駆け出しCEのblog

臨床工学技士として日々勉強しております。 このブログでは、自身の知識や学んだことを他のコメディカルとも共有したいと思い作成しています。

関東でMEとして働いています。
臨床工学や医療機器について学んだことを
MEの目線から書いていきます。
看護師さんや他のコメディカルでもわかるように
書きますのでみんなで知識を共有していきましょう。


はじめに

日常の業務で機器点検を行う際、流量を測定することが多いと思います。また、測定機器のみならず、人工呼吸器や吸入器にも流量測定が行える機能が付属しています。今回は、流量計の中でも差圧式流量計について簡単にまとめていきたいと思います。


差圧式流量計とは

差圧式流量計は、医療現場のみならず工業でよく使用されている最もポピュラーな流量計です。測定方法は、名前の通り差圧を測定することによって流量を測定しています。差圧式流量計を使用している代表的な測定機器の一つにフローアナライザ(PF-300)などがあります。

では、なぜ差圧を測定して流量を測ることが出来るのかを説明していきたいと思います。


ベルヌーイの定理

ベルヌーイの定理とは、1738年にスイスの物理学者であるダニエル・ベルヌーイにより提唱された法則です。ベルヌーイの定理を、図と数式で表すと下記のようになります。

図1

図1


この式からわかるのは圧力が上がれば、流速が下がり圧力の総和は常に一定であるということです。

上記の式はなかなかややこしいので、下記に簡単な式を示します。


図1


この式は基本的な数式になるため、しっかりと基本をおさえる必要があります。


差圧式流量計の測定原理(簡単に)

差圧式流量計はオリフィスと呼ばれる抵抗体を置き、その前後で圧力の測定を行います。そこで計測された差圧をベルヌーイの定理にあてはめ、流速を算出します。流速が分かれば、あとは菅の断面積をかけることで流量を算出することが出来ます。このようにして、差圧から流量を算出することが出来ます。

差圧式流量計の構造は、教科書にも必ずと言っていいほど乗っているので興味のある方は参照してみてください。


さいごに

流量計一つとっても様々な測定様式があります。そのため、同じように扱うと流量の誤差が生じてしまいます。それぞれの流量計の特性を知り、それに適した使用方法で測定を行うことが重要となります。


はじめに


血圧測定は、病院にいると見ない日はないくらい基本的なバイタル確認です。臨床工学技士国家試験でも測定条件の変化にたいして血圧値がどのように変化するのかを問うような問題がよく出ています。

しかし、学生でありがちなのはそれらを丸暗記してなぜ、そのような変化をするのか説明できないということです。

今回は、教科書に出てくるような変動要因を模擬して血圧測定を行いましてそれらに対する簡単な考察をしていきたいと思います。

 

測定条件

測定部位は右上腕で行い、室温は27度で行いました。血圧の測定は水銀血圧計にて行い、測定条件は下記の通りです。安静時の測定値は、最高血圧が108mmHg、最低血圧が54mmHgです。

水銀柱が右斜めに傾いている

水銀柱が左斜めに傾いている

脱気速度を速めに行う

右房よりも測定部位の位置を高くする

右房よりも測定部位の位置を低くする

マンシェットをきつく巻く

マンシェットを緩く巻く

 

測定結果

水銀柱が右斜めに傾いている

最高血圧 114mmHg 最低血圧 68mmHg

水銀柱が左斜めに傾いている

最高血圧 82mmHg 最低血圧 48mmHg

脱気速度を速めに行う

最高血圧 90mmHg 最低血圧 62mmHg

右房よりも測定部位の位置を高くする

最高血圧 94mmHg 最低血圧 42mmHg

右房よりも測定部位の位置を低くする

最高血圧 120mmHg 最低血圧 70mmHg

マンシェットをきつく巻く

最高血圧 98mmHg 最低血圧 50mmHg

マンシェットを緩く巻く

最高血圧 118mmHg 最低血圧 64mmHg


考察

水銀柱が右斜めに傾いている

使用した水銀血圧計の水銀溜りが右側にあるため、水銀柱を右側に傾けることにより血圧が低下したと考えられます。

水銀柱が左斜めに傾いている

上記でも述べたように、水銀柱の水銀溜りが右側にあるため、水銀柱を左側に傾けると、その分水銀溜りから水銀が流出して血圧が高く表示されます。

脱気速度を速めに行う

脱気速度を速めるということは、マンシェット内の減圧速度も速くなります。減圧速度が速くなれば、心拍間の圧格差が大きくなるため、血圧が低く測定されます。

右房よりも測定部位の位置を高くする

血圧は、心臓から拍出された血圧が血管壁を押すことで生じます。そのため、測定部位が心臓よりも高い位置にあると、拍出された血液が重力の影響を受け血管壁をおす圧も低下してしまいます。そのため血圧は低く計測されてしまいます。つまり、血圧の基準となる右房よりも測定部位が高くなればなるほど、血圧は低く計測されます。

右房よりも測定部位の位置を低くする

心臓よりも測定部位が低い場合、重力の影響を受けて血液が血管壁をおす力が強くなります。その結果測定値が高めに表示されてしまします。

マンシェットをきつく巻く

マンシェットのカフが初めからきつく巻かれることで、加圧をしていない状況でも血管には一定の圧が加わっていることになります。その結果、少ない加圧で血圧測定ができるようになり、測定値が低くなります。

マンシェットを緩く巻く

マンシェットが緩いと、より加圧が必要になります。そのため、測定値が高くなってしまいます。

 


はじめに

IFRとはInstaneous wave-Free Ratio:瞬時血流予備量比とのことで、心臓カテーテルの冠動脈治療で、冠動脈の有意狭窄の有無を測定する医療機器です。

FFRを知っている人に伝えるとすると、最大充血薬(塩酸パパべリン、ATP)による薬剤負荷が、IFRでは必要がなく測定できるやーつです。

 

FFRについての過去の記事http://kk-ce.com/archives/3211194.html

 

簡単に言うと「IFRFFRの薬使わないやーつ」

それなのに、FFRと同等の診断精度あるというエビデンスがあります。

 

そもそもなぜ最大充血薬が必要だったのか??

冠動脈での血圧と血流量の関係のグラフです。

自動能

グラフの形から、冠動脈には、血圧70-130mmHgの幅で冠動脈血流量を一定になる自己調節機能があります。それは冠動脈の抵抗血管による調整です。

 

この状態でFFRを行うと抵抗血管によって正確な測定(圧力)ができません。

 

なので!!最大充血薬によって冠血流冠灌流圧の関係を直線状になるようにする必要があります。

 

そもそも最大充血とは、抵抗血管を最大限に拡張することにより、血管抵抗を最大限に低下させ、血流を増加した状態します。それにより内圧比と血流量比が等しく測定ができます。



IFRで最大充血薬が必要ではない理由

IFRは自己調節機能が影響されない時間だけで、測定しているので、最大充血薬が必要ありません。

FFRの測定の時には、血圧の心周期全部で測定していたので最大充血薬が必要でした。

 

自己調節機能が影響されない時間とは、心周期の拡張期です。

拡張期は抵抗が最小になり、測定が可能になります。

 

IFRの特徴として、

①薬剤負荷が必要無い

②薬剤効果時間が無いため単発的な測定が可能

③周期の拡張期のたびにしか測定値はでない。

④カットオフ値が0.89です(FFR0.75)



最後に


このような技術のお陰で、患者さんに対する負荷が減る事はとても良いことだいます。
しかし、まだドリフトが起こることが多い気がします。(あくまでも感覚です)

まぁ薬剤負荷が無いので再測定もしやすいですけどね。

個人的にはFFRIFRで使用する圧センサー型のガイドワイヤーの構造の方が100倍気になります。


はじめに


エンドトキシンという名称は、臨床工学技士をやっていれば多く聞くことがあると思います。透析の水質管理の場面や敗血症性ショックでの原因物質など、多くの場面で出会うことがあると思います。

私が学校では「エンドトキシンはグラム陰性菌の菌体外膜毒素!!」と学びました。間違ってはいなかったのですが、中身を把握せずにいたので、この機会に学びなおそうと思いました。「エンドトキシンそもそも論・入門編」って感じで見てください。

エンドトキシンによる生体作用

エンドトキシンが体内に入ると、多核白血球やマクロファージを介して炎症性メディエーターが産生され、発熱・血圧低下などの敗血症性ショックをきたします。

 

グラム陰性菌とグラム陽性菌について

細菌類にグラム染色すると大きく2種類(紫・赤)に大別されます。グラム陽性菌は紫色に染まる菌で、グラム陰性は紫色に染まらず赤く見えるもの菌です。

その染色の違いは細胞壁の構造によるものです。

グラム陰性菌 陽性菌


エンドトキシンとは何ぞや


グラム陰性菌は水性菌とも呼ばれ、栄養分の乏しい水中でも繁殖することが出来るため、すべての水の汚染原因となっています。

 

エンドトキシンは、グラム陽性菌に含まれていません。グラム陽性菌にも陰性菌のどちらにもペプチドグリカン層は存在しますが、グラム陰性菌ではペプチドグリカン層の外側にさらに外膜があります。

 

グラム陰性菌の外膜(最外層)の構造は、脂質二重膜です。外側にリポ多糖体(lipopolysaccharideLPS)、そして内側をリン脂質が裏打ちしています。LPSは油性のlipid Aと親水性の多糖体が結合した両親媒性分子です。

 

細菌が死んで膜が破砕した際に遊出してきます!!

 

エンドトキシンとは物質としてはLPSのことです。

※外毒素とは細菌が産生して外部に放出する毒素で菌体成分ではないです。

 

しかし、実際はエンドトキシンが遊離する場合、LPSだけで存在することよりも、LPSとリン脂質がくっついた状態(ミセル会合体)で存在していると考えられています。これが大きさの分布に幅広い原因といえます。(分子量が数十万〜数百万)


エンドトキシンとは











はじめに

慢性透析で使用される薬剤は、患者さんの状態に合わせて処方されています。多くの場合、急変時以外は透析終了時に投薬する施設も多いのではないでしょうか。

それらの薬剤を一部まとめてみました。


透析だけではカバーできない腎臓の機能


腎臓の大まかな機能としては、

腎臓 薬


腎不全の患者さんは主にこれらの機能が不全になるため、透析治療を行う。しかし腎臓の機能は多岐にわたり、透析だけではカバーしきれない。それ以外の部分を投薬でカバーします。

今回は、③と④に対する薬剤について書きます。

 

③に対する薬剤:腎性貧血治療薬


腎性貧血の原因として、

①赤血球造血の抑制、②鉄代謝の障害、③赤血球寿命の短縮

であります。

 

①赤血球造血の抑制

造血ホルモンであるエリスロポエチンの生成低下が原因なので、1)エリスロポエチンを増やす薬剤や、2)エリスロポエチンレセプターに作用し提出赤血球造血刺激を行う薬剤などの大きく分けて2種類の薬剤で、赤血球造血を促す。

 

1)エリスロポエチン製剤:EPO製剤

              エスポー (エポエチンアルファ)

              エポジン (エポエチンベータ)

 

2)赤血球造血刺激因子製剤:ESA

              ミルセラ (エポエチンベータペゴル)

ネスプ (ダルベポエチンα)

 

 

②鉄代謝の障害

鉄欠乏の原因として、透析操作の失血や回路内残血やリン吸着剤による鉄吸収の抑制、EPO製剤による鉄消費の亢進などです。

 

1)鉄剤

フェジン(含糖酸化鉄)

 

 

③赤血球寿命の短縮

寿命短縮の原因として、カルニチンの不足による赤血球の膜障害が挙げられます。膜障害とは浸透圧脆弱性、変形能の障害、代謝障害などがです。しかし、現在でも原因の解明出来てないことも多いそうです。

 

1)カルニチン欠乏症治療薬

エルカルチン (レボカルニチン)

 

 

③に対する薬剤:CKD-MBD治療薬


CKD-MBDとは「慢性腎臓病と骨ミネラル代謝異常」の事です。腎臓の働きの一つにビタミンDを活性化させカルシウムの吸収を促進させています。細かい説明を飛ばしますが、活性型ビタミンDとカルシウムの欠乏による代謝異常の事です。それらの対処として、活性型ビタミンDを増やすこと、もしくは、「カルシウムが血中に多いよ!!」と副甲状腺に思い込ませることが必要です。

 

1)活性ビタミンD3製剤

              マキサカルシトール(オキサロール)確認

              カルシトリオール(ロカルトロール)確認

 

2)カルシウム受容体作動薬

              パーサビブ(エテルカルセチド塩酸塩)

 

 

【その他の透析関連併用治療薬】

①リン吸着剤

②カリウム抑制剤

③降圧剤

④皮膚掻痒症治療薬

⑤下痢

⑥糖尿病治療薬

 

 

さいごに

今回は使用頻度の多い薬剤について書きましたが、それも氷山の一角だと思います。透析業務に携わる臨床工学技士として、最低限の薬剤の知識は必要だと思います。しかし、私の性格的に全部理解をしたいと思うのですが、、、難しい!!面白くない暗記に頼らざる得ないのが悔しいです。それを理解出来る薬剤師さんやお医者さんはすごいとあらためて思います。


はじめに

現在ダイアライザの構造の種類は、中空糸型と積層型があり、シェア率としては、中空糸型が98.5%、積層型が1.5%になっています。中空糸型の構造がほとんどをシェアしています。

積層型は平板型やプレート型、キール型とも呼ばれ、実際に使用した医療者はわかると思いますが、中空糸型とは違う手技があります。

 

それは、「プライミング時」と「開始時:脱血時」にダイアライザ内の透析液側の圧力を下げる手技が必要になることです。

今回は、なぜそのような手技が必要な理由を記事にしました。


積層型ダイアライザの基本情報

積層型のダイアライザといえば、「H12ヘモダイアライザ」が一番使われているのはないでしょうか?積層型のダイアライザの基本情報を記述します。

l  膜素材:PAN(アクリルニトリルとメタアリルスルホン酸ナトリウムの共重合体)

(ポリアクリルニトリル共重合体)

l  膜材質:ハイドロゲル構造(親水性により)

l  膜構造:対称膜(全体が緻密層) 

l  膜電荷:強い陰性荷電(70mVぐらい) ACE阻害薬は使用禁忌

 PS膜は―5mVぐらい


積層型ダイアライザの構造

図

積層型と中空糸型の構造の違いです。

膜は黄色で表現してます。

 

中空糸型は膜がストロー状をしていて、内部に血液が流れ、外部に透析液が流れる「内部灌流型」です。

 

積層型は、血液側と透析液側と支持材の層構造(ミルフィーユ)になっていて、血液側層に透析膜が挟み込み、その膜の反対側に透析液側流れている構造です。流れ方は、中空糸と同じで、向流(血液と透析液が逆向きに流れている)になっています。

 

構造が違うのは一目瞭然だと思いますが、この違いどのように影響するかというと、血液側層にコンプライアンスがあることです。

コンプライアンスがあるということは、血液側圧力と透析液側圧力のバランスにより、血液側充填量が変化します。

血液側容量を確保されるためには、常に、血液側圧力>透析液側圧力になる必要があります。なので逆濾過はほとんど起きないです。

 

実際の内部での圧力分布は、流入口と流出口の場所で変わるので、


図

この図のようになることが考えられます。


プライミングと透析開始時の手技について

プライミング時には、透析液側を開放する必要があり、膜に過度な圧力避けるためや、膜全体に洗浄を行うために必要なのが考えられます。

 

透析開始時には、血液充填量を多く確保するために、透析液側の圧力を大気開放にする必要あります。

「プライミングの時に充填量確保されているではないか」と思う方もいると思いますが、プライミングと開始時の間にガスパージの工程があるため、そこで、透析液側の圧力が変化していることが考えられます。


最後に

手技の違いを作業的に覚えるのではなく、構造を理解することにより、意味を理解して手技を行うと、とても面白いです。

適応患者やPAN膜、ハイドロゲル構造、吸着能の話は、また別の記事で記載します。




以前、
Kt/Vについて簡単な説明と考え方について書きました。今回は、Kt/Vに少し踏み込んでいきたいと思います。

 

【日本透析医学会の推奨】

日本透析医学会は、透析量について下記の項目を推奨しています。

 

1.    透析量は、尿素のsingle-pool Kt/Vurea(spKt/V)を用いることを推奨する。(1B)

2.    透析量は、月1回以上の定期的な測定を推奨する。

3.    実測透析量として、以下の値を採用する。

1)    最低確保すべき透析量として、spKt/V 1.2を推奨する。(1B)

2)    目標透析量としては、spKt/V 1.4以上が望ましい。(2B)

4.    透析時間は、4時間以上を推奨する。(1B)

 

補足

*本ステートメントは、週3回、16時間未満の維持血液透析患者を対象とする。

引用:日本透析医学会 維持透析ガイドライン 血液透析処方 P597

 

spKt/Vとは何か】

成人男性の約60%は水分で構成されています。そのう2/3が細胞内、1/3が細胞外に分布しております。細胞内外での物質分布が異なるのに加え、体内では常に尿毒素成分が生成されております。

上記で示したパラメータを考慮して生体内の物質分布を算出することは、非常に困難であります。このことから、生体を1つの水槽と仮定したものをシングルプールモデルといいます。

ここで要注意なのが、シングルプールモデルとして生体を考慮したときに、対象とすることが出来る物質は、尿素のみということです。尿素は、分子量が60と小さいため、細胞内外を比較的自由に行き来することが出来ます。そのため、尿素の分布状態を考える場合にシングルプールモデルという考え方ができます。

 

【目標透析量】

欧米の観察研究によると、透析量を増加させることにより、死亡リスクの低下などが報告されています。また、spKt/V1.2~1.3にて死亡リスクの低下が鈍化傾向にあるという報告もされています。そのため、日本透析医学会のガイドラインでは、最低限のspKt/V1.2とし、目標値を1.4としています。

 

spKt/Vの問題点】

体格による影響が出やすい

Kt/Vは、体格による影響が出やすくなっています。体格が小さい人は体内に含まれる体液量も相対的に小さくなります。よって体格の大小により見かけ上、Kt/Vが大きくなったり、小さくなったりします。

 

②対象物質が尿素のみ

spKt/Vは、尿素のみを対象としているためspKt/Vだけでは、低分子タンパクなどの透析指標にはなりません。

 

【参考文献】

日本透析医学会 維持透析ガイドライン 血液透析処方 P597-600

以前に、クリアランスについて書いていきましたが、

本日はクリアランスと血流量の 関係について書いていきます。
まず、最初にクリアランスと血流量はとても親密な関係であります。

クリアランス


この式は以前にも示した算出式です。

 

上記の式をわかりやすく日本語にしてみました。


クリアランス


この式をみると血液流量とクリアランスが比例関係になりそうですが、そうはなりません。

結果から言うと、血液流量上昇によりダイアライザ出口濃度が下がりにくくなり、効率は下がっていきます。

 

【低流量で効率が上がる理由】

血液がダイアライザ内の滞在時間延長

ダイアライザの血液充填量は65mLだったので、滞留が無いと考えた場合、血流量50mL/minの時、通過時間は78秒である。血流量300mL/minの時、通過時間は13秒です。血液内の物質が拡散できる時間が、効率を上げると言えます。

 

血液流量QBと透析流量QDの流量比

血液側から透析液側に物質は移動します。そのとき血液側と透析液側の濃度差が小さくなることが考えられます。そのため、QDQBに比べて大きいと、透析液側の濃度は入れ替わりが早く濃度が低いままで維持できる。そうなると、拡散能力は維持できると言えます。このことから、QBQDが低い方が、効率が上がると言えます。

 

「では低流量の方が良いのではないあか」と思う人もいると思います。

それは、あくまでもダイアライザを通過する血液量が同じ場合であり、時間が恐ろしくかかってしまいます。

そのため、時間効率を考えると高流量の方が良いと言えます。

 

 

【高流量について】

高流量のほうが、透析効率的に絶対的に良いと言える。しかし、血流量を上げても小分子除去能は上がるが、大分子物質の除去能は変わらないとされています。


クリアランス


デメリットは、高流量を実現するために良好なバスキュラーアクセスが必要であること、透析導入初期の患者さん場合、不均衡症候群のリスクにもなることが挙げられます。

他の理由として心臓に負担になるという文面をよく見かけます。心臓に負担になる理由の考察として、返血が静脈圧を上昇させ前負荷が上がるから。他に、末梢血管を通過せずに心臓に戻る血液量が増えるので、末梢血管での血圧が低くなり、血圧を上げるために心機能を上げることによる心負荷が考えられます。


【はじめに】

血液透析を行う場合、透析前後の体重測定を行い、ドライウェイト通り除水が行えているかを確認します。しかし、ドライウェイトは適切な除水量を把握するのに必要な指標であり、血液中の尿毒素成分が適切に除去されたのかまではわかりません。

今回は、透析量の指標の1つであるKt/Vについて簡単にまとめていきたいと思います。

 

Kt/Vとは】

透析量の指標としてKt/V(ケー・ティー・オーバー・ブイ)があります。Kt/Vは、クリアランス(K)と透析時間(t)をかけたものを体液量(V)で割ることで求めることができます。

上記でも説明しましたが、Kt/Vについて単位から考えてみましょう。各パラメータの単位は下記のようになります。

 

クリアランス:mL/min

透析時間:hr

体液量:L

 

上記で示した各パラメータの単位を換算していきますが、計算のイメージがしやすいように適当な数値を入れて説明していきます。

 

クリアランス:180mL/min

透析時間:4時間

体液量:36L

 

上記のパラメータでKt/Vを求めていきます。まず、計算のしやすいように各パラメータの単位をそろえていきます。

 

クリアランス:180mL/min

透析時間:4hr×60240min

体液量:36L×100036000mL

 

単位がそろって計算がしやすくなったので計算をしていきます。

 

Kt/Vに先ほど示した数値を入れると

圧トラ


このようになります。

ここで注目してほしいのは、計算後の数値ではなく算出されたKt/Vの単位です。

簡単な計算なのでわざわざ説明することもないと思いますが、各パラメータの単位は相殺され、無次元数となります。つまりKt/Vに単位はないということです。

 

Kt/Vの解釈】

Kt/Vについて理解するには、各パラメータの意味をしっかりと理解する必要があります。各パラメータの意味を簡単ですが、下記に示します。

 

クリアランス:1分間にキレイになった血液の量。

透析時間:血液透析を行った時間

体液量:患者さんの体内に含まれる水分量

 

つまり、クリアランスと透析時間から透析治療でキレイになった血液量を求めることができます。その数値を患者さんの体液量で割ることで患者さんの全体液が何回キレイになったかを求めることができます。

つまり、Kt/Vは患者さんの全体液が何回透析されたかを示す数値といえます。

 

【さいごに】

今回は、Kt/Vについて簡単に説明しました。今後、さらに突っ込んだ記事を書いていく予定ですので、今回の記事と合わせて読んでください。

よろしくお願いします。

 


【はじめに】

輸液ポンプの滴下制御型は、滴下数を計測して、流量監視をしています。

例えば20滴分が1mLの点滴筒で、流量100mL/hの設定の時、1時間で2000滴落ちることになります。そうなると滴下と滴下の時間は0.556秒になります。細かい仕組みはわかりませんが、それにより設定の流量を監視することができます。


センサ


滴下センサの表には、LEDが組みこまれており、薬液が滴下するたびに発光します。なので、発光数が滴下数になることが分かります。

 

【滴下センサの仕組みについて】

※注意:いまから書くことは、私自身が、いろいろな事を試しながら仕組みを考察したものです。

■滴下センサの構造・動作について

滴下センサの構造は、点滴筒を内部に装着させた時に、点滴筒内を水平に発光させ、反対側に受光部を置くことによって、水滴の通過時に光が遮られ、滴下を検知できる構造になっています。

センサ

滴下時の検知動作は、実際に指で光を遮断してみると、光を遮断初期にカウントし、それ以外ではカウントすることはありませんでした。これらの動作を縦軸に受光量、横軸を時間のグラフにすると、下の図のようになります。

※受光量の単位が[V]の理由は、受光部にフォトトランジスタが使用されていると仮定した時です


センサ


受光量の変化時にカウントしているのが分かる。変化時といっても④ではカウントせず、②のみだけである。

上のグラフを微分してみると、

センサ

変化時のみに電圧(パルス波)が発生することがわかります。

 

これらの情報から電気回路を想定すると

微分回路とダイオードで、滴下時のLED発光とデジタル信号が出力できる回路に置き換えることができます。

センサ

前段で微分をし、真ん中あたりのダイオードで④の電圧を取り除き、パルス波を反転させて、LEDに電流を通過させる回路になっています。

アナログ回路の方が、動作が速いので、大方は間違っていないと思います。

 

【さいごに】

医療機器の内部構造については、メーカ側のブラックボックスになっていたりするなど、なかなか把握することはできません。しかし、工学的知識をつなぎ合わすことで何となくでも理解することができます。




↑このページのトップヘ