医学的な研究を行う場合、研究の種類は大きく2つに分けることができます。
観察研究(observational
study)と介入研究(interventional
study)です。
臨床工学技士ということで、工学的な研究を中心に行っている方には、あまりイメージしづらいと思いますが、今回は医学的な研究を例にして説明していきたいと思います。
観察研究は、文字通り観察を行う研究です。
詳しく言うと、研究者の積極的な介入をせずに、被験者の日常的な行動を観察するといった研究です。
例を出すと、「小学校6年生の身長を測定して、都道府県別の平均値を比較する」という研究などです。
また観察研究は、「後ろ向き研究」と「前向き研究」に分けることができます。
① 後ろ向き研究
被験者の過去をさかのぼって、データを収集する研究のことを指します。
例を出すと、「ある年代の集団内で心疾患を患った人と心疾患を患っていない人の生活習慣を比較する」といった研究です。
② 前向き研究
被験者の現在の状況から将来に向かってデータを収集する研究のことを指します。
例を出すと、「ある集団の出生時から18歳までの身長の推移を調査する」といった研究です。
介入研究は、被験者に対して治療行為や生活習慣の指導などの介入行為を行い、その結果を収集し、解析していく研究です。
例を出すと、「従来薬を投与した集団と新薬を投与した集団の予後を比較する」という研究です。
病院でよく行われる治験というものは、介入研究に該当します。
次回は、観察研究と介入研究についてさらに詳しく書いていきたいと思います。