・・

気管狭窄(上気道の固定性閉塞)

フローボリューム曲線気道閉塞

上気道の閉塞は呼気吸気どちらも流量が低く平坦な波形になります。

 

声帯麻痺(胸郭外閉塞)

フローボリューム曲線声帯麻痺

声帯は吸気時に開いて抵抗を減らしています。なので声帯麻痺が起きると、吸気時のみ気道抵抗が上昇し、吸気流量のみが減少します。

 

【おわりに】

ほかにも疾患別のフローボリューム曲線は、検索すれば沢山でてきます。それらの波形の形を覚えるのではなく、曲線の仕組みを理解すれば、形だけで呼吸の状態を予測できるのではないでしょうか。






【はじめに】

前に閉塞性換気障害の記事を書いたので、重複する部分もあると思うんですけがよろしくお願いします。

 

【拘束性換気障害の簡易モデルと定義】

まず、換気障害の簡易モデルは、肺全体を「気道」と「肺胞」の大きく2つに分けて考えます。

ちなみに左の図が正常で、右が拘束性換気障害のモデル図です。

拘束性換気障害

拘束性換気障害は、、

肺胞部分の容量減少が見れます。

 

拘束性換気障害の定義は、

拘束性換気障害の定義

スパイロメータという医療機器での検査で、

一秒率は70%以上で正常、

%肺活量は80%以下で異常の場合、「拘束性換気障害」だと分かります。

 

※「%肺活量」と「一秒率」の説明は閉塞性換気障害の記事に書いてあるので、それを見てください。

 

拘束性換気障害は、%肺活量が80%以下しかない無い状態です。

なので、気道ではなく肺胞の異常が考えられ、なんらかしらの異常によって肺胞の容量が減少したと考えられます。

 

【拘束性換気障害の疾患】

1)肺のコンプライアンスの低下⇒肺線維症、間質性肺炎、肺水腫

2)肺容量の減少⇒肺腫瘍、肺水腫

3)胸部の拡張障害⇒肺結核後遺症

などなど、、、

 

【時定数τの考え方】

※簡単な説明は閉塞性換気障害の記事に書いてあります。

 

今回の拘束性換気障害は、気道抵抗Rは正常で、肺容量Cが減少する。となると、肺に満タンに入るまでの時間が早くなることが想像できると思います。それを容量Cの減少(C/2)による、時定数の減少(τ/2=R/2)となります。

 

【吸いにくく吐きやすい理由】

肺のコンプライアンスの低下や肺容量の減少、胸部の拡張障害によって、吸いたい量が吸えないことから、吸いにくく。呼気の場合は、気道閉塞はないので、スムーズに吐ける。

 

【さいごに】

時定数で例えた話は、フローボリューム曲線の記事の事前準備でもあるので、今回だけでは、必要性があまり感じなかったと思います。なのでフローボリューム曲線の時に繋がるように、頑張って書きたいと思います。

 

【参考資料】

1. 病気が見えるvol 4 呼吸器

2. 臨床工学ライブラリーシリーズ② 生体物性/医用機械工学






【はじめに】

呼吸器を設定・使用するうえで、コメディカル自身も疾患系も覚えないといけないなぁーーーっと、臨床現場に出て気づきました。その理由として、お医者さんは万能では無く、熟練度も差があり、業務が多忙であるため、大まかな設定をコメディカルに頼ることもあります。

その時に、どんなに人工呼吸器の構造原理や動作を理解してても、期待に応えることが出来ないです。なので、医学も工学的に考え覚えようと思ったのが、きっかけです。

 

【簡易モデルと定義】

まず、換気障害の簡易モデルは、肺全体を「気道」と「肺胞」の大きく2つに分けて考えます。

ちなみに下の図が正常だとすると、、、

気道・肺胞の簡易モデル


閉塞性換気障害は、、

閉塞性換気障害簡易モデル


正常な肺より気道が細く表現されています(わかりやすく赤で表示してます)

 

閉塞性換気障害の定義は、本屋やインターネットで調べればすぐ出てくるんですが一応書いときます。


換気障害の病態分類


スパイロメータという医療機器での検査で、

%肺活量は80%以上で正常、

一秒率は70%以下で異常の場合、「閉塞性換気障害」だと分かります。

 

%肺活量(ぱーせんとはいかつりょう)について、

肺活量は、肺で呼吸時に移動できる最大の空気量です。

測定者の①性別、②年齢、③身長で「予測肺活量」が出てきます。

予想肺活量算出式

%肺活量は、実測の肺活量と予測肺活量の割合のことです。

%肺活量算出式

一秒率について

限界まで息を吸った状態(肺活量)から、一秒間で吐ききった量(一秒量)の割合。

一秒率算出式

閉塞性換気障害は、一秒間で肺活量の70%以下しか呼出できないということであります。

なので、肺胞ではなく気道の異常がかんがえられ、なんらかしらの異常によって気道抵抗が上がり、呼気流速が遅くなってしまったと考えられます。

 

 

【閉塞性換気障害の代表疾患】

1.気管支喘息 (気管のリモデリングによる気道閉塞)

2. COPD:慢性閉塞性肺疾患 (肺胞の弾性力低下による気道虚脱もある)

3.気道異物 (異物が気流の抵抗になる)

 

【時定数τの考え方】

時定数τ(タウ)とは、簡単に言うと、「安定するまでの変化の時間」です。一般的には電気工学の分野のカットフィルタで使用されます。

なぜ、呼吸の事を書いているのに急に時定数を出したかというと、電気工学の考えが換気障害の考え方をシンプルさせるので、だしました。

 

電子工学では「時定数τ=RC」です。Rはレジスタンスの抵抗値、Cはコンデンサの静電容量を表しており、コンデンサに電子が満杯になるまでの時間を時定数で予測することができます。例えば、コンデンサの容量が大きかったら、、、それはもちろん満杯になるまで時間がかかります(×2C=2τ)。レジスタンスの抵抗値が大きかったら、、、コンデンサに入る電子の流入速度がレジスタンスによって遅くなるので、同じく時間がかかります(2×C=2τ)。逆にそれぞれが小さくなったらと考えたら想像できると思います。

 

その関係性が「気道=レジスタンス」・「肺胞=コンデンサ」に近似しています。

今回の閉塞性換気障害は気道抵抗に伴う時定数τの上昇(変化量減少)となります。

 

私自身、電気電子工学が大好きなので医療現場にある電気電子工学もいつか書きますのでその時に詳しく説明します!!

 

【吸いやすく吐きにくい理由】

閉塞性換気障害では吸気はできるが、呼気しづらいそうです。気道抵抗が上がると吸気呼気ともにしづらくなると想像してしまうと思います。その理由は胸腔内圧によっての気道抵抗の変化です。

吸気時は大気を取り込むために胸腔内圧は陰圧になります。そうなると気道が周りから引っ張られるので気道が広がり、気道抵抗は下がり、吸気はスムーズになります。

呼気時の大気に肺の空気を吐き出すために胸腔内圧は陽圧になります。そうなると気道が周りから押されるので気道が狭まり、気道抵抗は上がり、呼気がしづらくなります。

気道抵抗説明用

さいごに】

あと拘束性換気障害と呼吸不全(拡散障害、換気血流不均衡、シャント、肺胞低換気)も書く予定になっています。呼吸器疾患はこれらの組み合わせが症状になっているので、暗記する量が減ると思います。

 

【参考資料】

1. 病気が見えるvol 4 呼吸器

2. 臨床工学ライブラリーシリーズ② 生体物性/医用機械工学













はじめに】

致死性・頻脈性不整脈に対して除細動器やAEDよる電気ショックを行う処置は、医療従事者のみならず一般の方々にも知られています。

しかし、そのような不整脈が頻発する患者さんに対して、毎回のように除細動器やAEDによる電気ショックを与えるのは、不可能でありリスクを伴います。そのために除細動器を体内に植え込み、不整脈の発生時に自動で電気ショックを与えるICDというデバイスがあります。

今回はICD1つであるS-ICDについて書いていきたいと思います。

 

S-ICDとは】

S-ICDとは日本語で皮下植え込み型除細動器といいます。通常のICDは左鎖骨下の胸部にポケットを作成し、リードを左鎖骨下静脈内を通し右心房に留置しますが、S-ICDは左腋窩直下に本体を埋め込み、剣状突起左縁および胸骨左縁と肋骨の間にリードを留置します。

 

S-ICDのメリット】

血管や心臓をリードが通過しないため、三尖弁の機能不全や心内膜炎などの合併症が生じません。また、植え込み時にX線を使用しないため被ばく量の軽減にもつながります。また、リード断線のリスクも通常のICDに比べ低くなります。

 

S-ICDのデメリット】

S-ICDは通常のICDに比べ本体が大きくなるため、本体埋め込み時の創傷部が大きくなり、切開痕も3か所と多くなります。また、ペーシング機能がないため対象となる不整脈が限られてきます。

 

【適応疾患】

    ブルガダ症候群

    突発性心室細動

    QT延長症候群  など

上記のような、徐脈ペーシングの必要のない致死性不整脈がS-ICDの適応となります。

 

MEのかかわり】

S-ICDの植え込み後6か月から1年間隔でS-ICDの動作チェックを行います。

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