駆け出しCEのblog

臨床工学技士として日々勉強しております。 このブログでは、自身の知識や学んだことを他のコメディカルとも共有したいと思い作成しています。

関東でMEとして働いています。
臨床工学や医療機器について学んだことを
MEの目線から書いていきます。
看護師さんや他のコメディカルでもわかるように
書きますのでみんなで知識を共有していきましょう。

【はじめに】

持続的血液透析濾過(以下CHDFとします)は、主に集中治療領域にて施行されます。通常の血液透析(以下HDとします)は施行時間が4時間ほどですが、CHDFは最大48時間施行することもあります。

今回は、CHDFを開始するときの手技や注意点についてまとめていきたいと思います。

 

【用意するもの】

   処置用シーツ

   雑ガーゼ

   ポリ袋

   アルコール綿

   10mLシリンジ

   生食入りシリンジ

 

【開始時の手技と手順】

   バスキュラーアクセス(以下VAとします)カテーテルの下に処置シーツを敷く。

   VAのクランプが閉じているのを確認して、キャップを外しアルコール綿で拭く。

   VA10mLシリンジを接続しVAのクランプを外す。

   10mLシリンジを引き脱血の確認をする。

   採血した血液をポリ袋に入った雑ガーゼにかけて、血餅の有無を確認する。

   VAのクランプを閉じて、生食入りシリンジを接続する。

   VAのクランプを開け、生食せVAカテ内をフラッシュする。

この時、しっかりと生食がフラッシュされるか確認する。

   VAのクランプを閉じてCHDFの回路と接続する。

   VAのクランプを開けて血液ポンプを目標値(指示値)の半分程度で回す。

   V側まで血液が到達したら徐々に血液ポンプの流量を上げていく。

 

②~⑦の工程は、A側及びV側両方で行う。

④の工程で脱血、⑦の工程で送血状態の確認ができる。

 

【注意点】

CHDFを行う患者さんは、循環動態が不安定な方が多いため、脱血開始時に急激な血圧低下などのバイタル変動に注意が必要となります。そのため、CHDFを施行する前に血圧を含むバイタルの値を見ておくことが必要になります。

脱血や送血の不良があった場合は、医師にカテ位置の確認をしてもらうもしくは、A側とV側を逆に接続したりといった対応が必要になります。

 

【さいごに】

CHDFを行う時には清潔操作が必要となります。VAカテとCHDF回路の接続部から感染などの危険性があるため慎重に手技を行う必要があります。また、自身の身も守らなければならないためスタンダードプリコーションの実施も必要です。

バイタル、清潔操作、感染予防を意識しながらの手技になるため、私自身は気疲れする業務の1つだと考えています。

【はじめに】

簡単な知識として、P値が0.05未満だとデータ間に有意差があるということは、統計学にあまり詳しくない方でも知っていると思います。つまり、P値についてその意味を知らなくても「P値が0.05未満だと有意差がある」という知識があれば、論文データに統計学的有意差が有るのか無いのかの判断ができるということです。

私自身も当初は、P値の示す意味をあまり理解せずに上辺の知識のみで医学論文を読んでいました。しかし、実際にデータをとり統計を行う中で、統計用語の示す意味の理解は必要だと考えるようになりました。

今回は、自分自身の備忘録となるようにP値の解釈を自分なりにまとめていきたいと思います。

 

P値のPって何

最初におさえておかなければならないのが、P値のPってどこからきたものなのかということです。P値のPは「Probability」からきており、日本語に訳すと「確率」という意味になります。すなわち、「P=0.05」というのは「確率値が0.05%」という解釈ができます。

 

P値の数値は何の確率を示しているのか

2つのデータを統計にて比較するとき、「仮説検定」を行います。仮説検定とは、ある一つの説を立て、データを比較するものであり、一般的には「帰無仮説」という前提で統計を行います。

帰無仮説は「比較するデータには、差がない」というものであり、その結果をP値という値で表します。つまりP値は、「2つのデータに差がない確率」となります。つまり、P値が高ければ高いほど2つのデータには差がなく、P値が低ければ低いほど2つのデータには差があるということになります。

 

【有意差の決め方】

一般的にP値が0.05未満になると、有意差があるとされています。では、なぜP値が0.05未満だと有意差があるとされているのでしょうか。実はこの0.05という数値は明確なルールに従って決められたものではなく、暗黙のルールみたいなものです。そのため論文によっては、P値が0.03未満で有意差ありとしているものもあります。

つまり、研究によって有意差ありとする値は異なってくるということです。

 

【まとめ】

    P値のPは「Probability」からきており、日本語に訳すと確率という意味となる。

    P値は、2つのデータ間に差がない確率を示している。

    P値が高いほど2つのデータに差がない確率が高い。

    P値が低いほど2つのデータに差がない確率が低い。

    有意差の有無をしめすP値の境界は、統計をとる者が決定する。

 

【はじめに】

私たちが普段行っている血液浄化、人工呼吸療法、体外循環などはエビデンスに基づいて行われています(一部異なる場合もあります)。エビデンス(evidence)とは証拠や根拠という意味であるが、どのように証拠や根拠を得ているのか、ここで統計という手法が用いられます。

例えば、血液浄化においてPMMA膜がβ2-MGの吸着性があると言われているのもデータをとり、統計学的手法にて計算した結果、他の膜に比べβ2-MGの吸着性能が高いという結果が出ているためであります。

 

【統計とは】

統計とは「ある集団の数や特徴などを数量で表したもの」であります。例をあげると、日本国における出生率の推移や人口の推移などがあります。日本では、赤ちゃんが生まれると出生届を出し、人が死ぬと死亡届を出します。そのため、これらのデータは日本全体を表している数値になるため、単に数値の推移をみて去年に比べ増えた、減ったなどが分かります。

しかし、癌の治療薬である薬Aと薬Bの比較を行う場合、日本全国の癌患者に試して効能を比較することはできません。そのため、ある程度の数の癌患者に対して薬Aと薬Bを試し、薬の効能を比較します。ここで、薬Aを使用した患者が薬Bを使用した患者よりも寿命が長かったとします。その場合、単にその結果を見ただけでは薬Aが良いとは言えません。

 

【有意差とは】

上記で述べたように薬Aと薬Bの数値をただ比較するだけでは、薬Aが薬Bよりも良いとは言えません。しかし、数学的手法を用いることによって薬Aと薬Bのデータを比較解析することによって薬Aが薬Bよりも優れている、または同程度の効能と言えます。

Aが薬Bよりも良いものであれば二つの結果には当然ですが差が出てきます。数学的手法を用いて二つの薬の間に差があることが分かれば、統計学的有意差があるといいます。つまり有意差があるということは、実験や研究によって得られた二つのデータを数学的手法により解析した結果、二つのデータの間に差があることが証明されたということであります。

【はじめに】

私が、臨床工学技士という存在を知ったのは、高校3年生の時です。高校では、部活三昧で進路についてあまり真剣に考えたことはありませんでした。しかし、部活も引退が決まると本格的に自分の進路や将来の職業について考えるようになりました。

当時の私は、就職は厳しいものであるという漠然としたイメージから、これから需要の増える医療職を考えるようになりました。様々な医療職を調べているときに偶然見つけたのが、臨床工学技士という職業でした。臨床工学技士なら、これからの需要もあるし、それなりの給与がもらえるという所から私は臨床工学技士を目指しました(今では、給与以外の面でもやりがいを感じています)

 

【ネットで調べた臨床工学技士の給与】

「臨床工学技士 給与」とググってみると、病院で18万円程度、クリニックで19万円程といったところが見受けられます。そして、大卒と専門卒では基本給が1万円弱の差があるとされています。

給与には、基本給とは別に各種手当が含まれます。主な手当の例としては、家賃手当、通勤手当、資格手当、夜勤・準夜勤手当などがあります。

 

【私の初任給】

私も、高校生の時に上記のような情報を見ていました。また大学生の頃も、臨床工学技士の収入に関しては、上記と同じ認識でした。

そして、実際に働いて得た初任給は257,600(各種手当込み)でした。基本給も19万円程度あり、想定していた給与よりも多く感じました。

私は、私立の総合病院に勤務しています。そのため、大学病院や公立病院、透析クリニックに就職したい方には参考にならないと思いますのでご容赦ください。

 

【さいごに】

上記で述べた給与は初任給で頂いた額です。さらに経験を積めば、夜勤などにも入るため1~2万円程上乗せされます。

関東地区の他施設に勤める友人とも給与についての話をすると地域差は若干ありますが、初任給で20~25万円程度でした。

お金の話は、あまり好まれる話ではありませんが、生きていくうえで重要です。これから臨床工学技士の養成校に入る方、就職を控えている方の参考になればと思いまして、今回は私の初任給を公開しました。

【はじめに】

以前、LM800の返却から貸出までの流れを書きました。しかし、重要な点検についてあまり詳しく記載していないため、今回はLM800の終業点検について書いていきたいと思います。

 

【点検方法】

   履歴確認

「表示切替」ボタンと「確認」ボタンの長押しで履歴画面を表示させることができます。履歴の中に「落下衝撃アラート」がないか確認します。

 

   専用の輸液セットを準備する。

LM800は、フィンガポンプを使用して輸液を行っているため、専用の輸液セットが必要となります。この時、水の入ったバックをLM800よりも50cm程度高くしてセッティングします。

 

   外観点検

画面の破損、薬剤や血液の付着などを目視にて確認します。

 

   LM800のドアを開いたまま電源を投入する。

フィンガの動き及びセルフチェックの通過を確認する。電源を投入してからセルフチェックに通過する間、画面が3回点滅し、インジケータは緑色と赤色で交互に点滅します。

 

   ドアを閉めて「開始」ボタンを押す。

輸液セットやAFFクリップをセットせずに、ドアを閉めて開始を押す。この時、画面上に「AFFクリップをセットし直してください」という表示を確認する。

 

   AFFクリップ及び専用輸液セットをセッティングして「開始」ボタンを押す。

「流量未設定」アラームが出るのを確認する。

 

   ダイアルを回して流量設定をする。

ダイアルの動きはスムーズかどうかの確認を行う。

0.1mL/hr100.00mL/hr間では、ダイアルを回すと小数点第1位が変化すること、100mL/hr1200.00mL/hr(上限値)間では、1の位が変化する。また、停止を押しながらダイアルを回すと変更量を1000倍にすることができます。

 

   「流量≧予定量」アラームの確認

流量を予定量よりも多くして「開始」ボタンを押す。

 

   「ドアオープン」アラームの確認

適当な設定で送液を開始する。送液中にドアを開けると、「ドアオープン」アラームが生じ、送液が中断される。

 

   KOR」機能の確認

KOR」機能とは、設定した予定量の輸液を終了した後も、

 

   「早送り」機能の確認

早送りボタンを押している間のみ、500mL/hrで送液が行われます。

 

   積算量のクリア

積算量がクリアできるかの確認をします。

 

   「下流閉塞」アラームの確認

輸液ポンプよりも下流のチューブ(輸液ポンプよりも患者さんに近いチューブ)を屈曲させ、「下流閉塞」アラームが生じるかの確認を行います。この時、画面及びインジケータが赤色点滅すること、ポンプが停止することもあわせて確認します。

 

   「気泡混入」アラームの確認

ルート内に気泡を混入させ、「気泡混入」アラームが生じることを確認します。

 

   再アラームの確認

アラームが生じたときに消音ボタンを押すと、一時的にアラーム音が消えます。しかし、2分間そのままの状態にしていると再アラームが鳴ります。

 

   設定確認

「表示切替」ボタンの長押しで設定画面を表示させることができます。

 

【さいごに】

機器点検は施設によってさまざまとなっています。施設によっては、電源を投入してセルフチェックに通過すれば、貸出可能とするところもあります。つまり、今回紹介した点検方法が必ずしも正しいということではありません。

【はじめに】

機器の日常点検は、臨床工学技士が行う重要な業務のひとつであります。私の勤める病院では、使用後の機器をMEに返却してもらい、MEにて動作の確認などの点検を行ってから、新たに貸し出すといったシステムがとられています。この流れは、他施設も同様だと思います。ここで問題となるのは、輸液ポンプなどの稼働率の高い機器の点検をどこまで行うかという点であります。

私の勤める病院では、TERUMO社製の輸液ポンプである「LM800」を使用しています。今回はLM800の点検について、私の施設で行っている点検方法を紹介していきます。

 

【点検の流れ】

   返却機器の受け取り

返却機器は、機器管理室に常駐するMEが直接受け取ります。その際に外装の破損や、付属部品の紛失が無いかを確認し、問題がなければ返却機器を受け取ります。

 

   返却手続き

受け取った機器に張り付けられているバーコードを読み取り、機器の返却手続きを行います。

 

   清拭

機器の清拭を行います。この時、再度機器の破損などを確認します。LM800などの輸液ポンプは、血液や薬液が付着していることが多いため、拭き残しが無いように丁寧に清拭を行います。

 

   点検

簡単な機器の動作や過去のアラートを確認して、機器の異常が無いかを調べます。

 

   点検終了手続き

点検が終了したら点検終了の手続きを行い、貸出専用の棚に機器を戻します。

 

   貸出手続き

機器の貸出に基本MEは関与しておりません。必要な機器を看護師や看護補佐の方が、貸出専用の棚より取り出し、機器のバーコードを読み取り貸出手続きを行います。

 

LM800の点検方法】

   電源を投入してセルフテストの通過を確認する。

   「表示切替」ボタンと「確認」ボタンを長押しして、履歴の確認を行う。この時、落下衝撃アラートが確認された場合、さらに詳しい点検が必要となります。

   点検用輸液セットを取り付ける。

   流量等を設定して「早送り」ボタンを長押しする。この時、急速輸液が行われているのを確認する。

   1~2分程度LM800を駆動させ、異常がないことを確認する。この時、点検用輸液セットを閉塞させたり、気泡を混入させたりして、アラームが正常に動作することも確認する。

   「表示切替」ボタンにて輸液ポンプの設定を確認する。私の勤める病院では、輸液ポンプを貸出す際の設定を統一しているため、設定が変更されている場合は設定変更を行う。

【はじめに】

HeartMateは植込型補助人工心臓の1つであり、現在使用されている植込型補助人工心臓の主流となっています。

補助人工心臓の運用ついては限られた施設でしか行われておらず、臨床の現場でも関わる機会も少ないですが、知識として知っておくことには意義があると思います。

今回は、埋込型補助人工心臓の中でもHeartMateについて、私が調べたことを簡単にまとめていきたいと思います。

 

HeartMateとは】

脱血管、送血管、血液ポンプ、経皮ドライブライン、システムコントローラ、電源ケーブル、パワーモジュール、ディスプレイモジュールにて構成されています。植込型補助人工心臓と言っても、脱血管、送血管、血液ポンプだけが体内にあり、経皮ドライブラインを介してその他の部品と接続されております。

血液ポンプは軸流ポンプが使用されており、ローターが高速回転することにより生じる揚力により血液を循環させています。脱血部位は心尖部から行い、上行大動脈へ送血を行っております。血液ポンプ自体は、腹膜と腹直筋の間に留置されます。

血液ポンプへの電源供給は、体外にあるパワーモジュールより行います。また、バッテリーを用いる事も可能であり、バッテリーはリチウムイオンを使用しています。

 

【血液ポンプの流量特性】

補助人工心臓を用いている場合、最も注意しなければならないのはポンプ流量が適切であるかどうかです。ポンプ流量は、前負荷、後負荷、残存心機能により左右されます。特に、後負荷が高くなるとポンプ流量が低下してしまうため、後負荷の要因となるパラメータに関しては、適切なコントロールが必要になります。

後負荷の要因としては、血圧が挙げられます。同じ回転数では、血圧が高くなるにつれてポンプ流量が低下してしまいます。

 

【抗凝固療法】

患者さんは経口でのワーファリン投与が必用となります。そのため、消化管出血などには注意が必要となります。

 

【感染】

手術痕の感染はもちろんですが、HeartMateⅡの場合、体内の血液ポンプと体外のシステムコントローラを経皮ドライブラインにてつながっているため、経皮ドライブラインが体外へと露出する部分の感染が起きやすくなっています。そのため、定期的な消毒、ガーゼの交換やシャワー浴などにより傷口を清潔に保つ必要があります。

 

【患者教育】

HeartMateⅡを使用する場合は、自宅での療養が可能となります。そのため、パワーモジュールからバッテリーの切り替えなどを患者自身で行わなければなりません。また、患者自身だけでなく家族の協力も必要となるため家族同席での教育が必要となります。

【はじめに】

高頻度振動換気(High Friquency Oscillatory Ventilation:HFOV)は、主に新生児領域で使用される人工換気法であります。私の勤める病院でもHFOVを行う症例はありますが、あまり多くないのが現状であります。

今回は、HFOVについて簡単にまとめていきたいと思います。

 

HFOVとは】

HFOVは、死腔量よりも少ない一回換気量を1秒間に10~20回送気するという人工換気法であります。1回の送気ガスは少なくなりますが、総換気量においては通常の人工換気を上回ることになります。少ない一回換気量にて送気を行うことから気道内圧の急激な上昇を防ぐことができます。そのため、新生児の未熟な肺にたいして有効な人工換気療法の1つとなっています。ちなみに一回換気量は、体重1kgあたり12mL程度です。

HFOVは、送気方式の違いにより複数に分類することができます。その中でもピストン式が最も使用されており、私の勤める病院でもピストン式を使用しています。

ピストン式HFOVの送気ガス波形は正弦波(sin)となっています。通常の呼吸器では、吸気を人工呼吸器が制御しますが、HFOVの場合は吸気・呼気両方を人工呼吸器により制御します。

 

【適応疾患】

HFOVは、気道内圧の急激な上昇を防ぐことができるため、肺コンプライアンスの低い症例に対して有効だとされています。新生児の場合だと、肺サーファクタントの産生ができずに生じる急性呼吸窮迫症候群が挙げられます。また、肺内出血を伴う症例に対して有効であったという報告もあります。

逆にHFOVの効果が期待できない症例としては、上気道閉塞のある疾患や粘度の高い気道内分泌物のある疾患などが挙げられます。

 

HFOVの効果】

   急激な気道内圧の上昇を防ぐことができる。

死腔量よりも少ない一回換気量により急激な圧変動がないため。

 

   平均気道内圧の上昇。

高頻度での送気を行うため、PEEP効果が得られるため、平均気道内圧が上昇する。

 

   吸気・呼気ともに制御できる。

ピストンの押し引きにより正弦波状の送気波形が生じるため。

 

【さいごに】

私の実感としては、HFOVを使用する症例は年々減ってきています。その要因としては、人工呼吸器の性能が高くなっており他の換気モードでも気道内圧などのコントロールが可能になっているためだと考えられます。しかし、HFOVを必要とする場合もありますので基本的な理解は必要と言えます。

 

 

【はじめに】

カテーテル検査は大きく右心カテーテル検査、左心カテーテル検査、両心カテーテル検査の3つに分けることができます。

右心カテーテル検査は、右心系の圧測定や心拍出量の測定また酸素飽和度の測定などを行うことができます。そのため、弁膜症や心筋症の診断を行うために行われます。

今回は、右心カテーテル検査について簡単にまとめていきたいと思います。

 

【穿刺部位】

右心カテーテルを行うためには、まず静脈穿刺を行わなければなりません。下記に主な穿刺部位を示します。

   内頸静脈

   鎖骨下静脈

   尺側皮静脈

   大腿静脈

私の勤める病院では、主に内頸静脈に穿刺を行って検査を行います。また、穿刺はエコー下にて行われることが多く、エコーの準備やセッティングも臨床工学技士が行っております。

 

【検査の流れ】

   右房圧(right arterial pressure : RAP)の測定

   右室圧(right ventricular pressure : RVP)の測定

   右心室拡張末期圧(right ventricular end diastolic pressure : RVEDP)の測定

   肺動脈圧(pulmonary arterial pressure : PAP)の測定

   肺動脈楔入圧(pulmonary capillary wedge pressure : PCWP)の測定

   心拍出量(cardiac output : CO)の測定

   肺動脈から右心室までの引き抜き圧測定

圧波形の測定時には、患者さんに息止めをしてもらうことでより正確な測定を行うことができます。

 

【診断可能な病期】

右心カテーテル検査により、診断可能な病期を下記に示します。

   三尖弁狭窄症

   三尖弁閉鎖不全症

   肺高血圧症

   右心不全

   僧帽弁狭窄症

   僧帽弁閉鎖不全症

など・・・

 

【臨床工学技士の業務】

私の勤める病院では、右心カテーテル検査時における臨床工学技士の役割として、各波形の記録などのポリグラフ操作、心電図や動脈血酸素飽和度などの監視を主に行っています。

また、術中に生じる機器の不具合などにも臨床工学技士が対応しなければなりません。

【はじめに】

酸素解離曲線は、患者さんの呼吸管理を行う上でおさえておかなければならない知識の1つです。私自身も学生時代に何となく暗記していましたが、臨床の現場で人工呼吸器や補助循環、人工心肺などの業務に関わるうちに、しっかりとした理解が必要だと感じました。

本日は、酸素解離曲線を理解するために必要最低限の知識をまとめていきたいと思います。

 

【酸素解離曲線とは】

酸素解離曲線とは縦軸に動脈血酸素飽和度、横軸に動脈血酸素分圧をとり、動脈血酸素飽和度と動脈血酸素分圧の関係を示したS字状のグラフになります。どのようなグラフか気になる方は、Googleで検索してみてください。

ヘモグロビン1つに酸素は4つ結合するが、酸素と結合していない状態及び4つの酸素と結合している状態が安定状態となります。そのため、ヘモグロビンに酸素が1つ結合すると、2つ目3つ目と次々に酸素とヘモグロビンが結合していきます。つまり、最初の1つが結合するまでが困難であり、最初の1つが結合してしまえば、4つまで酸素が次々と結合するのであります。そのため、酸素解離曲線はS字状となり、S字状を形成する要因をアロステリック効果といいます。

 

Bohr効果】

酸素解離曲線が右方変位することを、Bohr効果といいます。通常の酸素解離曲線は、動脈血酸素分圧が60mmHgのとき、動脈血酸素飽和度は90%となっていますが、Bohr効果が生じると動脈血酸素分圧が60mmHgでも動脈血酸素飽和度が80%70%と低くなります。この状態は、ヘモグロビンと結合する酸素の割合が少なくなるということになりますが、組織への酸素供給が増えたため、ヘモグロビンと結合している酸素が解離して組織へ供給されたとも言えます。

上記のことより、Bohr効果が生じるということは、組織が酸素を欲しがっている状況といえます。Bohr効果が生じることで、酸素が消費され二酸化炭素や解糖系の中間代謝産物である2-3DPGが増加します。その結果、pHが低下して酸性へと傾きます。

なお、酸素が必要な状況下は代謝が亢進している場合であるため、体温も上昇します。

 

Haldane効果】

酸素解離曲線が左方変位することをHaldane効果といいます。Haldane効果は上記で説明したBohr効果と正反対の反応となりますので説明は割愛させていただきます。Haldane効果については、Bohr効果に比べて名前を知らない人が多く、教科書などにもなかなかでてきません。

 

【さいごに】

呼吸療法、人工心肺、補助循環を行う上で酸素解離曲線は基礎中の基礎であります。

特に、人工心肺では低体温下や復温後など体温の変化が大きくなります。その中で呼吸管理を行わなければならないため、非常に困難となります。組織の酸素需要をコントロールする業務の1つであるため、注意が必要になります。

 

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