駆け出しCEのblog

臨床工学技士として日々勉強しております。 このブログでは、自身の知識や学んだことを他のコメディカルとも共有したいと思い作成しています。

関東でMEとして働いています。
臨床工学や医療機器について学んだことを
MEの目線から書いていきます。
看護師さんや他のコメディカルでもわかるように
書きますのでみんなで知識を共有していきましょう。


はじめに

医学的な研究を行う場合、研究の種類は大きく2つに分けることができます。

観察研究(observational study)と介入研究(interventional study)です。

臨床工学技士ということで、工学的な研究を中心に行っている方には、あまりイメージしづらいと思いますが、今回は医学的な研究を例にして説明していきたいと思います。


観察研究とは


観察研究は、文字通り観察を行う研究です。

詳しく言うと、研究者の積極的な介入をせずに、被験者の日常的な行動を観察するといった研究です。

例を出すと、「小学校6年生の身長を測定して、都道府県別の平均値を比較する」という研究などです。

また観察研究は、「後ろ向き研究」と「前向き研究」に分けることができます。

後ろ向き研究

被験者の過去をさかのぼって、データを収集する研究のことを指します。

例を出すと、「ある年代の集団内で心疾患を患った人と心疾患を患っていない人の生活習慣を比較する」といった研究です。

 

前向き研究

被験者の現在の状況から将来に向かってデータを収集する研究のことを指します。

例を出すと、「ある集団の出生時から18歳までの身長の推移を調査する」といった研究です。

 

介入研究とは

介入研究は、被験者に対して治療行為や生活習慣の指導などの介入行為を行い、その結果を収集し、解析していく研究です。

例を出すと、「従来薬を投与した集団と新薬を投与した集団の予後を比較する」という研究です。

病院でよく行われる治験というものは、介入研究に該当します。


さいごに

次回は、観察研究と介入研究についてさらに詳しく書いていきたいと思います。


はじめに

今回は、学生の時に勉強した「加算平均」について、書こうと思います。国家試験とかでは、簡単な公式に代入して答えが出るので、意味を深く考えなかった人も多いと思います。わかりやすくする為に、多少、真実とは異なる部分があります。

 

加算平均処理とは

まず、加算平均法とは、「生体計測分野でSN比の改善のために、不規則雑音を相対的に減らすことができる処理法」で、主に大脳誘発電位などの計測で使用されます。

 

「不規則雑音」とは、不規則な(ランダム)雑音のことです。

「相対的に減らす」とは、雑音を小さくできるが、無くすことはできないということです。

 

SN比とは、SSignal)が信号成分とNNoise)が雑音で、その比率のことです。

SN比



加算平均法とは、周期的なデータをn回(複数回)足し合わせ、平均を取るやり方です。信号成分は周期的にあるので、足し合わせると、その分増えるので、平均をとっても変わりません。雑音成分はランダムに表れるので、足し合わせたとしても増えることが基本無いのではないので、平均すると減少します。

 

例を挙げます!

5つ(ABCDE)のノイズがのった心電図を加算平均すると、、、

 

ksann

 

 

 

図のようにノイズは、無くなりはしないが減少してことが分かります。

 

加算平均をn回すると、ノイズが減少しSN比がn倍になります。

 

今回の加算平均は、n=5なので、5倍=2.236倍SN比が改善してします。

 

さいごに

国家試験では、加算平均回数は整数の平方根なので、簡単だと思います。

そもそも、なんでn倍ではなくn倍なのかと考えてみると、標準偏差(振幅比)で定義しているためだと思います。

 

 


はじめに

人工呼吸器を使用する際に必ずと言っていいほど、モニタリングする項目に呼気終末炭酸ガス値(EtCO2)があります。では、なぜ人工呼吸器を使用する患者さんに、EtCO2をモニタリングするのでしょうか。

今回はEtCO2の基本について書いていきたいと思います。


EtCO2ってなに?

EtCO2を簡単に説明すると、患者さんの吐いた息に含まれる二酸化炭素の分圧を示し、基準値は35-45mmHgです。

ネットでETCO2と検索すると、「呼気終末炭酸ガス濃度」と出てきますが、濃度の単位としてmmHgは不適格だと個人的には思うので、あえて呼気終末炭酸ガス値という用語を使用しています。

EtCO2はカプノメータというME機器で測定するカプノグラフィという波形にて求めることが出来ます。

主に人工呼吸器を使用している患者さんに対してモニタリングを行います。私の勤める病院では、人工呼吸器使用時には必ずEtCO2をモニタリングします。


カプノグラフィ

EtCO2を理解する上でカプノグラフィの理解は必須項目です。では、下記にカプノグラフィの波形を示します。パソコンで描いたため、あまり綺麗ではありませんがご容赦ください。


図1


    A-B

呼気のはじめは死腔部分のガスが呼出されるため、EtCO20です。そのため、呼出が始まっても最初はグラフ変化がありません。

 

    B-C

死腔部分のガスが呼出されると、急激にグラフの値が上昇していきます。B地点が呼気のはじめだと思いこんでいる方がいますが、B地点は死腔部分のガスが吐き出され、肺胞のガスが呼出される地点です。

 

    C-D

呼出が進むにつれ、グラフ変化が緩やかになる区間があります。この区間を肺胞プラトーと呼びます。

 

    D

肺胞プラトーの間もグラフは緩やかに上昇します。そして、グラフのピーク値を呼気終末炭酸ガス値(EtCO2)とします。

 

    D-E

吸気が始まり、グラフが急激に下落します。


まとめ

    EtCO2は、呼気ガスに含まれる炭酸ガスの分圧値

    EtCO2の基準値は、35-45mmHg

    EtCO2はカプノグラフィから求めることができる

    肺胞プラトー期の最大値がEtCO2

はじめに

透析装置にBV(ブラット・ボリューム計)がついている機器があると思います。BV計とは名前のとおり、患者さんの循環血液量を測定するセンサーになります。循環血液量を測定することにより、血圧低下を事前に測定することができます。その測定原理とヒトの水分移動について書きます。

 

BV計の原理

BV計の原理は、「光の反射」を利用し「血液の濃度」を測定しています。血液の濃度といっても、正確な濃度は測定不可能です。測定できるのは、相対変化な血液の濃度です。

血液の濃度とは、ヘマトクリット値(血球成分量/血液量)と同等の考え方で大丈夫です。

血液の赤色は、赤血球の由来の色です。ヘマトクリット値が上がると、血液の色も変化します。色が濃ゆくなれば、光の反射率は増え、色が薄くなれば、光の反射率は減少します。この原理を使い血液濃度を経時的に測定することにより、体内の血液量を把握することができます。

 

例えば、4時間透析で除水をした場合の血液濃度の変化について、

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極端な変化の例ですが、このような変化が起こることが予想できます。


 

透析中(除水あり)の体内の水の移動について

人体の水分量は、体重の約60%であります。そのうちの水分分布は、40%が細胞内液、12%が組織間液、8%が血液となっています。

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透析の除水は、血液の血漿成分のみから除水されます。

 

単純に考えると、体重60kgでヘマトクリット値が50%の場合、60×0.08×0.52.4Lになります。なので最大の除水量が“2.4L”になってしまい、さらに2.4Lの除水後はヘマトクリット値が100%になってしまいます()

 

実際は、そんなことはおきません。その理由として、血管内に水分を保とうとする反応が起きるからです。

 

除水により、血液中の水分が奪われると、細胞内液から細胞間質に、細胞間質から血管内に水分が移動し、血管内の血液量は一定に保たれようとします。

その水分の移動する現象をプラズマ・リフィリングといい、その移動速度をリフィリンググレードといいます。

 

リフィリンググレードは、人によって違います。要因として、細胞膜の透過性や血液内の膠質浸透圧などの影響を受けます。

 

除水時の血圧低下は、循環血量の減少(70%に低下)によるものです。なので、血液量とリフィリンググレードによって、血圧低下の無い除水速度の上限が予想できます。


透析中のBV計による濃度変化につい

BV計は脱血側と送血側に設置されていることもあります。除水時には脱血側より送血側が、濃度が高いことが考えられます。

脱血側では、体内の血液の濃度なので、経時的に脱血側を測定すると、循環血液量の減少率が分かります。(送血側でも測定は可能)

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さらにダイアライザから一定量の補液をすることにより、シャントの再循環率も測定できます。

 

さいごに

測定方法や計算方法は、メーカによって違うと思いますが、基本的な原理は同じになっていると思います。このように除水について、いろんな角度から見ることはとても面白いですね。


はじめに

統計には2群間の比較だけでなく、いくつもの数値が用いられます。その中で、平均値と中央値という言葉がありますが、私もそうでしたが何となく同じように感じる方もいると思います。しかし、それぞれ異なる用語が使われるように、それぞれの数値が持つ意味合いも違います。

今回は、平均値と中央値について簡単にまとめていきます。


平均値

平均値は、サンプルされたデータ(数値)の合計をサンプル数で割ることで求めることができます。例えば、下記のようなデータの場合は

 

図

年収の総和は5900万円でサンプル数は10であるため平均値は、590万円となります。


中央値

中央値は、サンプルされたデータの数値を大きい順または小さい順に並べたときに中央の数値となるデータのことです。

上記の表を年収順に並べると


図


サンプル数は10であるため、中央にきているJさんとGさん数値が中央値となります。


平均値と中央値と比較

平均値だと最大値と最小値の間に10倍もの差があるようなばらつきの大きいデータの場合、その本質が見えづらくなります。その反面中央値の場合、ばらつきの大きなデータでもデータ全体の中央を示すことができます。

つまり、データの偏りが大きいか小さいかで平均値と中央値を使い分けることが重要となります。

JCS(ジャバン・コーマ・スケール)

日本で使われているJCSは、覚醒の程度によって分類したもので、数値が大きくなるほど意識障害が重いことを示しています。
分類の仕方から「3-3-9度方式」とも呼ばれています。意識レベルそ3段階、さらにそれぞれを3段階でき、全段階が9段階なので、3-3-9度方式と呼ばれています。

 

1桁目 刺激しないでも党醒している

1 だいたい意識清明だが、今ひとつはっきりしない 意識清明ではない
2 時、場所または人物がわからない 見当識障害があり

3 名前または生年月日がわからない

2行目 刺激すると覚醒する〜刺激を止めると眠り込む

10 普通の呼びかけで容易に開限する

20 大きな声または体をゆさぶることにより開眼する

30 痛み刺激と呼びかけを繰り返すと、かろうじて開限する

3行目 刺激しても覚醒しない

100 痛み刺激に対し、はらいのけのような動作をする
200 痛み刺激に対し手足を動かしたり、顔をしかめる

300 痛み刺激に反応しない

付⇒R:不穏、 I:糞尿失禁、 A:自発性喪失
■記載例  300 I

 

GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)

世界基準となっており、世界的に広く使用されています。GCSは開眼・言語反応・運動反応の3つについて、点数化をして表したもので、点数が低いものほど、意障害が重いことを示しています。15点満点(正常)で、最低点は3点で、深昏睡という。一般に8点以下を重症として取り扱います。

 

E:開眼 (eyeopening)

E4 自発的に開眼
E3 言葉により開眼

E2 痛み刺激により開眼

E1 開眼しない

V:言語音声反応 (verbalresponse)

V5 見当識あり

V4 混乱した会話

V3 不適当な単語

V2 無意味な発声

V1 発声がなし

M:運動反応 (bestmotorresponse)

M6 指示に従う

M5 痛み刺激部位に手足を持ってくる

M4 痛みに手足を引っ込める(逃避屈曲)

M3 異常屈曲反応

M2 異常進展反応

M1 反応なし

■記載例  GCS11(E3 V3 M5)



ECS(エマージェンシー・コーマ・スケール)

ECSは、日本神経救急学会と日本脳神経外科救急学会が中心になって考案された意識障害の評価指標の一つで、JCSGCSの良いところを取り入れています。まだまだ普及はしていないみたいです。


I.覚醒している(自発的な開眼・発語または合目的な動作をみる)

1 見当識あり
2 見当識なしまたは発語なし

II.覚醒できる(刺激による開眼・発語または従命をみる)

10 呼びかけにより

20 痛み刺激により

III.覚醒しない(痛み刺激でも開眼・発語および従命がなく運動反射のみをみる

100L  痛みの部位に四肢を持っていく、払いのける
100W  
引っ込める(脇を開けて)または顔をしかめる

200F  屈曲する(脇を開けて)・除皮質姿勢

200E  伸展する・除脳姿勢

300  動きが全くない

 LLocalize(部位の同定)、WWithdraw(逃避)、
 FFlexion(屈曲)、EExtension(伸展)
 

■記載例  ECS 20

 

さいごに
なぜこの記事を書いたかというと、病院実習の学生さんに聞かれ、適切な回答が出なかったことがきっかけです(笑)。患者さんの状態を把握するうえで意識レベルは必須な項目であるはずなのに、感覚的な把握をしていました。これらの評価表は、人それぞれ感覚が違っても、適切に評価できるようになっているので、一目で意識レベルが分かるように意識して使っていきたいです。




はじめに

深部静脈血栓予防装置は、文字どおり「深部静脈血栓(DVT)を予防する医療機器」の事です。私の勤めている病院の深部静脈血栓予防装置は、「SCD」と「フロートロン」です。いわゆるフットポンプ言われているものであり、多くの病院では、ポンプ系の医療機器の次に、台数が多い医療機器ではないでしょうか?

深部静脈血栓予防装置


深部静脈血栓症(DVT)とは

そもそも深部静脈血栓症とは、太ももや膝の中心を走る深部静脈に血栓が出来ることです。その血栓が、静脈から心臓や肺に流され、肺の血管で詰まる場合があり、それ肺塞栓症といいます。その肺塞栓症を引き起こすリスクがあります。

「深部静脈血栓症」と「肺塞栓症」は連続した病気なので、合わせて「静脈血栓塞栓症」と呼ばれています。

 

▶原因

長時間同じ姿勢(血液の流れの問題)

血液凝固の亢進(血液の性質の問題)

 

静脈の流れは、歩行や手足の運動にともなう筋肉の収縮に助けられています。なので①は、エコノミークラス症候群といわれるように、同じ姿勢で長時間いると、下肢の筋肉ポンプが働かなくなり、静脈の流れが悪くなり、血栓ができやすくなります。

 

②は、外傷や妊娠、血液が凝固しやすい病気、経口避妊薬(ピル)服用などにより、血液は凝固しやすくなり、血栓ができやすくなります

 

となると、手術後の患者さんは、①と②の原因が同時かぶることになるので、病院での予防は必要性が高いと言えます。

 
肺血栓塞栓症予防の診療報酬
B001-6 肺血栓塞栓症予防管理料 305

1病院(療養病棟を除く。)又は診療所(療養病床に係わるものを除く。)に入院中の患者であって肺血栓塞栓症を発症する危険性が高いもの(結核病棟に入院中の患者においては手術を伴うもの、精神病棟に入院中の患者においては治療上必要があって身体拘束が行われているものに限る。)に対して、肺血栓塞栓症の予防を目的として、必要な機器又は材料を用いて計画的な医学管理を行った場合に、当該入院中1回に限り算定する。

2肺血栓塞栓症の予防を目的として行った処置に用いた機器及び材料の費用は、所定点数に含まれるものとする。


予防方法


予防方法は「静脈還流を促すために下肢静脈を適度に圧迫する」

その圧迫方法は2つあります。

弾性ストッキング

            間欠的空気圧迫法(フットポンプ)

 

弾性ストッキングは弾力性をもった特殊なストッキングです。これを着用すると、下肢を締め付けて静脈還流を良くします。

 

間欠的空気圧迫法も弾性ストッキングと同様で、下肢を締め付けて静脈還流を良くします。間欠的空気圧迫法を施行する医療機器がフットポンプのことです。

フットポンプ=深部静脈血栓予防装置


下肢に、空気で膨らむシートを巻き、タイミングよく下肢を圧迫することにより、

静脈還流を促し、血栓の生成を防ぎます。本来はその圧迫を下肢の筋肉が行います。

空気で膨らむシートとは、簡単にいうと間欠型血圧測定に使用するカフの大きいバージョンです。

 

注意点として

フットポンプは深部静脈血栓を予防する装置なので、深部静脈血栓がある場合は、禁忌です!!!

加圧により血栓の遊離と血流亢進により、肺塞栓症を引き起こす危険性が高まるためです。


下肢静脈瘤の場合も静脈のうっ滞が起きやすい状態なので、血栓ができないようにフットポンプを使用は必要です。

静脈瘤

さいごに

ただ空気で下肢を加圧するシンプルな機器ですが、患者さんにとっては大きなリスクを回避するのに必要な医療機器です。機器によっては、足首ふくらはぎ太ももの順にタイミングよく加圧する性能のいいフットポンプもありますので、動作点検の際に、実際に自分に使用するのもいい経験になると思います。


はじめに

学術論文を読んでいると、信頼区間という言葉を目にすることが少なくありません。統計についてよく知らない場合でも、何となく意味が把握できるのでついつい、ちゃんとした意味を調べずにきている方も多いと思います。今回は、信頼区間について簡単にまとめていきます。

 

信頼区間とは

前回、このブログでP値について書きました。信頼区間はよく、P値と合わせて述べられていることが多いと思います。

例として、

①新薬Aという降圧剤を使用した群とそうでない群がある。

②統計学的処理を行うとP値が0.05未満という結果になった。

95%信頼区間-15-10mmHg


この場合、新薬Aを使用した群とそうでない群の間には、有意差があるということがわかります。しかし、具体的に何mmHgの血圧低下が見込まれるのかというのはP値だけではわかりません。

ここで、参考となるのが信頼区間です。信頼区間とは、真の差を含む区間であります。つまり、よく利用される95%信頼区間とは、95%の確率で真の値が含まれる数値の区間という意味になります。そのため、上記のような結果の場合では、95%の確立で真の差が-15-10mmHg間にであるということです。

簡単に考えると、新薬Aを使用した場合、95%の確率で‐15~-10程度血圧が上昇するということになります。

 

信頼区間の比較


では上記で述べた新薬Aに対して、新薬Bと比較を行ったとします。新薬Bのデータも新薬Aの時と同じようにサンプリングした結果、有意差があり95%信頼区間は-15-13mmHgとなりました。

この結果を見たときに、新薬Aと新薬Bについてどのような違いが見て取れるでしょうか。

新薬B95%信頼区間は新薬Aに比べて狭くなっています。つまり新薬Bのほうがデータのばらつきが少ないということになります。

 

さいごに


統計を勉強していると専門用語が所々に出てきます。それらの用語について、何となくではなく、しっかりと意味を調べ、自分なりに理解することで統計データが読み取りやすくなります。



はじめに

 PCI(経皮的冠動脈形成術)POBA(バルーン血管形成術)時に使用する際、いろんなメーカーの名前のバルーンを使用しています。

 バルーンの名前に「NC 〇△□」というバルーンを使うことがあります。そのNCについて気になったので書きたいと思います。

 

バルーンのコンプライアンスの種類について

 NCの意味は「ノン・コンプライアンス」といいます。コンプライアンスとは簡単にいうとバルーンの柔らかさの事です。


■バルーンのコンプライアンスの種類

①コンプライアンスバルーン

              加圧に伴いバルーンの径が大きくなるもの

②ノン・コンプライアンスバルーン

              加圧し続けてもほとんど径の変わらないもの

③セミ・コンプライアンスバルーン

①コンプライアンスバルーンと②ノン・コンプライアンスバルーンの中間のものになり、現在ほとんどはこのバルーンにあたる。


 現在多くは、ノンコンとセミコンの2種類が使用されています。

 それらの見分け方としては、基本的なバルーンはセミコンであるため、ノンコンのバルーンの名前には、NCと付いてることが多いです。

 

そのほかでは、

セミコンはノミナール圧(推奨拡張圧)10atmより低く、

ノンコンはノミナール圧(推奨拡張圧)10atmより高い

という判断方法もあります。

 

ノミナール圧が分かんない方は、バルーンのパッケージにコンプライアンス表があるので、その表のNP(ノミナールプレッシャー)を探せばわかると思います。

 

それぞれの特徴について


■セミコン

 バルーンの素材が柔らかく、蛇行血管でも変形し通すことができるので、通過性能に優れています。通過性能に優れているため、病変への前拡張に使用されます。

 

■ノンコンについて

 バルーンの素材が固く、通過性能はセミコンより劣ります。バルーンが固いため、高い圧力での拡張が可能なため、ステント留置後の圧着や石灰化などの固い病変へ拡張性能が優れています。

 

ドッグボーン現象について


 セミコンとノンコンのバルーンの拡張性能において、硬い病変の際に、顕著に表れます。セミコンのバルーンの場合、固い病変以外の部位に圧力が逃げ、「ドッグボーン現象」を引き起こし、拡張不良になります。

 逆に、ノンコンでは固い病変でも変形せず、確実な病変拡張が可能です。


バルーンコンプライアンス.pptx

さいごに

 さすがに、臨床工学技士がバルーンを選択することはありませんが、これらの知識があるだけで、バルーン一つ一つの意味や役割がわかり、治療の理解度がさらに増します。すると次の工程の予想ができるのようになります。


はじめに

日常の業務で機器点検を行う際、流量を測定することが多いと思います。また、測定機器のみならず、人工呼吸器や吸入器にも流量測定が行える機能が付属しています。今回は、流量計の中でも差圧式流量計について簡単にまとめていきたいと思います。


差圧式流量計とは

差圧式流量計は、医療現場のみならず工業でよく使用されている最もポピュラーな流量計です。測定方法は、名前の通り差圧を測定することによって流量を測定しています。差圧式流量計を使用している代表的な測定機器の一つにフローアナライザ(PF-300)などがあります。

では、なぜ差圧を測定して流量を測ることが出来るのかを説明していきたいと思います。


ベルヌーイの定理

ベルヌーイの定理とは、1738年にスイスの物理学者であるダニエル・ベルヌーイにより提唱された法則です。ベルヌーイの定理を、図と数式で表すと下記のようになります。

図1

図1


この式からわかるのは圧力が上がれば、流速が下がり圧力の総和は常に一定であるということです。

上記の式はなかなかややこしいので、下記に簡単な式を示します。


図1


この式は基本的な数式になるため、しっかりと基本をおさえる必要があります。


差圧式流量計の測定原理(簡単に)

差圧式流量計はオリフィスと呼ばれる抵抗体を置き、その前後で圧力の測定を行います。そこで計測された差圧をベルヌーイの定理にあてはめ、流速を算出します。流速が分かれば、あとは菅の断面積をかけることで流量を算出することが出来ます。このようにして、差圧から流量を算出することが出来ます。

差圧式流量計の構造は、教科書にも必ずと言っていいほど乗っているので興味のある方は参照してみてください。


さいごに

流量計一つとっても様々な測定様式があります。そのため、同じように扱うと流量の誤差が生じてしまいます。それぞれの流量計の特性を知り、それに適した使用方法で測定を行うことが重要となります。

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